龍谷 2010 No.70


龍谷大学の様々な動きをご紹介します
 
地域を支える人づくりへの期待
鳥取県と就職支援を主目的とした
協定を締結

鳥取県/平井知事挨拶
鳥取県/平井知事挨拶
 7月14日、深草キャンパスにおいて、鳥取県との連携に関する協定を締結した。雇用情勢が厳しいなかでも、鳥取県内の企業にとっては人材確保が課題となっている。この課題を解決するとともに鳥取県内の活性化を図るため、県外進学者のなかで、最も進学者数が多い本学と、就職支援を主目的とした協定を締結するに至った。県などの自治体と他県の大学が、就職支援を主たる目的とした協定を締結することは、全国で初めてのケース。  今回の協定により、鳥取県では、地域活性化政策の一環として本学との連携による「就職支援事業」等を今年度から実施。本学としては、鳥取県との連携を活用することにより、Uターン(I・Jターン)就職を希望する学生に対して、地元における有効な情報を低年次より提供することができ、雇用情勢の厳しい今日において、自治体との組織的な就職支援が展開可能となった。また、本学の知的資源を活かした生涯学習事業や産官学連携事業等の連携についてもあわせて展開していく。  調印式では、若原道昭学長と鳥取県平井伸治知事との間で協定書を取り交わした。また、式には、株式会社 鳥取銀行顧問の稲垣滋氏、尾池工業株式会社代表取締役社長の尾池均氏、京都鳥取県友会会長で京都市立看護短期大学学長の加嶋敬氏、鳥取県関西本部長の米田裕子氏、財団法人 ふるさと鳥取県定住機構事務局長の船木隆一郎氏も立会人として同席した。  また、調印式終了後には、学長と知事を囲んだ交流会がおこなわれた。この会には鳥取県出身学生約60名も参加し、同郷の話が弾むなか、大山ハーブ鶏の唐揚げ、カレー焼き、ホルモン焼きそば、鳥取県産の牛肉のタタキやスイカなどといった鳥取の食材を使用した料理を囲んで交流がおこなわれた。
 
鳥取県出身学生と、鳥取県マスコットキャラクター「トリピー」、
本学マスコットキャラクター「ロンロン」
鳥取県出身学生と、鳥取県マスコットキャラクター「トリピー」、
本学マスコットキャラクター「ロンロン」
 
若原学長(左)と平井知事
若原学長(左)と平井知事
若原道昭学長
 「鳥取県から本連携の打診を受け、大変うれしく思っている。今回の協定締結を契機に本学学生の就職支援につなげたい。また、今回の連携が大学と地域の活性化に向けた新しいモデルとなることを期待している」
 
鳥取県 平井 伸治 知事
 「現在、国の舵取りがおぼつかなく、地方の疲弊を招いているが、この不透明な難しい時代だからこそ、地域を支える人づくりが重要となってくる。今回の協定を人づくりのリーディングケースとして大切に育てていくとともに、龍谷大学との関係がますます発展していくことを願っている」
 
シルクロードの遺物をデジタル化で守る
本学と大英図書館が国際敦煌プロジェクトにおける
「中央アジア資料デジタル化に係る共同プロジェクト」の覚書を締結
若原学長(左)と大英図書館Dr. Susan Whitfield 調印式の様子
若原学長(左)と
大英図書館Dr. Susan Whitfield
調印式の様子
 
 大英図書館が主催する国際敦煌プロジェクト(通称IDP:International Dunhuang Project以下「IDP」)において、同図書館と本学との間で、中央アジア資料に係る目録作成とデジタル化を目的とした、「中央アジア資料デジタル化に係る共同プロジェクト」についての覚書を締結した。
 「中央アジア資料デジタル化に係る共同プロジェクト」は、同図書館と本学古典籍デジタルアーカイブ研究センターが、2004年度から5年間にわたり研究を進めてきたものだ。  今般の覚書の締結は、本学図書館や仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」(2011年4月開設予定)との連携も視野に入れ、龍谷大学と大英図書館双方の研究活動における連携体制を、一層発展・強化させていくことを目的にしている。
 IDPには、イギリス・中国等世界5ヵ国に拠点が設けられており、本学は2004年度より、日本における唯一の拠点(IDP JAPAN)となっている。今般の締結を機に、本年からさらに5年間、 IDP JAPANとしての契約が継続されることとなった。
 この覚書の締結にあわせ、大英図書館から、IDPプロジェクトの責任者であるSusan Whitfield氏が来日し、本学にて締結式をおこなうとともに、IDP国際研究シンポジウムを開催した。
 
【IDP国際敦煌プロジェクト】
 大英図書館を中心として1994年、国際協力を通した敦煌遺物の保護を目的として設立されました。大英図書館を拠点とする国際的な協力の下、10万点以上の敦煌や敦煌以外のシルクロードの遺跡から発掘された断片、絵画、テキスト、そして遺物の画像や情報をインターネット上で自由に閲覧することができます。
●国際敦煌プロジェクトWebサイト   http://idp.afc.ryukoku.ac.jp/idp.a4d
●古典籍デジタルアーカイブ研究センター  http://www.afc.ryukoku.ac.jp/
 
 
シルクロードの紙文化・製紙技術にスポットをあてる
龍谷大学の至宝(重要文化財)である李柏文書の画像と、そこから新たに発見された知見
李柏文書 確認された針穴
李柏文書 確認された針穴
 IDP JAPANの画像データベースとして公開されている「李柏文書」。今回、研究調査により、この文書の上部に十数箇所、右下部に一箇所、左中央に一箇所の針穴が存在することが確認された。これは文書を縫い合わせた跡と思われる。この文書以外に断片などからも、同様の針穴が見つかった。
 
断片 表 ウラ
断片 ウラ
 また、調査の結果、この文書の表側の表面は比較的平滑で繊維配向性も見られ、李柏文書群の中で上質の紙であることがわかった。繊維配向性が確認された最古の紙である可能性がある。
(2010年7月13日開催のIDPシンポジウムより)

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