龍谷 2010 No.73

龍谷大学の東日本大震災への対応 2011年9月から2月までの、龍谷大学の東日本大震災に対する取り組みをご紹介します
接続的な復興支援活動を展開します
 本誌前号でお伝えしたとおり、本学では東日本大震災直後から、様々な復興支援活動を展開してきました。昨年6月からおこなってきた大学主催の被災地でのボランティア活動は、11月、12月にも継続、合計5回にわたって実施しました。そして、その活動が縁となって、被災地雄勝町の物産品の学内販売などもおこないました。3月には、宮城県南三陸町との共催で、本学吹奏楽部が志津川中学校体育館での演奏会をおこなっています。 12月におこなわれたボランティア報告会で赤松学長は、「自分の可能性を信じ、自ら関与した経験は、きっと就職したり家庭を持ったときに意味を持つはず」と学生に語りました。今後も、大学として、東日本大震災をどのように受け止め、考えていくかを真摯に考えた上で、長期にわたって支援活動に取り組んでいきます。
 
第4回・第5回 復興ボランティアバス活動レポート
 6月から始まった大学主催のボランティアバス活動。「少しでも被災地の力になりたい」という学生や教職員の熱い思いもあり、今回も宮城県でボランティア活動をおこなった。寒さと厳しい環境のなかにもかかわらず、活動後には「自分にできることを継続したい」という声があがった。
 

第4回(11月11日〜14日)
 石巻市雄勝町で、草刈りや泥かきのほか、雄勝の特産品である硯石板を2日間で8千枚以上水洗いした。そんな学生・教職員の活動を見ていた地元の海産物店の方が、仮設店舗のオープン前にもかかわらず、特別に商品を販売してくれた。また、10月の復興支援フォーラムでの基調講演者、坂田隆石巻専修大学学長から御礼の言葉をいただいた。教職員を含む26名が参加。
 「今まで何もしなかった自分を情けなく思った。今後も関心を持っていきたい」。「同年代の子が前向きにがんばっている姿に心を打たれた」。など参加した学生達は様々な感想を述べ合った。
   

第5回(12月2日〜5日)
 1日目は七ヶ浜町で活動を予定していたが大雨のため中止となり、地元の方々から被災した当時のお話を伺った。2日目は第4回に引き続き、石巻市雄勝町で硯石板の洗浄をおこなった。また、赤松学長と長野総務局長がボランティア活動参加者を激励に駆けつけた。教職員を含む23名が参加。
 冬の東北、潮風が吹き荒ぶなかでの厳しい活動であったが、参加者の心には熱い思いが残ったようだ。
 

東日本大震災復興支援フォーラムの実施

石巻市雄勝町の物産販売

(10月22日・23日)

(12月13日〜15日)

22日は石巻市社会福祉協議会の阿部由紀氏から「発災直後の動きや石巻市の復興に向けた取り組み」について講演をいただいた後、ボランティア・NPO活動センターの学生スタッフから、被災地でのボランティア活動や募金活動などの報告があった。23日は坂田隆石巻専修大学学長から、「発災後の大学や今後の取り組み」について基調講演をいただいた後、本学の鍋島教授をはじめ4名の教員によるパネルディスカッションがおこなわれ、研究の立場からの発言や提言があった。 関西でもできる復興支援の取り組みとして、第4回・5回ボランティアバス活動でご縁ができた、石巻市雄勝の物産品販売を深草・瀬田・大宮の各キャンパスでおこなった。硯やその加工製品、地元の海産物のほか、手作り雑貨類などを販売し、総額586,750円の売り上げになった。販売に参加した学生ボランティアからは、「この機会に雄勝町を知ってもらうことができて良かった」「物産品を多くの人に買っていただき、少しでも復興の後押しができた」とよろこんでいた。

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