龍谷 2009 No.67
青春クローズアップ 吹奏楽部

全日本吹奏楽コンクール全国大会で金賞受賞
プレッシャーをはねのけ、最高の演奏を披露

全日本吹奏楽コンクール全国大会で金賞受賞

全日本吹奏楽コンクール全国大会で金賞受賞
高い表現力と一体感で
全国の頂点を極める


 部員達の金賞への執念はすさまじかった。2007年は惜しくも銀賞。創部40年を迎えた2008年、リベンジへの思いは、大きく膨れあがっていた。
 前年は、ソロパートでのプレッシャーによるミスが続出。これが結果を左右した。そこで、指揮者であり指導者である若林義人監督は、競い合いのなかからメンタル面を強化していこうとした。150人いる部員をオーディションで65人に絞った。コンクールに出場可能な人員は55人。選ばれた部員達は、自らの努力で出場枠を勝ち取らなければならない。緊張感のなか、猛特訓が始まった。
 中学時代からクラリネットパートで吹奏楽部に所属し、全国大会にも行った経験のある長田さんも、最終選考で出場が決まるまではドキドキものだった。そんな特訓の末に、ようやくたどり着いた全国大会の舞台だった。
 ところが、本番前のリハーサルで異変が起きる。「ここで、金賞を取る!」、部員達が意気込むほど、不安とプレッシャーで押しつぶされそうになり、伸び伸びと演奏できない。それを救ったのは若林監督の「いつもどおりやれば大丈夫」の一言だった。部員達は呪縛から解かれたかのように音楽だけに集中。課題曲「火の断章」(井澗昌樹作曲)、自由曲「藍色の谷」(酒井格作曲)を堂々と演奏した。
 「金賞」と告げられたときは、歓声をあげる者、抱き合う者、泣き出す者…。部員が奏でる表現力豊かな音、一体感。その真っ只中にいた長田さんは語る。「言葉では言い表せないほどの充実感を、誰もが感じたと思います。金賞が取れたことに加え、最高の音楽ができたことに大満足です」。

楽しみな北陸への演奏旅行
演奏機会の提供を!


 全国大会に3年連続出場した大学は、次の年は規定によりコンクールに出場できない。3年目、見事に金賞を受賞した龍谷大学吹奏楽部は、4年目の今年を演奏旅行の年に充てている。行先は北陸方面。かつて先輩達は、九州や北海道へ演奏旅行に出かけた。しかし、残念なことに、聴衆を思うように集められなかったと聞く。
 「今年は大学創立370周年を記念する演奏旅行でもあり、ぜひとも大きな成果を収めたい」。それが長田さんの願い。9月に出かけるまでのおよそ半年間、演奏練習だけでなく、運営面の準備にも多くの時間を割く予定だ。
 もちろん今年もまた、定期演奏会、サマーコンサートを開催。小学校訪問や地域イベントにも参加する。コンクール出場メンバー以外の部員の出番も多い。
 緊張の頂点に達するコンクールから解放され、楽しい一年になりそうだが、「この一年をどう過ごすかが、来年のコンクールに反映されます。僕達の活動の真価が問われるのです。だから、演奏旅行も気を抜いてはいけない」と、自らに言い聞かせるように、長田さんは表情を引き締める。
 「北陸への演奏旅行で、ホールをお客様でいっぱいにしたい。また、公演の間の日に、寺院の本堂などで演奏の機会を提供していただけたらうれしいです。吹奏楽部のOB・OGの皆様をはじめ、龍谷大学の現役学生、卒業生の皆様、関連各位のご協力をよろしくお願いします」。そのまっすぐな気持ちに応えたいものだ。



幹事長 長田 悠佑(ながた ゆうすけ)さん 幹事長 長田 悠佑(ながた ゆうすけ)さん
文学部3年生・兵庫県三田学園高校出身ん 「音楽を続けることは、苦しいことの方が多いかもしれない。でも、合わせる楽しさを知ったから止められない。音楽ができる環境を与えてくれた大学、若林監督や毎年自由曲を提供してくださる作曲家の酒井さん、そして両親にも、感謝、感謝です」
北陸演奏旅行日程
9月4日 <富山公演>富山芸術文化センター オーバードホール
9月8日 <石川公演>石川県立音楽堂
9月12日 <福井公演>福井ハーモニーホール
※3公演とも入場無料。
各公演のチケット及び今後の演奏依頼は吹奏楽部までご連絡を。


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