龍谷 2010 No.70

青春クローズアップ
 
龍谷大学混声合唱団ラポール
「”歌う”って、やっぱり楽しい!」

龍谷大学混声合唱団ラポール

槇原敬之シンフォニー・オーケストラ・コンサート
“cELEBRATION 2010” 〜Sing Out Gleefully!〜
Supported by BEAMS
2010年10月9日(土)・10日(日)大阪城ホール
2010年10月22日(金)・23日(土)日本武道館
 
プロのミュージシャンとオーケストラとともに、
生きる喜びを伝えた!
 10月におこなわれた、ミュージシャン・槇原敬之さんのシンフォニー・オーケストラ・コンサート。その会場では、第2部からバックに100人の大コーラス隊が登場して声高らかに歌い、約1万人もの観客の感動を誘った。龍谷大学混声合唱団ラポールの面々だ。関西地区の合唱コンクールで金賞の実力を持つ彼らだが、2010年はコンクールへの出場はせずに本コンサートに向けての練習に集中した。時にはその実力を存分に活かしながら、また、時にはまったく新しいことー振付つきの合唱にチャレンジしながら。彼らはコンサート成功に向けて走った。
大阪城ホールリハーサル
(2010年10月9日 )
大阪城ホールリハーサル(2010年10月9日 )
 
「今しかできないことを!」
突然のオファーに、議論の末の大決心。
 その話は突然舞い降りてきた。2009年の12月、ラポールは佐渡裕氏が指揮する「1万人の第九」に参加。その際にできた縁がきっかけで、技術顧問の花月真氏(オペラ歌手)のもとに、槇原さんのコンサートのバックコーラス出演の依頼が来たのだ。しかし、出演となると秋の合唱コンクールへの出場は難しい。それはまずいんじゃないか、との反対意見もあった。「それでも、学生の時しかできないこのチャンスを、よくわからない守りに入って逃してしまうのは嫌だったんです。面白そうだって思ったワクワク感に、飛びついたらいいじゃないかって」と、吉楽匡紀さん(前幹事長・法学部3年生)。少しずつ部内の意見がまとまっていき、年明けの全体会議で出演意志を固めた。
 2010年春には、例年の倍以上の約50名の新入部員確保に成功。出演条件である100人の体制づくりが叶った。そして8月、待ちに待った楽譜が届き、さっそくコンサートに向けての準備が猛スピードで始まる。槇原さん本人も、深草学舎を訪れ熱心な指導を繰り返した。メンバーはそこからも刺激を受けながら、今までにない真剣さで練習に打ち込んだ。「最初は『ポップス』というジャンルへの挑戦に戸惑いもありましたが、練習していくうちに、いつもどおり歌えばいいんだ、という気持ちになっていきました」と春日井恵理さん(社会学部4年生)。花月氏や山本有希子氏(チーフトレーナー・ピアニスト)の指導にも力が入る。いよいよ本番が近づいていく。
槇原さんの直接指導は熱い!  (2010年8月30日 顕真館にて)

槇原さんの直接指導は熱い!

(2010年8月30日 顕真館にて)

みんながうまいことじゃなく、
みんなが自分の限界以上にがんばろうとしていながら、
その魂がそろっていることが大事だった。
 「No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」コンサート当日、100人のコーラスが一斉に加わったその瞬間から、ホールの空気がより一層明るく熱く盛り上がり出した。ラポールのメンバーはおおらかに歌いだし、全14曲、その歌声で槇原さんを支え、その動きで会場を揺らした。大阪城ホールで2日間、東京は本番前夜に夜行バスで移動して日本武道館での2日間だった。
「舞台側にはじめて立ってみて、全然違う感動がありました。つくり上げる側の一体感。槇原さん、オーケストラ、バンド、コーラス…その音の重なりと響き。そのエネルギーに圧倒されながらも、自分達もその一員なんだなっていう実感がありました。歌うことが、楽しかった」 吉楽さんが語るとおり、コンサート本番、体中で歌う100人の表情は、凛としていながらも晴れやかな笑顔に満ちていた。それは、「ラポールらしさ」のおかげかもしれない。「自分の限界以上にがんばっている人、その姿をみて、人は感動する」。彼らには、がんばる魂をそろってみせるということが大事だった。
 「ステージがはじまると、一人ひとりが無我夢中で、まるで一瞬の出来事に感じました。シャツが絞れるくらい汗をかきました」(榛澤正信さん 文学部4年生)
 このコンサートへの出演によって、ラポールは例年以上の思い入れと一体感でメンバーがまとまった。「団員みんなの協力があったからこそ、大きなことができたのだと思います。こうしたすばらしい機会にめぐりあわせてくれた全ての方に感謝します」(現幹事長・奥田正弘さん 文学部2年生)

 コンサート後も、ヘビースケジュールが彼らを待ち受けていた。「1万人の第九」に、定期演奏会。しかし、彼らは明るく語る。「これまで以上に歌うことを好きになれた気がします。歌に『想い』を入れることができると学びました。定期演奏会でしっかり実力披露できるようにやっていこう、と次に向かっています」。
彼らは、コンサートであらためて感じたこの思いをかみしめながら、再び走りだしている。「歌うって、楽しい!」


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