新しい形のプログラムで自分自身を再発見
このプログラムは、現地でのボランティアなど、様々なコミュニケーションを通して英語能力の向上を図り、また、多民族国家であるアメリカ社会での体験を通して、広い視野と柔軟な発想を学ぶことを目的としている。奨学金制度や、留学費用のの一部を大学が支援していることも特長で、現地に協定校職員が常駐している安心感も魅力の一つ。昨年8月に実施した初めてのBIE(5-week summer) Programに参加した加藤正樹さん(法学部2年生)と石井陽子さん(国際文化学部2年生)に、このプログラムの魅力や留学を通して得たもの、感じたことを聞いた。
――実際にプログラムに参加してみていかがでしたか?
加藤 教室の外に出て行く授業が多く、現地の人に英語でインタビューをしたり、社会見学で工場に行ったりできて、とても興味深かったです。
石井 英語が話せるか不安でしたが、アメリカ人の先生方が積極的に話しかけてくれ、不安は消えました。間違えてもいいからしゃべることが大切だと学びました。
――インターンシップでは何を経験しましたか?
加藤 グライド・チャーチに行きました。ここは地元のホームレスの人や貧困層の人が食事をしたり交流する場なんですが、僕は給仕をしたりイベントを企画して日本文化について発表しました。皆さんと折り紙をやったり水墨画を描いたり、反応もよかったですよ。
石井 エディブル・スクールヤードという「食育」を教える中学校に行きました。自家栽培した野菜を使って子どもたちと一緒に畑の草抜きをしたり、キッチンで料理をしました。この学校は食育教育を通して家庭でも親に食事の大切さを気付かせる目的で運営されています。子どもと一緒に素材の味を生かした薄味の料理を作ると、みんなおいしいと言って食べてくれました。
――インターンシップで印象に残ったことはありますか?
加藤 教会での食事の給仕ですね。みんな食べることに必死で、机が汚れていても気にしないんです。でも拭いてあげると「ありがとう」と笑顔で言われたり「どこから来たの?」とコミュニケーションができてうれしかったです。この体験でホームレスの人のイメージや僕自身の価値観が変わりました。社会から排除されている人たちがどういう生活をしているか実感できたのが大きかったです。授業でも貧困層の人たちはジャンクフードを食べるので肥満になりやすいということや、過去に黒人が相当差別されてきたことも背景にあると聞きました。これはテレビを見ているだけでは感じられないことだと思います。
――このプログラムで学んだことは?
加藤 英語がうまく話せることより「自分に英語で伝えたいものはあるのか?」ということが重要で、人間としての深みや思想が大切だということに気付きました。
石井 私は石橋を叩いても渡らない性格でしたが、今回の留学で「挑戦すること」を学べたと思います。
――留学経験を今後どう生かしたいですか。
石井 今回の経験で食育の大切さを知ったので、教育について研究したいと思い、春からは教育関係のゼミに進むことにしています。
加藤 日本人として日本社会に貢献したいです。留学前には考えもしなかったことですが、帰国してからその思いが強くなりました。
――これからBIE Programをめざす学生へメッセージを。
加藤・石井 結果は恐れず、一歩踏み出してほしいです。不安はあっても何とかなるものです(笑)。失敗もあるけど得るものは大きいので、ぜひ挑戦してほしいですね。 |
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石井陽子さん |
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加藤正樹さん |
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