
昨年の女子バレーボール部の躍進は、選手個人の評価にもつながった。全日本ジュニアチームでも活躍する1年生の松崎美歌さんは関西秋季リーグ戦新人賞を受賞し、2年生の日隈佑さんとともに、東西のリーグから14人ずつが招集される全日本学生選抜に選ばれた。
約1週間おこなわれた全日本学生選抜合宿は、二人にとって収穫の多い体験となった。
「まず驚いたのはその練習量。合宿前にとてもハードだと聞いたので覚悟をして臨みましたが、想像をはるかに超える厳しい練習でした。1年生は私一人だったので、気後れしそうにもなりましたが、遠慮していては自分らしいプレーができない。チームに貢献するためにも、どんどん前に出て行く姿勢は大切なんだな、と改めて感じました」(松崎さん)。
また、全国から集まったトップレベルの選手達からも多くのことを吸収した。
「一番、影響を受けたのは勝負に対する考え方ですね。相手にリードされている試合や接戦などでは、つい、ミスを恐れて弱気なプレーをしてしまいがちですが、選抜で集まった選手達はそんなとき、決して諦めない気持ちを持った人ばかり。『自分がこの試合の流れを変えてやろう』と、果敢に相手に立ち向かっていく姿勢にはとても刺激されました」と話す日隈さん。合宿からチームに戻ると、自身の体験や感じたことをチームメイトにもしっかりと伝えた。
「よりレベルの高いバレーボールを経験した選手達が、チームへと持ち帰ってきてくれるものはとても大きく、結果的にチーム全体の向上につながっていますね。今年はさらに多くの選手が選抜に選ばれ、外部で貴重な体験ができるようになれば良いですね」と主将の屋宜瞳さんは話す。
「良いチームで強くなる」を掛け声に
昨年以上の結果をめざす
練習中、選手同士が互いに声を掛けあう姿が頻繁に見られた。指導者や先輩からの指示を待つのではなく、個々の選手がチームを引っ張っていこうとするその姿勢は、チームの大きな原動力になっていると川島基監督は話す。
「練習方法や試合運びなどについては、選手が自分達で問題点を考え、答えを出すようにさせています。このチームの良いところは、何よりも学生らしく一生懸命バレーに取り組むこと。大学での4年間は社会に出るまでの助走期間でもありますから、指導者に管理されてばかりでは一人の人間として成長することはできません。自分達でしっかりとバレーに向き合い、チャレンジをしたうえで、良い結果を出していくことに意味がある。昨年の主将が『良いチームで強くなりたい』とよく話していましたが、このチームに浸透している精神をうまく言い表した言葉だと思います」。
今年は、全日本大学選手権での上位入賞を最大の目標に、昨年の好成績をさらに超える活躍をめざす。
「関西リーグでの優勝は通過点。全日本大学選手権で関東の強豪に打ち勝って、昨年以上の良い結果を残したい。チームも選手個人もより成長できる1年にできればいいですね」(屋宜さん)。 |