龍谷 2010 No.70


Ryukoku News & Topics
 
Exchange
 
短期大学部こども教育学科
保育現場での実践力を養う りゅうたん♪こどものあそびワークショップ
多目的室では、実際に母親と乳幼児に触れ合う取り組みもおこなわれており、授乳や粉ミルクを作るスペースなども整っている。
多目的室では、実際に母親と乳幼児に触れ合う取り組みもおこなわれており、
授乳や粉ミルクを作るスペースなども整っている。
 
●“遊びのひきだし”を増やす
 「ささのはさ〜らさら」扉を開けると、元気な歌声が聞こえてきた。様々なおもちゃや絵本が配置された保育園さながらの教室に、学生達が七夕の歌を口ずさみながら、笹飾りに夢中になっている。毎週水曜日の昼休みに開催される、短期大学部こども教育学科の「りゅうたん♪こどものあそびワークショップ」の一景だ。
 ここでは、幼稚園教諭や保育士をめざす学生が、節句などの年中行事をはじめ、わらべうた、手あそび、折り紙といった様々な遊びを体験することができる。子どもと上手にコミュニケーションをとれる先生になるには、どれだけたくさんの遊び方や歌を知っているかが鍵。これから実習現場へ飛び出す学生のために、遊びのひきだしを増やし、実践で役立ててもらうことが狙いだ。同時に、子どもと同じ目線で遊びを体験することで、遊びの楽しさ、不思議さ、奥深さを実感し、そのことが子ども理解を深めることにつながる。このように、こども教育学科多目的室で開催されるワークショップは、保育実習に向けての準備や実践練習を学生が自主的におこなう学びの場となっている。
 現在は特に2年生が熱心に参加しているという。前回の保育実習の際、「子どもの前でいざ手あそびをしようと思っても、体がぱっと反応しなかった」など、経験不足から上手く対応することができず苦い思いをした学生が、次回こそはという意気込みを持って、毎回熱心に参加しているようだ。今後は1年生にももっと参加してほしいと願い、担当教員らは様々な工夫を凝らしている。
 
●座学と実践をつなぐ
田岡由美子准教授 田岡由美子准教授  「知識を蓄えてもらうことはもちろんですが、それをどう活かして働かせるかも大事。ワークショップでは、そういった応用力も身につけてもらいたいですね」。担当の田岡由美子准教授は話す。
 そのため多目的室では模擬保育がおこなわれる。例えば学生が絵本を読む先生側、それを聞く子ども側に分かれて実演し、読むスピードや話のクライマックスでの感情のこめ方などについて、相互にアドバイスし合う。子どもとの接し方を、様々なシチュエーションから学生に試行錯誤させるなかで、現場で臨機応変に対応できる力を身につけてもらうためだ。
 「座学ではなかなか実感できない、自分の身体を通して獲得する実践現場感覚も養ってほしい。ここは実習に出る前の準備室・実験室のような存在なので、大いに活用して将来に活かしてもらいたいですね」と、田岡准教授はエールを送る。
 多目的室でのワークショップを通して、先生の卵達は、夢にまた一歩近づいていく。
りゅうたん
 
Science
 
世界が注目!共同研究で人体にやさしい、新たなカプセル型内視鏡が誕生
カプセル型内視鏡
 
●検査が怖くなくなる日も近い!
 胃カメラ検査、と聞いただけで、苦痛の表情を浮かべる方も多いのではないだろうか。そんな方のために、カプセルタイプの内視鏡を飲み込む新しい検査方法がある。内蔵された超小型カメラが消化管の内部を撮影し、映像は無線で体外に送信されるという仕組みだ。
 これまでのカプセルは、任意の位置に移動したり、任意の方向から撮影することができないといった問題があった。そこで「自走できるカプセル内視鏡をつくれないか」、と研究を続けてきたのが、株式会社ミューの代表取締役大塚尚武・龍谷大学名誉教授、龍谷大学理工学部機械システム工学科・西原弘訓教授のグループと大阪医科大学の内科学第U教室・樋口和秀教授のグループである。(大塚名誉教授は、今年3月に本学理工学部を退職後、4月に瀬田キャンパス内の龍谷エクステンションセンター(REC)レンタルラボに入居、「株式会社ミュー」を設立し、研究を続けている。)このチームで「ヒトにやさしい内視鏡検査」の実現をめざして共同研究を開始。自走式カプセル内視鏡と磁場装置の開発に取り組み、2009年、犬の体内での可動・撮影実験に成功。さらに研究を重ね、この度、人体での可動・撮影実験に成功した。その成果は2011年5月にシカゴで開催された国際会議において学術発表され、また6月には大阪医大で会見をおこなった。反響は大きく、国内はもとより海外メディアでも多数報道されるなど注目を集めた。
 
自走式カプセル内視鏡の直径は12mm、ヒレを含む長さは45mm 自走式カプセル内視鏡の直径は12mm、ヒレを含む長さは45mm
 
●魚のように泳げる内視鏡
 新たに開発された自走式のカプセル内視鏡は、磁力を利用して動く。小型磁石とヒレを組み合わせたマイクロマシンに既存のカプセル内視鏡を取り付け、ヒレを動かし、魚が泳ぐように進むのだ。速さや方向を自由に変えて運動をコントロールすることも可能だ。
 この装置は、安価に作成することができるので、使い捨て用途にも十分対応が可能。さらに使用する磁場も、 MRI 検査 時に浴びる磁場の強さと比べると格段に弱い。「患者の負担を減らせる上、内視鏡の向きや場所を制御でき、がんなどの正確な診断につながる。数年後の実用化をめざしたい」と大塚名誉教授。今後の開発に注目だ。
カプセル型内視鏡 大腸の生体実験の様子
  大腸の生体実験の様子 記者会見の様子
 
International
 
“韓国と滋賀のつながりを探る”をテーマに
国際文化学部生がコリア語の滋賀県観光サイトを作成
 
 滋賀県は古くから韓国と深い関わりがあり、その史跡が至る所に残っている。そこで、国際文化学部でコリア語研究コースに所属する学生達が“韓国とどのような関係があるのか、コリア語で韓国の方々に伝えたい”と講義の一環として、学んだコリア語を活かした観光ガイドサイトを作成した。
 取材したのは、百済寺(東近江市)、鬼室神社(日野町)、三井寺(大津市)、雨森芳洲庵(長浜市)ほか。
 学生達は実力の範囲のコリア語で、春に観光ガイドブックを作成したが、今回は更に、日本と韓国の文化交流までを韓国の方に伝えようとの思いで作成に取り組んだ。
 サイトは現在、滋賀県商工観光労働部観光交流局と社団法人びわこビジターズビューローが運営。
 滋賀県の外国人観光客向けウェブサイト「go.biwako」韓国語版の新コーナーとして、7月26日(火)に公開、順次更新される。
 今後は、龍谷大学と韓国の大学との交流で活用していくほか、滋賀県としても韓国人観光客向けに提供する際に、韓国の旅行代理店やメディアに対して紹介することなどを予定している。
 
go. biwako サイトはこちら
http://kr.biwako-visitors.jp/explore/category/ryukoku/
 
Notice
 
経済学部創設50周年記念講演を開催
 本年は、龍谷大学が深草学舎を設置し、初の社会科学系学部である経済学部が創設されて、50周年にあたる。これは、単科大学であった本学が総合大学として歩み始めた歴史的な出来事でもあった。本学ではこの節目を祝して、11月に記念式典及び、講演会を開催する。
 なお、今年1年を通して、関連する様々な催しが開催されている。既に、経済学部同窓会の寄付講座による就職支援講座や、一般向けの記念公開連続講座「混迷する日本経済をどう生き抜くか?」を実施。秋には学生企画イベントや卒業生・OB教員との懇談会なども予定している。
 
中谷巌氏 中谷 巌 氏 《経済学部創設50周年記念講演》
日時:2011年11月6日(日) 15:30〜17:10
場所:深草学舎 顕真館
講師:中谷 巌 氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社理事長)
【テーマ】「世界史の中の日本」
※参加申込・お問い合わせ等は、経済学部教務課までご連絡ください。
 電話:075-645-7894
 
Community
 
京都発! 日本初!
「地域公共政策士」資格認定制度がスタート
「地域公共政策士」資格認定制度がスタート
「地域公共政策士」資格制度の概要を説明する記者会見。
赤松学長をはじめ府内8大学の学長らが出席した。(2011年6月2日)
 
 協働型社会における地域の公共活動や政策などを主導できる人材を育成しようという試みから誕生したのが「地域公共政策士」資格認定制度である。
 これは、地方の公共政策の分野において有為な人材に付与される民間資格で、一般財団法人地域公共人材開発機構が、各大学などで実施される教育・研修プログラムの適正な質を保証する「認証」をおこない、認定された教育・研修プログラムを一定履修すれば資格が付与されるというもの。プログラムには、公務員や経済人に必要とされる地域社会の諸課題を解決するための提案力や、実践的能力を身につけるための科目が用意されている。今後、地域公共人材の育成や地域社会の活性化にとって大きな役割を果たすことが期待される。
 政府や、専門団体ではなく、地域社会が認証する形の「地域資格認定制度」を開発するアイデアは、龍谷大学のLORC(地域公共人材・政策開発リサーチ・センター)が4年前に示したもので、公共政策系の学部などを有する府下8大学や自治体などと連携することで実現した。
 本年4月に開設された政策学研究科では、いち早く、資格制度に対応したカリキュラムを導入。地域を担う市民、専門性のある職業人の養成に、これからも先駆となることをめざす。
 
Report
 
龍谷大学 仏教文化研究所
創設50周年記念講演会を開催
 龍谷大学仏教文化研究所は、今年創設50周年を迎え、2011年7月8日(金)に大宮学舎清和館において、創設50周年記念講演会「仏教の未来」を開催した。このテーマは、長い歴史をもつ仏教を様々な角度から見つめ直し、仏教が未来においてどのような位置に立つことができるのか、その可能性を探究したいとの思いから選ばれた。
 講師にはマーク・ブラム氏(ニューヨーク州立大学アルバニー校東アジア研究学部教授)、三角洋一氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)、蓑輪顕量氏(東京大学大学院人文社会系研究科教授)を迎え、それぞれの視点から仏教の未来について講演していただいた。770人もの幅広い年代の方々が来聴され、盛大な講演会となった。
龍谷大学仏教文化研究所 創設50周年記念講演会を開催 龍谷大学 仏教文化研究所 創設50周年記念講演会を開催
 
Sports
 
プロの技術を間近で実感!
ソフトバンクホークスと硬式野球部の交流試合が実現

 去る8月19日(金)、福岡市雁ノ巣球場において、本学硬式野球部と福岡ソフトバンクホークスのプロアマ交流試合がおこなわれた。
 昨年、日本学生野球憲章が改正されたことに伴い、3月と8月に限りプロ球団と大学野球部の試合が可能になったことを受けて、本交流試合が実現した。
 当日は、椹木監督、山本コーチ以下32名の部員が参加し、赤松学長も応援に駆けつけた。
 結果は、0-10の惨敗に終わったが、プロの高い技術力や知識だけでなく、プロ選手の野球と向き合う姿勢に触れることができ、選手にとって良い刺激となった。
 また、8月31日(水)、兵庫県西宮市鳴尾浜球場においても、阪神タイガースとの交流試合がおこなわれ、1-5の結果に終わった。
 今後も、こうしたプロスポーツとの交流を活性化させることで、本学の多様な教育研究活動の一環としていきたい。

試合展開のサイトはこちら http://www.softbankhawks.co.jp/farm/farm_b/score/110819.php

ソフトバンクホークスと硬式野球部の交流試合 ソフトバンクホークスと硬式野球部の交流試合

インド文化交流評議会(THE INDIAN COUNCIL FOR CULTURAL RELATIONS:ICCR)は、1950年に、インド首相ネルーなどの協力をえて、初代文部大臣マウラナ・アザド(Maulana Azad)により設立されたインド外務省管轄の外郭団体。インドの伝統的な諸文化の海外への紹介と、国際的な人的交流を進めることを目的としている。ネルー賞(平和構築に功績のあった人に贈られる、権威ある国際賞)の授与や奨学金の支給などの活動もおこなう。

 
龍谷大学付属平安高等学校が、2年ぶり31度目の夏の甲子園出場
 龍谷大学付属平安高等学校(龍谷大平安)は、第93回全国高校野球選手権京都大会決勝戦で立命館宇治をやぶり、夏の甲子園出場を決め、2年ぶり31度目の快挙となった。8月10日の試合当日には、龍谷大平安のご厚意によって、本学からも甲子園に向けた応援バスが出発し、平安ナインを応援した。小嶋主将は「京都の代表として、しっかりとした戦いをしたい」と力を込めた。12年ぶり5度目の出場の新湊(富山)と対戦。0-0で迎えた6回表に新湊が1点を先制するが、その裏で平安4番高橋大樹選手の本塁打で同点。しかし、1-1で迎えた8回、1死一、三塁で新湊の右前適時打を許し、勝ち越された。さらにスクイズで1点を奪われると、九回にも適時打で3点差。最終回に敵失や四球などで無死二、三塁と反撃したが、無得点に終わった。結果は、新湊に4-1で敗退。念願の初戦突破は夏の空に消えた。しかし、ベンチ入りした18名のうち、9名が2年生というだけに、来年の再チャレンジが期待される。田村選手は、「冬場に走り込み、大きく成長して必ず甲子園に戻ってくる」と新たな決意を語ってくれた。
龍谷大学付属平安高等学校
 
特設サイト“RYUKOKU SPORTS”がオープン

 龍谷大学のスポーツ選手の活躍を伝えるウェブサイトが4月に開設した。
運営は学生部だが、龍魂編集室が記事の提供をおこなっている。龍魂編集室は、龍スポ≠アと、「龍大スポーツ」誌を手掛けるサークル。龍スポは20年の歴史を誇る老舗新聞で、約2万人に及ぶ龍大生に様々なスポーツ関連の情報を提供し、体育系課外活動の振興に、大きく寄与してきた。(年4回発行)
今回のサイト開設で、今までの活動が、より学内外へ伝わりやすくなった。部員の篠原さん(文学部3年生)は「自分達の記事を読んでもらえる機会が増えるのと、今までの活動を評価していただいてのことでしたので、本当に有り難いなという気持ちでした。また、その分中途半端な記事は書けないなと気が引き締まりました」と語る。
選手や監督のみならず、教授や学生などからも「サイトを見てるよ」と反響があるそうだ。そんな篠原さんが取材中に心掛けていることを聞いてみた。「取材する以上少しでも良い写真や、良い記事を書きたいという思いが一番ですが、自分達の好き勝手に取材して迷惑を掛けては、選手にもプレーにも影響を与えかねません。しかし、試合のポイントとなるシーンは絶対に逃さないのが鉄則です。『マナーを守って貪欲に』と心掛け、取材もスポーツマンシップにのっとっています!!」選手達のがんばる姿や、勝利の感動をより多くの人に知ってもらいたい、と意欲的な龍魂メンバー達。今後の活躍が期待される。

RYUKOKU SPORTS http://ryukoku-sports.jp/
 
体育会サークル主な試合結果
2011年度前期〜(2011年7月13日現在)
硬式野球部

●硬式野球部
2季連続関西六大学野球春季リーグ優勝全日本大学選手権大会出場

 最優秀選手賞に井口勇祐選手、首位打者に古本武尊選手が輝き、春季リーグ優勝。昨年秋の明治神宮野球大会に続いて、全日本大学野球選手権大会への出場を果たしたが、1回戦で東京国際大学に敗れた。
 この秋季もリーグ優勝及び全国大会出場に向けて日々練習に励んでいる。

 

女子バレーボール部
●女子バレーボール部
開催学生女子バレーボールリーグ
3連覇の快挙
 関西学生女子バレーボールにおいて快挙となる3連覇を達成した。その後におこなわれた西日本インカレでもベスト4に進出。
 
●端艇部
平成23年度関西選手権競漕大会において好成績
 
バトン・チアSPIRITS
●バトン・チアSPIRITS
第33回関西バトン・チアコンテストにおいて15連覇を達成
 チームバトンの部「Like a bied」の演技で金賞・グランプリ・毎日新聞社賞、チアリーディングの部「GO VICTORY!」の演技で金賞をそれぞれ受賞した。
 バトン・チアSPIRITSのメンバーは、他大学を圧倒する演技を披露し、今大会でチームバトンの部『15連覇』を達成。

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