親和会だより

ボランティア・NPO活動センター

設立目的
 人類が目指すべきことは、武力による制圧ではなく、貧困や自然破壊の現実を見据え、かけがえのないいのちが平等に生かされる「共生」の世界を構築していくことでしょう。ボランティアの言語にあたるラテン語のVOLO(ウォロ)は、「喜んで・・・する」という意味です。おのずと湧き上がってくるような気持ちで見返りを求めずに、思いやりと責任をもって行動し、世界を良い方向に変えていこうとするもの、それがボランティアです。

 ボランティア・NPO活動センターは、2001年に設立され、営利を目的としないボランティア活動を通じて、共生の理念を具現化し、教育研究に寄与することを目的としています。国際協力・社会福祉・環境保護・地域貢献などのボランティア活動をコーディネートする中間支援センターです。

主な事業
《1》ボランティアリーダー育成・・・学生をボランティアリーダーとして育てます。

《2》ボランティアコーディネート・・・ボランティア依頼先と学生、教職員をつなぎます。

《3》キャンペーン・講演会・・・ボランティア活動を通じて世界の実態を知り、社会貢献の可能性を探ります。例えば、学生スタッフの石本淳晃君が企画したビッグイシューとの協働ボランティアは、ホームレスの実態を理解し、ホームレスの自立を支援する道を切り開くものです。国際協力コンソーシアムは、関西で国際協力に関わる学生団体やNGOが大学を超えて集い、その悩みを共有し、組織運営を向上させるものです。瀬田のまちおこしボランティアでは、大津祭りを基点にして、商店街の活性化をめざしています。

《4》海外体験学習プログラム・・・治安が安全と判断される海外において、地域貢献や環境保護の現地NPO・NGOと交流し、ボランティア体験学習を行い、異文化間の相互理解と共生を学びます。2007年度は、新たに本学教員が引率するプログラムを公募採択し、「中国黄土丘陵における自然環境を考える」(法学部 北川秀樹 教授)、「エチオピアにおけるNGO植林活動への体験参加と現地小学校の実態調査」(法学部 落合雄彦 教授)が実施されました。中国の水資源や自然の実態、森林が90%焼失したエチオピアを実際に知ることは、未来の地球を救うことにつながります。またインドのプログラムに参加した学生スタッフの西園舞さんが、自らの海外経験をもとに、インドからジョン・ザカライア氏を招いて講演会を開催し、インドの教育に対する理解を広めました。

《5》緊急災害支援・・・2007年7月の新潟県中越沖地震に際しては、全学から寄せられた60万円の義援金を柏崎市に届け、浄土真宗本願寺派との協働により、9名延べ40日間のボランティア派遣を実現することができました。これらの事業を進めるために、専門職としてのボランティアコーディネーターの存在が大きな力となっています。


特色と意識
 当センターの意義は、80名を超える学生スタッフ自身が教職員とともにセンターの運営に関わり、ボランティア活動を企画実現していることです。学生の視点で何かを発見してボランティア活動を行うとき、学生自身の成長や笑顔が見られることは何よりの喜びです。環境問題啓発グループの「エコ恋」に携わっている学生スタッフの石田浩基君が、「世界が抱えている環境破壊をなくすために、自分たちが少しでも努力しているというところに充実感がある」と話してくれました。すなわち、学生の成長は、同時に社会を変えることにつながっています。「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」と宮沢賢治が示したように、相手が幸せになるところに自分の幸せを見出すような生き方が、このセンターから生まれることをこれからも願っています。



 私は、龍谷大学ボランティア・NPO活動センター(以下センター)で、主に環境に関するボランティアに取り組んでいます。センターでは、環境問題に関心のあるスタッフ達が集まって「エコ恋」というグループを結成しています。この「エコ恋」は、センタースタッフだけではなく環境問題に関心のある龍大生なら誰でも活動に参加することができ、現在も多くの龍大生と共に日々楽しく活動しています。具体的な内容は、学内生協での「レジ袋有料化」の推進、龍谷祭でのリユース食器導入の推進、キャンパス内のゴミ箱の分別内容の細分化などです。これらの活動は、大学から出るゴミを減らしたいという思いももちろんありますが、龍大生にもっと環境問題に関心を持ってほしいという思いも込められています。僕たちが大学内で活動しているのを見て、「ボランティアってそんなに堅苦しいものじゃないんだ」、「環境問題に取り組むことってなんか楽しそうだな」と多くの人に感じてもらうことが僕たちの願いです。そのためにもまず自分自身がボランティア活動を楽しむことを大切にしています。活動していく中で時には困難なこともありますが、ボランティアを楽しんでいる自分を発見した時は、自身が大きく成長していると実感できます。皆さんもぜひマイバッグやマイ箸を持ち歩くなど、楽しみながら「エコ」に取り組んでみてください!!





 私は大学生になるときに心に決めていたことがあります。それは4年間の大学生活の中で何か一つでも熱中できるものを見つけるということでした。
 私は、入学さえすれば大学生活の中で自然にしたいことが出てくると思っていました。しかし、実際は自分から動かなければ何も変わらない、成長できないのだということに気づきました。その時期にたまたま自分を見つめ直すきっかけがあり「龍谷大学ボランティア・NPO活動センター」に出会いました。私自身、高校生の頃からボランティア活動をたくさんしていた訳ではなかったのですが、少しでも人の役に立ちたい、必要とされるなら自ら動いて頑張りたいという気持ちがボランティア・NPO活動センターとの出会いで溢れ出てきました。ボランティア・NPO活動センターの活動を通して様々なことにチャレンジする機会が増えました。子ども達や芸術、心に傷がある人々。たくさんの人やモノに触れることで私は今まで味わえなかった感動を体験しました。うまく言葉にできないもどかしさやふがいなさに落ち込んだ日もありましたが、そのたびに職員さんや先輩方をはじめとする学生スタッフのみんなに支えられ成長できました。
 今はボランティア・NPO活動センター(瀬田キャンパス)の学生スタッフ代表としてボランティアを学生のみなさんに伝えるべく、色々なことに挑戦しています。多くの経験を通してこそ、今の自分があると思います。まだまだ、私は未熟な部分だらけです。しかし、恐れることなくこれからもたくさんのものに触れて成長していきたいと思います。



 2007年7月16日、震度6強の新潟県中越沖地震の発生でボランティア・NPO活動センター学生スタッフは被災地の復興を願い、大学内で義援金の募金活動を行いました。さらに私は「もっと被災者の力になりたい」と夏期休暇を利用して、現地での新潟県中越沖地震災害ボランティアに11日間参加しました。連日35度を越える猛暑で、現地の人たちはとても疲れきった様子でした。瓦礫の撤去や土嚢の移動、仮設住宅への引越しの手伝いや避難所の掃除などの作業でしたが、現地で被災者の生の意見を聴き、報道とは異なり復興にはまだまだ多くの問題があるという事実を知りました。また、被災者の目線でボランティア活動を行うことで「やらせていただいているという気持ち」が大切だと改めて実感しました。そこには、日本各地、北海道や鹿児島から来ている人もいました。≠「ろいろな人との出会い≠ヘ、自分のボランティアについての価値観を考え直すきっかけとなり、学べることがたくさんありました。彼らと出会って一緒に過ごした時間は鮮明に覚えており、今でも連絡を取り合う仲です。このような出会いもボランティアの魅力の一つだと思います。
 また、新潟での体験談を、滋賀県立守山高等学校で「ボランティア体験事業」の一環として講演をしました。大勢の高校生の前で話した経験は自信につながりました。自分を大きく成長させてくれる手段として「ボランティア活動」があると実感しています。







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