龍谷 2009 No.68
BOOKS 新刊紹介

出版助成


『節音調の機能についての選択体系文法による分析』
角岡賢一(経営学部教授)著者
 節音調(イントネーション)が担う意味と機能を、選択体系機能言語学のメタ機能と層という枠組みを用いて分析した。英語と日本語を中心に検証し、約20言語からのデータも集積して比較した。意味層における機能を比較すると、微妙なニュアンスを表現できる言語とそうでない言語、声調言語の三区分が妥当であるという結論に達した。
2009年2月刊/201頁/成美堂/5250円
節音調の機能についての選択体系文法による分析




『ロバート・ブラウニング研究 ー「パラケルスス」から「イン・アルバム」までー』付録:翻訳『シェリー論』
桂 文子(法学部教授)著者
 ロバート・ブラウニング(1812ー89)はイギリスの19世紀ヴィクトリア朝時代を代表する詩人である。初期の劇作品『パラケルスス』から円熟期の『イン・アルバム』に至る長篇作品を包括的に論じ、「劇的独白」という文学形式を完成した彼の詩人としての魂の軌跡を追ったもの。『シェリー論』の翻訳を付し、彼の詩人観の理解に供した。
2009年2月刊/292頁/英宝社/3570円
ロバート・ブラウニング研究




『横光利一と関西文化圏』
田口律男(経済学部教授)編著者
(編者 黒田大河/重松恵美/島村健司/杣谷英紀/田口律男/山ア義光)

 横光利一ならびに同時代の文学者と「関西文化圏」とのかかわりを多角的に検証した書。ここでいう「関西文化圏」は実体的なものを意味しない。それぞれの文学者が固有の文脈において分節した意味空間であり、また歴史的に構成されてきた想像上の地勢図でもある。それらを細かく割って吟味することで、既存のステレオタイプとは違った作家像や「関西」像に迫った。
2008年12月刊/336頁/松籟社/3990円
横光利一と関西文化圏




『朝鮮における日本人経営新聞の歴史(1881ー1945)』
李 相哲(社会学部教授)著者
 1881年から1945年まで朝鮮半島では100紙以上の日本人経営新聞が創刊された。日本人は何故、これだけ多くの新聞をつくったのか?そして、それらの新聞は朝鮮半島に何をもたらしたのか?現存する膨大な新聞原紙を初めて網羅的に検証。朝鮮の「文明開化」のため、教育や軍隊と新聞の必要性を主張した福沢諭吉や、日本人経営新聞の統合を構想した徳富蘇峰らも登場。日本が「御用新聞」を作っていった経緯や朝鮮総督府の言論統制を詳述する一方、過激さを増す御用新聞に日本政府が手を焼いた事例にも目を配るなど、当時のジャーナリズムや報道のありかたの実相に迫った意欲作。
2009年2月刊/239頁/角川学芸出版/2625円
朝鮮における日本人経営新聞の歴史(1881ー1945)




共同研究活動


龍谷大学社会科学研究所叢書第82巻
『都市のにぎわいと生活の安全 ー京都市とその周辺地域を対象とした事例研究ー』
井口富夫(経済学部教授)編著者
 龍谷大学社会科学研究所・京都南部研究会での研究成果をまとめた報告書である。京都南部とは、京都府の南半分を指し、具体的には京都市とその周辺地域を意味している。本書が5冊目に当たる。本書では、「都市のにぎわい」と「生活の安全」の2つをキーワードにして、「歴史都市」京都の住民の生活実態と事業者の経済活動にスポットを当てながら地域研究がおこなわれている。
2009年3月刊/313頁/日本評論社/6300円
都市のにぎわいと生活の安全




龍谷大学社会科学研究所叢書第83巻
『アフリカにおける貧困者と援助 ーアフリカ政策市民白書2008ー』
大林 稔(経済学部教授)共編著
 日本の援助は、アジアからアフリカへと大きく向きを変えつつある。しかし、援助がアフリカの貧困者に役立つかは、実は政府ではなく、日本・アフリカ双方の市民の努力にかかっている。本書は社会科学研究所共同研究の成果であると同時に、対アフリカ援助に貧困者の声を反映させるべく働きかけてきた市民運動の経験を振り返るものでもある。
2009年8月刊/312頁/晃洋書房/2800円
アフリカにおける貧困者と援助




龍谷大学社会科学研究所叢書 第84巻
『市場化する大学と教養教育の危機』 上垣 豊(法学部教授)編著者
 本書は、龍谷大学社会科学研究所での3年にわたる共同研究(2005年度〜2007年度)の成果である。大学の市場化と企業文化の浸透が大学教育、教養教育にどのような影響を与えているのか、教養教育の歴史や理念を、執筆者のそれぞれの学問分野の立場から論じている。『京都新聞』の書評欄や『図書新聞』でも取り上げられ、新しい切り口の大学論として注目されている。
2009年3月刊/292頁/洛北出版/2940円
市場化する大学と教養教育の危機




龍谷叢書15
『中世近世和歌文芸論集』 日下幸男(文学部教授)編著者
 編者の華甲を記念して、近世和歌輪読会のメンバーが論考を寄せ、中世近世和歌研究の最先端を示している。中世篇は安井重雄氏「建仁元年三月新宮撰歌合考」など四篇、近世篇は藤本孝一氏「正保版本歌仙家集と冷泉家私家集」など一三篇から成る。日下幸男教授業績目録、人名・和歌索引を付す。
2008年12月刊/432頁/思文閣出版/6300円
中世近世和歌文芸論集




里山学・地域共生学ORC 里山学シリーズ2
『里山学のまなざしー<森のある大学>から』
丸山徳次(文学部教授)・宮浦富保(理工学部教授)編者
 里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センターが「龍谷の森」とその周辺を中心的フィールドとして五年間研究してきた成果を世に問うたもの。里山学シリーズの第二弾。「文化としての自然」を研究する里山学の狙いを明らかにし、瀬田地域の里山文化と「龍谷の森」の生物多様性を解明すると共に、大学における里山教育の意義を語っている。
2009年3月刊/441頁/昭和堂/2310円
里山学のまなざしー<森のある大学>から




みんなの本棚


『となりの[治療院]が儲かっている本当の理由』
成功者になるための最新経営ノウハウを満載。

辻 亮(2000年経営学部卒業/経営コンサルタント/大阪府)著者
2009年5月刊/239頁/ぱる出版/1575円
となりの[治療院]が儲かっている本当の理由




『寺よ、変われ』
 形骸化した葬儀と法事を続けるだけなのか?僧侶としての多彩な活動の中から新しい寺のあり方を具体的に提起。

高橋卓志(1972年文学部史学科卒業/龍谷大学客員教授・東京大学大学院講師/長野県)著者
2009年5月刊/234頁/岩波書店(岩波新書1188)/819円

寺よ、変われ




『アララギの脊梁』
 釈迢空、正岡子規、斎藤茂吉、島木赤彦らに関する論考29篇を収めた近代短歌論集。アララギを中心とした近代短歌の全体像を丁寧にあぶり出した1冊。

大辻隆弘(1985年文学部文学研究科哲学専攻修了/歌人/三重県)著者
2009年2月刊/340頁/青磁社/2800円

アララギの脊梁




『ドア開けネコ池ちゃん』
 “池ちゃん”という名の卒業生宅ネコの日課は、ドア開けである。そのネコの写文集で、制作は「池ちゃん作品制作チーム」(卒業生・在校生・教員)。

岩崎 史奈(2007年社会学部卒業/京都府)編者
2009年7月刊/55頁/文藝春秋/933円

ドア開けネコ池ちゃん
ドア開けネコ池ちゃんcover




『文学の扉・詩の扉』
 龍谷奨励賞受賞者である詩人の初エッセイ集。時事的エッセイに加え世評高い「プレヴェールの詩をどうぞ」を収録。随所に大学時代のエピソードも。

苗村吉昭(1989年経済学部卒業/詩人/滋賀県)著者
2009年5月刊/236頁/澪標/2100円

文学の扉・詩の扉




『法律落穂拾い』
 学生時代の恩師「末川博先生の思い出」から退職記念講演「私と民法学」まで15の随筆・講演等収録。 80歳の節目として妻耀子に感謝を込めて。

森 孝三(名誉教授)著者、
南方宏幸・南方美智子(1977年法学部卒業/北海道)編者
2009年4月刊/147頁/自費出版/1000円
※お問い合わせ先: minakatapartners@yahoo.co.jp
 T E L: 011-532-7212

法律落穂拾い




「龍谷」出版情報


『King Cotton : A tribute to Douglas A . Farnie』
佐々木 淳(経済学部教授) 共著
 昨夏に亡くなられた、綿業史研究の権威である英国のファーニー先生への追悼論文集である。
2009年4月刊/358頁/Carnegie Publishing Ltd./4898円



『ヤシガラ椀の外へ』(ベネディック・アンダーソン著)
加藤 剛(社会学部教授) 翻訳
 学問とは何か、研究では何が重要なのかを、自らの地域研究、比較研究の軌跡や学問的制度の変遷を振り返りつつ、日本の若い読者に向けて綴った本。
2009年7月刊/300頁/NTT出版/2310円



『日本語教育政策ウォッチ2008』
田尻英三(経済学部教授) 編者
 現在進められている外国人への日本語教育政策を全般的に扱った唯一の本。経団連・国際交流基金・国立国語研究所のメンバーも執筆。
2009年2月刊/150頁/ひつじ書房/1680円



『大学生入門』3訂版
新田光子(社会学部教授) 共著
 『大学生入門』初版(H13年発行)、改訂版(H18年発行)に続く3訂版である。 表紙は扉を開ける猫のイラストで「知の扉をひらく!」、新装した。
2009年3月刊/174頁/ 世界思想社/1365円



『はじめての環境学』
北川秀樹(法学部教授)・増田啓子(経済学部教授) 共著
 環境を専攻する初学者を対象に体系的な環境学の理解に資することを目的とし、環境史、問題発生のメカニズム、環境法・政策・制度などを収める。
2009年4月刊/209頁/ 法律文化社/2940円



『人と動物の日本史4』
平林章仁(文学部教授) 共著
 神話や伝承の中を躍動し、信仰の対象となった動物に対する見方が、歴史の中でどう変化したのか。宗教・信仰の視点から、動物との向き合い方を問う。
2009年4月刊/259頁/ 吉川弘文館/2940円



『蘇我氏の全貌』
平林章仁(文学部教授) 監修
 飛鳥時代、天皇の地位を脅かす程の権力を掌握した蘇我氏は、なぜ一夜にして滅亡したのか。図版・地図・写真を用いて、謎の多い蘇我氏の実像に迫る。
2009年5月刊/95頁/ 青春出版社/1239円



『新訂 新聞学』
小黒 純(社会学部准教授) 共著
 ジャーナリズムの危機、中でも新聞の危機を厳しく問いながら、未来に通じる「メディア学」を構築する。
2009年6月刊/456頁/ 日本評論社/3150円



『Festschrift fur Dieter Leipold zum 70,Geburtstag』
松本博之(法学部教授) 共編著
 ドイツの著名な民事訴訟法学Dieter Leipold.教授の70歳誕生日を祝して刊行された祝賀論文集。
2009年2月刊/1204頁/ Mohr Siebeck/350ユーロ



『アルブレヒト・ツォイナー・既判力と判決理由』
松本博之(法学部教授) 翻訳
 ドイツ民事訴訟における既判力の客観的範囲についての基礎的研究であるツォイナー教授の教授資格請求論文の翻訳である。
2009年6月刊/232頁/ 信山社出版/7140円



『シネマ世界めぐり』
山田 誠(文学部教授) 監修
 監修者が長年会長を務めた野外歴史地理学研究会のメンバーによる、内外50余末の映画を地理学・地理教育の観点から読み解こうとした書物。
2009年4月刊/250頁/ ナカニシヤ出版/2520円



『市民社会の創造とボランティアコーディネーション』
筒井のり子(社会学部教授)共著
 NPO、施設、行政、企業等で重要性が増しているボランティアコーディネーション力(市民の社会参加を支える力)を体系的に論じた書。
2009年7月刊/164頁/ 筒井書店/2100円



『阪神大震災・グリコ森永VSジャーナリストー権力と市民の間で何をしたかー』
村上弘光(短期大学部教授)共著
 事件、事故や部落差別報道などと向き合って悩むジャーナリストの体験集。関西のマスメディアの報道倫理を検証するとともに、あるべき姿を模索する。
2009年3月刊/344頁/ 日本評論社/2625円



『北京びより』
史彤嵐
(国際文化学部准教授)・金子 眞也(法学部教授)共著

 北京での留学生活を題材に、日常生活や旅行に必要な表現を満載した中国語会話の教科書。文法項目や練習問題が充実している所に特徴がある。
2009年5月刊/77頁/ 好文出版/2100円



『VOL Lexicon』
村澤真保呂(社会学部准教授)共著
 思想誌『VOL』による、現代を考えるための重要キーワードの解説書。
2009年7月刊/192頁/ 以文社/1575円



『シリーズ群集生態学「進化生物学からせまる」』
近藤倫生(理工学部准教授) 共著
 生物の適応と生物群集はどのように結びつくのだろうか?ダーウィン生誕200年後にみる進化の新しい展開をさぐる。
2009年3月刊/327頁/ 京都大学学術出版会/3045円



『英語談話表現辞典』
河野淳子(文学部講師)共著
 語用論的情報を盛り込んだ発信型会話・談話表現辞典。約千項目の日常的会話表現を談話分析の手法を用いて徹底解析し、約五千の用例を収録している。
2009年7月刊/704頁/ 三省堂/5040円



『Current Developments in English for Academic and Specific Purposes in Developing, Emerging and Least-Developed Countries』
河野淳子(文学部講師)共著
 諸外国ではESP、EAP、EOPが英語教育の中でどのように位置づけられているか。事例を紹介し、その取組みと発展性を探る一冊。
2009年7月刊/348頁/ Garnet Education/10ポンド



『哲学と大学』
竹内綱史(経営学部講師)共著
 大学在立の危機が叫ばれる今日的状況を前に、哲学・思想史上の先哲の大学論を読みとき、現代の高等教育の問題点をあぶり出す多元的論集。
2009年3月刊/288頁/ 未来社/2620円



『ヨーロッパ現代哲学への招待』
竹内綱史(経営学部講師)共著
 生の哲学から現象学・解釈学、ポストモダンまで、12人の哲学者の思想を分かり易く解説した、現代ヨーロッパ哲学についての教科書。
2009年5月刊/298頁/ 梓出版社/2625円



『一経済学者の自伝』
(ライオネル・ロビンズ著)
小峯 敦(経済学部教授)共訳者
 LSEの経済学者として著名なロビンズ卿の自伝。従軍体験、ケインズとの経済論議、戦時内閣経済部など、自由主義者ロビンズの生涯を綴る。
2009年7月刊/351頁/ ミネルヴァ書房/5250円



『市場社会論のケンブリッジ的展開ー共有性と多様性ー』
(平井俊顕編)
小峯 敦(経済学部教授)共著
 19世紀後半から20世紀前半、ケンブリッジで展開された多彩な市場社会論を示す。15章から成り、「ラヴィントン:企業家の規範」を担当。
2009年7月刊/346頁/ 日本経済評論社/4725円



『親鸞』
上山大峻(元学長)・平松令三(名誉教授)・葛野洋明(文学部教授・特任)共著
 親鸞聖人750回大遠忌の記念として真宗教団連合による編集。親鸞聖人の生涯、その教えの要である、回向、浄土、本願、念仏をさまざまに論考している。
2009年3月刊/350頁/ 朝日新聞出版/1260円




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