トレーニング(スクワット)に
励む学生


大勢の学生で賑わう第8トレーニング室

専門スタッフが指導


 龍谷大学トレーニングセンターには現在、深草体育館に2ヶ所、瀬田学舎体育館に1ヶ所、南大日山グランドに1ヶ所の、合計4つのトレーニングルームがあり、アシスタントを含め、8人のトレーナーが学生を指導している。そこで、トレーニングセンターとして、中心的な役割を果たしている深草体育館の第8・第9トレーニング室を訪れた。
 通称 “8トレ”と呼ばれる第8トレーニング室では、花田理(はなだ・おさむ)ストレングス&コンディショニング・コーチが訪れた学生をサポートする。全米ストレングス&コンディショニング協会認定スペシャリストや認定パーソナルトレーナーなど、数々の資格を持つトレーナーである。“8トレ”は、主に深草学舎で日々練習を行うバレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部、ハンドボール部、柔道部などの体育系サークルに所属する学生の運動能力や筋力・パワーアップなどをサポートしている。ここでは、年間を通して、延べ1万5千〜2万人の利用者があるという。
 一方、第9トレーニング室では、藤田まり子(ふじた・まりこ)さん(理学療法士・アメリカNATA公認・日本体育協会公認アスレティックトレーナー)を中心に、スポーツでケガをした学生のリハビリを担当している。ケガで“9トレ”を訪れた学生の状態をまず判断して、ここでのリハビリテーションのメニューを作成するが、場合によっては、専門の病院へ送ることになる。“9トレ”の1日利用者は25〜30人であるという。

講習受講が利用の前提

 トレーニング室を利用するには、年に何度か開かれる講習会を受講することが義務付けられている。講習会の開催日程は、体育館の掲示板に表示されるが、詳細を知りたい学生は、直接第8、第9トレーニング室を訪れ、ここの常駐スタッフにたずねることになる。
 講習ではトレーニング室でのマナーや利用心得、マシーンの使用上の注意などを学んだ上、利用許可のカードが支給される。そして、このカードをトレーニング室の受付で提示する。トレーニングのメニューは、利用する学生の目的によって作ってもらうことができる。
 トレーニング室は冷暖房が完備され、シャワー室もある。体育系サークルの学生はもとより、一般の学生も積極的に、こうした施設を有効利用していただきたい。

学生のトレーニングを
指導する第8トレーニング室の花田さん
      学生の状態をチェックする第9トレーニング室の藤田さん





文武両道がモットー

関西では9年連続“4強”の龍谷大学柔道部。名門の天理大学に追いつき追い越すのが、当面の目標だという。
 日々の練習も、密度が濃い。午前7時から8時までの“朝練”、午後は授業が終わる5時または6時から、深草学舎の体育館で午後8時まで週6日練習を行っている。部員は男女合わせて37人。
 「朝の練習があるので、授業もきっちり出るし、夜は疲れて早く寝る。私生活の安定というのが、サークル活動をする上で、まずは一番大事だと思います。一言で言えば、文武両道ですね。」
 こう話すのは、コーチから今春監督に就任した堀田幸宏(ほりた・ゆきひろ)さん。堀田さんは2年前、本学文学部を卒業したOBでもある。
 柔道部は一年を通して、春と秋に関西学生柔道優勝大会(団体・個人)が行われ、関西の上位大学に全国大会の出場権が与えられる。男子では天理・近畿・同志社、女子では近畿・天理・立命館が、龍谷大学のライバル校である。
 ここでの大会に勝利し、全日本で一つでも多く勝ち抜き、近い将来、全日本大学の頂点に立つというのが、龍谷大学柔道部の目標。「やるからには、日本一になる」というのが、堀田監督と部員の心意気である。

〈主将と新入部員のひとこと〉

 
福岡武主将
ふくおか・たけし

法学部4回生
兵庫県出身
 
勝本早季
かつもと・さき

経営学部4回生
京都府出身

寮生活が楽しい。寮には男子学生が20人。兄弟が増えたという感じです。練習は厳しいが、みんな仲がよく、まとまっているのが、チームカラーです。柔道部に入って監督や先輩に鍛えてもらい、柔道が強くなったのがうれしい。今年は関西ベスト4より上位に。そして、全国大会で勝ち抜きたい。   柔道をしていることで、毎日毎日がとても充実して、生きがいを感じています。今年は関西学生個人の部で優勝して全日本学生に出場し上位を目指すというのが目標です。昨年はケガで出場できなかったので、その分頑張りたいと思います。
         
 

 
廣吉美樹
ひろよし・みき

短期大学部
社会福祉科1回生
福岡県出身
 
烏田曜輔
からすだ・ようすけ

文学部1回生
山口県出身

高校と違って、大学は1から10まで自分の自主性が求められます。その点が、大きな違いですね。上級生に対しての言葉使いや礼儀作法が学べるのが、課外活動ならではだと思います。もちろん、友達が出来るのもうれしいです。   大学にきて4ヶ月、高校時代は家から通っていたので、寮の集団生活に少し戸惑いました。自分の衣類の洗濯がこんなに大変なものだったとは知りませんでした。でも、想像していたよりずっと先輩方が優しくして下さるのでうれしいです。    

  都道府県対抗全日本女子柔道大会に京都府代表として出場し、3位入賞を果たした女子柔道部員




   

 大学では、毎年皆さんより沢山の子供さんをお預りして教育をしております。
 ともすれば、大学へ入れてしまえば、大学でどのような人が、どんなことを、どんな環境の下で教えているのか、など、大学での教育のあり方などについて、ご家族の皆さんは、ほとんど知っておられないようです。
 大学は、小中高と違って授業参観といったものが開催されないので、皆さん方の子供さんはどんな先生に教えてもらっているのか、その先生の顔はおろか、先生の名前をも知らない、というのが極普通ではないでしょうか。
 そこで、大学の先生とはいったいどんな人達か、ということを私が綴ってみましょう。
 

ゼミ旅行(沖縄)にて。写真中央が岡地教授

 
 大学の先生は、世間の人々からおしなべて「一風変わった人」と見られがちです。つまり、「奇人・変人」の類と見られていることもままあるようです。なぜ大学の先生は世間からこんなふうに見られるのでしょうか。その大きな理由に、世間の人々が朝から晩まで忙しく職場で働いて、儲けたとか、損をしたと一喜一憂した生活を送っているのに、大学の先生は、そんなこと一向におかまいなしに、自分の書斎に籠もって悠然と、世間ばなれした小難しい書物を読みふけっている、という生活を送っているからだといえます。もちろん、テレビの「バラエティ番組」や「ワイド・ショー」ましてや「ヨロメキ・ドラマ」などには一切目を向けない、そんなショーやドラマなどには関心をまったく示さない、というのが大学の先生だ、と見られています。
 私が大変お世話になったある先生は、当時、日本でもっとも人気の高かった女優、「吉永小百合」という人を知りませんでした。私達が研究会の後で、自分好みの女優さんのことをあれこれとしゃべっていたら、「そのヨシナガという女の人は何者ですか」と真剣にたずねられたのです。私達は、吉永小百合という国民的女優をしらなかったその先生の世間ばなれした姿勢にびっくりするやら、なるほど、一流の学者になるにはこうでなければならないのかと、感心したりもしました。私達はその先生の前ではもう二度と女優の話などをしなかったのは申すまでもありません。
 しかし、大学の先生になるためには、それこそ気の遠くなるほど学問や研究を積み重ねていかなければなりません。
 大学を出るとまず大学院へ進学します。大学院は二年間修士課程で学びます。もちろん、大学院へ進学するためには、かなり難しい試験を受け、合格しなければなりません。
 修士課程を終えると、人によっては博士課程へ進学していくことになります。博士課程では三年間以上在籍することになり、気の遠くなるほど長い年月を大学院で学ばなければならないのです。
 大学の先生にとって大事な仕事は、常日頃勉強したことを文章にして、世間に発表する、ということです。つまり論文を書くという仕事です。この「論文」を書く、という仕事はなかなか骨の折れる仕事なのです。時には、大学の先生は、年がら年中、自宅に引き籠もり、どこへも出かける様子もなく、「お宅のご主人は暇そうで、よろしいなあ」と付近のおかみさんにいわれる、などと家の者がいうことがありますが、朝から晩まで机に向って、頭をひねりながら、学術論文を書くのはとても難しい仕事なのです。毎日毎日机に向っていても、原稿用紙にして、たったの一枚か二枚しか書けず、思わず「こんな仕事つらいなあ」と一人つぶやくことがあります。しかし、何日も何日も苦労して、やっと論文が完成したときに味わう喜びは何ものにも勝るものがあります。
 
 さて、次に、大学の先生方はどんな授業をやっているのか、講義の実態について見てみましょう。大学の教員には、講義の「指導要綱」というものは一切ありません。小学・中学、そして高校の先生達は、都道府県庁に設置されている教育委員会の指導によって教育を実施したり、また、文部科学省が公認した教科書を用いて教育しているのですが、大学というところは、講義に関しては、まったく担当者の自主性にもとづいて行われており、何を、どのように教えようが一切どこからも指導がありません。まさに大学は“自由”なのです。
 教え方については、まさに各人各様です。というのは大学の専任講師になって教壇に立っても、誰も何をどのようにして教えたらいいのか、などについていっさい教えてくれないのです。したがって教え方についてはすべて自分で考えないといけません。教員の中には、教えることに対してあまり関心を示さず、もっぱら難しい論文の作成のみに集中している人もいます。このような教員の講義は概して面白くありません。
 一方、教えるのが好きで、絶えず工夫をこらし、学生達に大きな刺激を与え続けている人もいます。大学教員として最高の資質は、研究も大いに行い、授業にも大きな情熱を注ぐ、といった姿勢を持つことですが、このように両方を兼ね備えた人はあまり多くない、というのが現実です。
 このように、授業のスタイルは先生方によって千差万別ですが、ただ授業時間数だけはしっかりと大学の規則によって決められています。大学によって多少の違いはありますが、講師は、一週間に四コマ、助教授以上は五コマ、と決められているのが普通です。一コマとは、一週間に九十分の講義を一回することを意味しています。したがって五コマとは、一人の教員が九十分の講義を一週間に五回行うことを意味し、これが各教員に課せられた仕事上の義務であり、一般に「ノルマ」という言葉で知られています。
 世間でこんな言葉がささやかれているのを耳にします。つまり、「大学の先生は、教える時間数も少ないし、暇でしょうがないでしょう。まるで大名みたいですね」というものです。昔の大名が果たして仕事をあまりしなかったのかどうかわかりませんが、大学の教員は労働量が少なく、楽な仕事だ、とも思われているようです。
 しかし、現実には週五コマというノルマはなかなか厳しいものなのです。一コマは、前にも述べたように九十分の講義のことですが、この一コマのために、だいたい二時間が準備時間として設定されているのです。すると、週五コマで十時間という時間数が準備時間であり、これだけの時間をかけないとよい講義ができないということなのです。そこで準備時間と講義時間を合計すると十七時間三十分というかなり長時間になるのです。もちろんこの十七時間三十分という時間数は、一般企業で働くサラリーマンの約半分ほどしかない、とも見られがちですが、大学の先生方は、自宅へ帰って夕食をすますと、書斎に入り、また机の人となって仕事(この場合勉強)をするのです。そんな毎日をくり返して論文を書いたり、専門書を書いたりと、学者・研究者としての仕事をしているのです。
 
 こんなことを書いていると、大学の先生は講義と研究だけに精力を費し、まったく無味乾燥的な人生を送っているのか、と思われがちですが、実は、大学の先生の中には、趣味に生きているような人がかなりいます。学生と一緒に行くコンパでのカラオケでは、学生など足元にも及ばないほど歌をうまく唄う先生もいます。
 また、本人の専門科目は数理経済学なのに、語学、それも英語以外の外国語の修得に異常なほど興味を持ち、長年コツコツと勉強し、五か国語をものにしてしまったという語学の達人もいます。
 経済学の専門家でありながら、クラシック音楽の造詣が驚くほど深く、講義中に、経済学の講義をそっちのけで滔々とクラシック音楽の真髄について話し出す人もいます。
 絵画や文学の知識に長けている人も多いですし、どういうわけかスポーツのできる人が多いのにはびっくりします。教員は、大学でさまざまなクラブの部長とか顧問の仕事をしなければいけません。テニスの大好きな人がテニス部の顧問になると、学生と一緒に合宿に参加して、学生並に技術を上達させてしまうこともあります。
 
 大学人とは、まさに“自由人”なのです。こんな多芸多趣味に富んだ教員が多いほど、その大学は学問的にも、教育的にも活性化し、学生達と教員達との交わりも密になり、望ましい教育環境がつくり出されるに間違いありません。

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