龍谷 2008 No.66

トピックス 〈文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業 各研究プロジェクトの研究活動

人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター

「南方熊楠と仏教」展を開催
2008年6月9日〜7月27日


 1200人を超える来場者を集めたこの展示では、2005年に栂尾高山寺で発見された熊楠から土宜法龍(真言僧)に宛てた書簡や、熊楠と仏教論を交わした妻木直良(龍谷大学元教授)との書簡やノートなどを展示した。
  また、展示期間中は、「土宜法龍」、「妻木直良」、「シカゴ万国宗教会議(1893年)」をテーマに、3回にわたってシンポジウムを開催した。これまで明らかでなかった明治期の仏教者の足跡と哲学的研鑽に対する注目は高く、それぞれ好評を博した。

オープニング・セレモニー
6月9日のオープニング・セレモニー
右より、
松居竜五国際文化学部准教授、
岩崎仁京都工芸繊維大学准教授、
妻木尚武湯浅本勝寺住職、
中瀬喜陽南方熊楠顕彰館館長、
頼富本宏種智院大学学長、
若原道昭本学学長、
鍋島直樹本研究センター長
シンポジウム
7月26日のシンポジウム 
「シカゴ万国宗教会議と日本仏教界」

アフラシア平和開発研究センター

「『大国中国』と新日中関係」を開催
2008年6月21日


講演中の毛里和子氏
講演中の毛里和子氏
  アフラシア平和開発研究センターは、去る6月21日、2008年度特別講演「『大国中国』と新日中関係」を開催した。講演者の毛里和子氏(早稲田大学政治経済学術院教授)は、日中間の問題が価値、パワー、利益の3層構造となっていることを指摘したうえで、新しい日中関係を築き上げていくためには、著書『日中関係-戦後から新時代へ』(岩波新書、2006年)で提言されているように、問題別チャネルの設置等、6つの具体的措置をとることが求められていると主張した。
  コメンテーターの濱下武志氏(本学国際文化学部教授)は、日中関係における米国という要素をどう考えるか等の質問をおこない、活発な議論が展開された。また、会場からは、チベット問題等の質問がなされ、講演会は大いに盛り上がった。
  同センターは、研究成果を社会に広く還元しなければならないという信念のもと、本学学生はもちろんのこと、一般の参加者をも対象としたシンポジウムや講演会を今後も開催していく予定である。


里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター

展示の様子
展示の様子

オープン・リサーチ・センター
「暮らしの中の造形展 - 田上絣と手拭」
2008年5月16日〜24日


 本展覧会は、田上(たなかみ)郷土史料館(大津市上田上牧)が収集・所蔵してきた民具や織物、また田上地域の民家に大切に保存されてきた民具などを展示したもので、2008年5月16日から24日まで瀬田学舎RECホールで開催された。瀬田学舎に隣接し、瀬田丘陵の一画に位置する「龍谷の森」とその周辺を主なフィールドとして調査研究を展開している里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センターが、その調査成果の一端を公開したもの。竹カゴやワラ製品、洗練された意匠に満ちた「田上手拭」や絣(かすり)・縞(しま)などの織物が、山と野良での仕事や社会のあり方を今に伝えるとともに、自然の大きなサイクルに根ざす里山の暮らしの知恵を思い起こさせてくれ、約950人の来訪者に多くの感動を与えた。郷土史料館館長の東郷正文氏(真光寺住職)の講演や機織りの実演も好評を博した。来訪者の方からいただいた一句「用の美の原点あふる初夏の展」。

オープン・リサーチ・センター




←トップページへ戻る