龍谷 2006 No.62
学部NEWS (2006.4月〜9月)
文学部経済学部経営学部法学部
理工学部社会学部国際文化学部短期大学部

文学部  

真剣さが伝わる「マスコミ論」の講義
真剣さが伝わる「マスコミ論」の講義
「マスコミ論」から
テレビアナウンサーが誕生

 文学部・短期大学部同窓会の寄付講座「マスコミ論」の受講生から、またまたアナウンサーが誕生した。  アナウンサーになったのは田中理紗さん(2005年英語英米文学科卒業)。小学生の頃からアナウンサーに憧れていたという田中さんは今年4月、新潟放送のアナウンサーとして採用され、見事に夢を現実のものにした。
 マスコミ論は、文学部3年生を対象に1997年度から始まり、2002年度から毎日放送特別顧問の神前俊彦氏(社会学部客員教授)が講義を担当。これまでに受講者をマスコミ関係へ多数輩出した実績があり、マスコミ志望者にとっては特に人気の高い講義だ。 田中さんを指導した神前氏は「授業にも熱心に耳を傾け、レポートも欠かさず提出していた。授業以外でもエントリーシートの確認に来るなど特に意欲的な学生だった」と印象を述べる。
 文学部のキャリア支援科目の中でも、マスコミ論は特に就職に直結した講義内容が特色。今年度は前期講義中に採用試験でよく取り上げられる「10年後の私」というタイトルでレポートを課し、夏休みには就職活動を意識したエントリーシートの作成がある。後期には複数回のレポート作成と添削を行なう予定だ。
 マスコミ論はマスコミ志望者だけでなく、企業への就職を強く希望している学生も文章作成能力の向上をめざして受講している。
 神前氏は「学生の文章は、初めはとても就職活動に使えるような内容ではないが、指導して何度も書き直させるにうちに、それなりの形になってくる。そのキャッチボールが未来の田中さんを作るんです」と話す。

経済学部  
経済学部の新2学科が始動

 今年度に「現代経済学科」「国際経済学科」を開設した経済学部の入学式が4月1日、深草学舎で行なわれ、1期生となる新入生562名が新たなスタートを切った。
 経済学部では2年生後期に学科を選択する方式を採っており、新入生にとってこの1年間は、経済学の基礎を学びつつ将来に向けての問題意識を形成する大切な時期。1〜4年生まで少人数の演習を連続的に配置している経済学部の新カリキュラムでは、動きのある科目を重視しており、7月5日に行なわれたプレゼンテーション技能を披露する合同演習では、学生たちはこの間の学修成果を真剣に発表していた。
 1年生後期からは学科選択のためのプレゼミといえる「基礎演習T」が開講する。いよいよ新学科新入生とともに新しい学部づくりが始まった。

新学科開設記念シンポジウムを開催
 「現代経済学科」と「国際経済学科」の誕生を祝って8月5日、深草学舎で開設記念事業があった。
 記念事業では、エコノミストで社会経済学者として幅広い評論活動を展開している齋藤精一郎氏が「21世紀の経済と大学」と題して講演を行なったほか、経済学部教員とアドバイザリーボードによるパネルディスカッション「21世紀の経済学」や増田啓子教授による公開授業「温暖化対策」が開かれ、参加者約150名とともに新学科の門出を祝った。
「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でおなじみの齋藤氏がこれからの経済学について熱く語った
「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でおなじみの齋藤氏がこれからの経済学について熱く語った

経営学部  
進路を意識した「キャリア形成論」を開設

 経営学部では、学修目標の形成、効果的な科目履修に結びつけようと2006年度から「キャリア形成論」を新たに開講している。
 この科目は、学部として大学生活の早い段階で学生自身の将来に目を向けさせるとともに、職業に関する視野を広げた上で職業選択についての目標設定や気付きを与えようとするのが目的で、2年生を対象に開いている。
 前期開講の「キャリア形成論T」では、税理士、公認会計士、中小企業診断士らが、仕事の内容や魅力、現在の職業にかかわるきっかけ、大学時代はどのように過ごしていたかなど、自らの経験を基に講演。
 一方、後期に開講する「キャリア形成論U」では、経営学部の卒業生や特色ある企業経営者を招き、ビジネスのおもしろさと厳しさ、社会人に求められる素養、経営者としての人生などを語ってもらう予定だ。
 「キャリア形成論T」を受講した学生は「生の生き方≠ノ触れることで自分のこれからについて考え、行動する活力をもらった」「大学時代にすべき事などとても参考になった」と早くも好評を得ている。
 経営学部では、すでに1年生を対象にした「マイキャリアデザイン」を開講しており、今回の科目開設は、学部教育の基本指針である「進路を意識した系統的履修」の実効性を高めるもので、今後は3年生を対象にした科目の開設も検討している。キャリア系科目と学部専攻科目との一体化が次の課題といえる。


6月13日に行なわれた元近鉄百貨店宣伝企画部長の中村俊男氏による講演
6月13日に行なわれた元近鉄百貨店宣伝企画部長の中村俊男氏による講演

法学部  
旧司法試験第二次試験(短答式試験)に13名が合格!

 法務省から6月8日、旧司法試験第二次試験(短答式試験)の合格者が発表された。全体の合格者が対前年比50%減の中、龍谷大学からは13名が合格しており、最終合格に向けて、さらなる躍進が期待される。
 法曹・司法書士などの志願者を対象に開いている特別研修講座「法職課程」は、在学生だけでなく本学卒業生も受講できる。受講料も経済的に設定されており、自習室の利用、DVDによる復習・自習も可能。クラス担任によるきめ細かいフォローアップを行なっている。
お知らせ
 法職課程では、旧司法試験第二次試験(短答式試験)の合格者を対象に、各司法試験予備校で実施される講座受講料の援助をしています。ご希望の方は、旧司法試験第二次試験(短答式試験)合格を証明できる書類のコピーとともに、氏名、本学卒業年(在学生は学籍番号)、連絡先(住所、電話番号、e-mailアドレス)を左記まで連絡先してください。 
【法職課程】
〒612―8577
龍谷大学教学部(法学部)
TEL‥075―645―7896


女性実務家が語る
『司法書士の魅力と実務』

 近年、大学在学中にも取得可能な資格として注目される「司法書士」。法律に無縁だった生活から、市民に身近なホームドクター的存在の司法書士をめざす人が増えている。
 法職課程では町の法律家の養成を目的に、「司法書士入門講座」を開講するなど講座の充実を図っている。7月6日には司法書士の大岡由奈さんを講師として迎え、女性実務家の視点から「司法書士の魅力と実務について」の講演会を開催。今後の講座開講予定はHP(www.ryukoku.ac.jp/housyoku)で確認できる。
司法書士の役割について話す大岡由奈さん
司法書士の役割について話す大岡由奈さん

理工学部  
「理工学部キャリア教育の取組」を展開

 理工学部では、1〜4年生にわたる段階的キャリア教育システムの構築をめざして、キャリア教育に積極的に取り組んでいる。これは、生かされていることへの自覚と感謝から始め、自己の可能性の発見や自主性の育成、職業観や勤労観の養成を通して学生個々のキャリアアップを行なう取り組みである。
 プログラムでは、一方通行的な講義形式を避け、少人数形式でディスカッションやプレゼンテーションなどを行ないながら、学生個々人の成長を促している。まず1年生を対象とした『キャリアデザイン』で「土壌作り」を行ない、2年生には『キャリアプランニング』で「種まき」、3年生の『学外実習』では実社会での経験を踏まえ、4年生には就職活動を通じて自己の可能性を開花させていく、といった仕組みになっている。
 さらに、これらのプログラムをより有意義なものとするため、キャリア開発部とも連携を強化し、講演会やカウンセリングなどの講座を多く開講。中でも特色は、キャリアアドバイザー資格を持つ経験豊かなカウンセラーが授業を担当するだけではなく、個人やグループでのキャリアカウンセリングも行なっており、講義中やそれ以外でも的確なアドバイスを受けることができる。
 理工学部では今後もさらにキャリア教育の改善を加えながら取り組んでいく。


「理工学部キャリア教育の取組」 
www.rikou.ryukoku.ac.jp/career


理工学部キャリア教育の取組

社会学部  
社会学部学会が「三上寛独怨会」を開催

 社会学部学会が毎年ユニークな活動を展開している。7月10日には、「怨歌(フォーク)」という独自のスタイルを確立したフォークシンガーの三上寛氏を招き、「三上寛独怨会〜今こそフォークが世界を開く〜」を開催。三上氏による独特で強烈な歌唱とギター演奏に、瀬田学舎学生交流会館ステージホールに詰めかけた約200人が酔いしれた。
 社会学部学会とは、学生の学術研究推進や教員との相互交流を目的とした組織のこと。学生と院生らが主体的にイベントの企画・運営などを行なっており、これまで社会学部ジャーナル「龍論(RONRON)」の発行や、学生のアイデアを生かした講演会やシンポジウムを毎年2回開いている。
 今回のイベントの企画代表である社会学部3年生、杉本竜哉さん(徳島県立城北高校出身)は「三上さんは誰か≠フやるせない感情に安易に答えを出さず、共に苦しみ続けます。それは私たちが普段からよく聞く今の音楽に欠けているものではないでしょうか」と企画の意図を説明。「三上氏が語った『人はやっぱりつながっていると思う』という言葉が印象的だった」と話す。
 イベントを成功させたスタッフらは、疲労感と満足感に浸りながら、後期に行なうイベントの盛会を誓い合っていた。

学生らを前に渾身の「怨歌」を熱唱する三上寛氏
学生らを前に渾身の「怨歌」を熱唱する三上寛氏

国際文化学部  
『やりたいことが見えるカリキュラム』2007年度からスタート

 今年に開設11年目を迎えた国際文化学部では、多彩な科目から学生一人ひとりが選択できる「自由な学び方」のエッセンスを大切にしつつ、さらに大学出口への「道しるべ」を明確にするため、2007年度からコース制による新カリキュラムをスタートさせる。
 新カリキュラムは、1年生における語学授業をこれまでの週3回から週5回と増やし、英語、フランス語、中国語・コリア語のいずれか一つを選択する「集中型」、もしくは英語とフランス語・中国語・コリア語のいずれか一つを選択する「2言語型」の履修により、外国語を徹底的に学ぶことができるのがポイントだ。
 また、2年生からは、興味・関心のある学問領域に進み、幅広くかつ関心領域に沿った学修を進められるよう「言語(英語教育、フランス語、中国語、コリア語)」と「文化理解(国際共生、芸術・メディア、地域文化)」の分野から、主専攻と副専攻を選ぶコース制を導入。卒業までにより専門性の高い学修が可能となる。
 さらに、入学定員を370名から420名に増員することになっており、2007年度に生まれ変わる国際文化学部に期待が高まる。


キャンパスにいながらまるで海外留学のような環境
キャンパスにいながらまるで海外留学のような環境


短期大学部  
学生企画イベント「龍短彩」を初めて開催

 短期大学部児童福祉コースの学生が企画した「龍短彩」が6月25日、深草学舎21号館地下のレクリエーション指導室で開かれ、グループ対抗ゲーム大会をはじめ学生有志によるダンスやピアノの連弾が披露されるなど学年を超えた交流が行なわれた。
 短期大学部の学生を対象とするこのイベントは、「短大生による短大生のための学園祭」という位置づけ。短大生は2年間で専門的知識を学ばなければならないため、学部学生らと学園祭などを作り上げていくのが難しい現状だった。それならばと短大生自らが企画し、龍短彩を今年初めて開くことにした。
 龍短彩の開催にあたっては、3カ月前から打ち合わせを重ね、企画や準備、本番の進行に至るまでをすべて学生の実行委員が計画。イベントを終えた実行委員は「時間のやりくりは大変だったけど、自分たちの企画でみんなが楽しみ、親睦を深める機会にしてほしいという気持ちが繋がった」と充実感をにじませていた。
 龍短彩を外から見守った児童福祉コースの中根真助教授と鈴木大介講師は「参加した学生はもちろん、一からすべてをやり遂げた実行委員にとって貴重な経験になったと思う。学業と同様に今しか出来ない事をする≠ニいうことは素晴らしいこと。この経験は大学を卒業してからも大きな財産になる」と話し、龍短彩が来年、再来年と発展していくことに期待していた。


龍短彩を存分に楽しんだ短大生たち
龍短彩を存分に楽しんだ短大生たち








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