龍谷 2009 No.69



「安重根の遺墨等」が祖国韓国へ 龍谷大学の貴重資料を海外初公開 企画展の責任者李東学芸部長
企画展の責任者李東 学芸部長は「龍谷大学の資料がなければ、
こんなに大きく深みのある展示会は開けなかった」と語る。
ソウルが誇る芸術の総合施設
ソウルが誇る芸術の総合施設
ソウル市の南部に、韓国一の芸術総合施設である「芸術の殿堂」がある。約7万坪の広大な敷地内には、オペラハウスやコンサートホール、リサイタルホール、美術館。そして今回紹介する「ソウル書芸博物館」がある。
 「ソウル書芸博物館」は、10の展示室を備え、韓国で唯一の書芸専用の展示場として、伝統的な作品から型破りの近代的な作品まで様々な展示をおこなっている。
 
韓国の独立運動家・安重根(1879〜1910)の義挙100周年と殉国100周忌を記念して、安重根が旅順監獄(中国)で書き残した遺墨を一堂に集め、遺墨に表れた安重根の東洋平和に対する哲学や人間的な面貌を照らし出すことを目的に、遺墨展が安重根義士崇慕会を中心に企画された。
 韓国内では未公開である安重根の遺墨を、本学が寄託され所蔵していたことから、ぜひ「安重根遺墨展」(会期:2009年10月26日〜2010年1月24日)に出陳して欲しいとの依頼があった。
 本学に所蔵されている資料は、1997年に岡山県笠岡市の浄心寺から本学に寄託されたもので、安重根が旅順監獄で処刑の直前に書いたと見られる遺墨など関連資料88点からなる。今回は、その資料のなかから安重根の遺墨三幅及び写真パネル27点を出陳した。
  本学が寄託され所蔵している安重根の遺墨(三幅)
本学が寄託され所蔵している安重根の遺墨 (三幅)
遺墨は字で死を超越した分身
 遺墨が100年ぶりに祖国に里帰りしたことから、本学から資料が韓国に到着した際は、韓国の多くのマスコミが取材に訪れた。また、遺墨展には韓国内外から約2万3千人の方が訪れ、100年前の安重根の生涯や思想、人間的な面が表れた絶筆を興味深く鑑賞され、盛況のうちに遺墨展は終了した。
 
日韓友好の証 資料貸し出し(2009年10月8日)
資料貸し出し(2009年10月8日)
主催者の安重根義士崇慕会の李惠 総務部長は、「今回義挙及び殉国100周年に開催した遺墨展に龍谷大学が資料を多数出陳してくださり、多くの大韓民国国民らが安重根義士の息づかいに接することができました。感謝申し上げます」と語った。
 今回の資料貸し出しにより100年前に書かれた絶筆を多くの方に鑑賞していただけたことは、資料を受託している本学にとっても大変意義があった。このご縁を大切にし、大学として今後も韓国との文化的交流の輪を広げていきたい。

国立中央博物館 安重根義士紀年館
国立中央博物館 安重根義士紀年館
アジア最大級の博物館。
本学所蔵の「混一疆理歴代國都之圖」レプリカや、
大谷探検隊の将来品も所蔵している。
安重根義士の精神や思想を知ることができる。
今年10月には南山公園に
新紀年館のオープンを控えている。
http://www.museum.go.kr/ http://www.patriot.or.kr

ソウル書芸博物館 ソウル書芸博物館
大韓民国ソウル特別市瑞草区南部循環路2406
■ 開館時間:11:00〜20:00(3月〜10月)
         11:00〜19:00(11月〜2月)
■ 休館日:月曜日
■ 交  通:地下鉄3号線南部ターミナル(341)駅
      5番出口徒歩15分
■ 電話番号:+82−2−580−1300
現在、国立大邱博物館(韓国)にて、「安重根遺墨巡回展」を開催中。
■展示会名: 安重根遺墨巡回展
■会場: 国立大邱博物館(大邱広域市寿城区黄金路200)展示室
■会期: 2010年2月22日から4月25日

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