ラグビー部に、本学OBで元日本代表メンバーとしても活躍した大内寛文氏が今年度、新監督に就任した。
「就任初日に、けがの悩みや今後について相談してくれる学生が何人かいて。自分の子どもと同じように、70人の子どもができたと思って、もう何があっても彼らを離さない、そんな思いで始まりました」
チームスポーツでは、監督が方針を作り、そこに選手をあてはめていくスタイルが一般的かもしれない。しかし、大内監督のスタイルは少し異なる。じっと見守る姿勢をとり、個々の判断によりプレーを引き出す。選手に考えさせて、その上で助言をし、気づかせ、個々のプレーの方向性を目覚めさせる。個性を大事にしながらチームを作っていく。それが大内監督のスタイルだ。
「かつての龍大ラグビー部は、一人ひとりが個性的で、プレーも意表を突くような、相手にとっては予想がつかないチームでした。個人の判断に任せて、皆でそれを感じながらプレーしていた。そこが龍大ラグビー部の〝良さ〟でした。ラグビーは試合になると監督・コーチは離れてしまうので、高校からの〝管理される部活動〟に慣れてしまっていると、何かあった時に対応できない。4年生のキャプテンを中心に物事の判断を自分達でできるように、まず練習メニューの組み立てから、トレーニングを始めています」
監督自身、無名の高校でラグビーを始め、日本一厳しいと言われていたリコーでプレーし、日本代表になるまでの力をつけた。20年前の龍大在学時には、プレイングコーチとしてラグビー部をまとめ、全国大学選手権初出場・連続出場へと導いた手腕の持ち主。メンバー個人が自分自身で考えて動き、個性を最大限に発揮する〝大人のチーム〟に生まれ変わらせるべく、新体制をスタートさせた。