西本願寺聞法会館で開催された清水焼展
陶器作りの題材を探しに門前町をまわった
昨年夏から冬にかけて、西本願寺の門前町一帯で行なわれた「ハートウォーミングタウン計画」。3年前から、経済学部の学生有志が中心となって行なっている門前町活性化プロジェクトだ。
「最近、地域人口が減り、西本願寺の来訪者も少なくなっている門前町に、昔のようなにぎわいを取り戻そうという試みを、学生主体で実践しています」という経済学部の井口富夫教授。
今年度は地元の門前町にある植柳小学校の3、4年生・約30人と一緒に町を歩き、興味を持ったモノや風景を撮影。その写真を見ながら作成した絵を自分たちで作った清水焼の皿に転写した。町のさまざまな風景が描かれた清水焼の作品展は、昨年12月27日から今年1月6日にかけて、西本願寺聞法会館で開催。地元の人たちも数多く訪れたという。
絵のモチーフは西本願寺、庭園の石灯籠、通りの町角に咲く花など。「門前町に住む子どもたちにとって、仏壇・仏具は身近なようで、逆に他のものに興味を持つ子が多かったですね。清水焼展には保護者のほか、一般の年配の浄土真宗の門徒さんが見に来られて、『これからも続けてほしい』と励まされました。やっていてよかったと思いましたね。長く続けていくことで、地域にもっと活動が認められて広がっていけばいいなと思います」(安東さん)。
メンバーは毎年、半年がかりで準備し、地域の子どもたちと行動を共にしている。
「まず、夏に子どもたちと町を歩いてまわるんです。今年は実際にお寺に納品する仏壇を作っている様子を、仏具店の協力で見せていただきました。子どもたちも自分の町の伝統産業をよく知るきっかけになったと思います」(横手さん)。
ふだんは知り合えない幅広い世代の人たちとのコミュニケーションもいい体験になった。
「小学生や年配の方など、地域の様々な世代の人とつながりができてよかったと思います。広報活動はある程度できたと思うので、今後はどれだけ多くの人に興味を持ってもらえるかだと思いますね」(眞田さん)。
メンバーの一人、川上さんは、この活動で京都青年会議所主催の「京都人間力大賞・町づくり特別賞」も受賞。「チームのみんなを代表していただいたと思っています」
来年度は、子どもたちと西陣織のカレンダーを作成する予定。さらに夏に行われる西本願寺の盆踊り大会では、幅広い年代の人が関われるイベントの企画も考えている。門前町の活性化に向けて、積極的に活動する龍谷大学生の姿は頼もしい限り。地域との連携で、町ににぎわいが戻る日も近いはずだ。
眞田 和明さん
経済学部4年生
河南高校出身
安東 桜子さん
経済学部3年生
大阪信愛女学院高校出身
川上 理江さん
経済学部3年生
神戸龍谷高校出身
横手 佑美さん
平成18年度経済学部卒
京都文教女子高校出身
講演中の日清食品株式会社元常務取締役(現常勤顧問)筒井之隆氏
経営学部ゼミ連では毎年、学内ゼミ研究発表会を企画・運営している。研究発表会では、お互いの研究を披露し合うことで競争意識を生み出すと同時に、知識の共有を図っている。そして、新しい試みとして今年度は、報告内容を教員たちが評価する表彰制度を取り入れた。研究に優劣をつけることについては賛否両論あったが、発表会はいつにない盛り上がりをみせた。「目標があることで、学生は意欲的に取り組んでくれる」そんな手ごたえが確かにあった。
さらに、12月11日には『日清食品のマーケティング戦略』をテーマに、日清食品の筒井之隆氏を迎え、ゼミ連初の学術講演会を開催した。「ブランドマーケティングについて研究しているのですが、他の学生にも経営学のおもしろさを知ってもらうためのケーススタディとして思いつきました」と福本会長。
講師は、自分たちの身近な商品であり、ユニークな広告やCMを放送している日清食品を選び、直接アプローチ。実現にこぎ着けた。当日、会場には250名近くの学生が参加。企業経営の最前線で活躍する幹部社員ならではのマーケティング戦略に関する話に聴き入った。
またこの日、ゼミ連は筒井氏から、「学校や学部を通さず、学生から直接オファーがあったのは初めて。すごいことだよ」との暖かい言葉をもらった。
経営学部の学生たちにゼミ連の存在をもっと認知してもらいたいと、春には新入生を対象に球技大会を開催。ブログやホームページも開設し、他大学と交流する学外活動への情報宣伝も積極的に行なった。この一年で、地味な存在といわれているゼミ連は確実に変わってきた。
「自分が本気でなければ、誰も本気にはならない。だから、やろうとしたことは絶対にやる」。強い意志を牽引力にして、経営学部ゼミ連は、さらなる変化とレベルアップをめざす。
福本 雄さん 会長
自分たちの力で龍大をもっと活性化させたい。
今回の講演会を成功させたことで、達成感を味わうことができました。
寺本 圭策さん 副会長
学術的な面で自分を向上させたいとゼミ連に参加。新しいことへの挑戦は、自信につながりました。
岡本 夕理香さん 次期会長
次年度も新しい企画をどんどん取り入れていきますので、より多くのゼミの参加をお願いします。
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