校友クローズアップ 福島 暢啓さん

2013年3月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

校友クローズアップ

いろんなメディアがあって、それぞれが持つ個性を発揮することが大切

毎日放送(MBS)アナウンサー
福島 暢啓さん
(2011年 文学研究科日本語日本文学専攻修士課程修了)

広報誌「龍谷」75号(2013年3月発行)より

幼少期の趣味は辞書を読むこと。高校生の頃から、将来は日本語の辞書編纂にたずさわりたいと思っていました。そこで龍谷大学へ。文学部には私がやりたいそのままの学科名「日本語日本文学科」がありました。

深草・西浦町の下宿には6年いました。授業が大宮に移ったあとも深草から通い、クラブボックスに戻ってくるという毎日でした。卒論や修論のテーマは、いずれも二葉亭四迷などの小説家を中心とした明治言文一致小説の言語についてでした。

落語研究会では「きぬ乃家じん丹」という芸名で、ウクレレ漫談をやっておりました。龍大の先輩と漫才コンビを組んで、M-1グランプリでは二度準決勝に進んだこともあります。

毎日放送には一般職として採用されたのですが、入社1ヶ月後の人事面談で“アナウンサーをやらないか”と言われ、二つ返事でした。

私はずっと”ラジオっ子“でして、学生時代もずっと「ラジオ深夜便」なんかを聞いていました。そんなとき『2011年新聞・テレビ消滅』という文春新書を読んで、私はどちらも大好きなので、自分が年寄りになったとき若い人たちに「俺は昔、テレビやラジオに携わっていて、こんなことをしていたんだ」と話すことができたら楽しいなと思って、放送局を目指しました。

関西で放送している「ちちんぷいぷい」では、祖母も知らないような古い歌を歌うこともあります(笑)。これらの歌も全部ラジオに教えてもらいました。「ちちんぷいぷい」は、もともとラジオの雰囲気をテレビでということから、ラジオ出身のスタッフが手がけたと聞いています。私は、ラジオには放送の基本がつまっていると思っています。

ただ、現在ラジオが衰退の道をたどっているのは事実です。テレビも新聞もこのまま続くのかという声も、よく耳にします。では、メディアはインターネットだけでいいでしょうか。

やっぱりいろんなメディアがあって、それぞれが持つ個性を発揮することが大切だと思います。ツイッターやフェイスブックだけが「情報化」ではないはずです。そういう意味でも何とかラジオが残ってほしいし、残したい。

龍谷大学には今後、さらにグレードアップしていただきたいと願っています。龍谷大学の社会的評価が少しでもあがるように、自分も力になれたらいいなと思っています。

福島 暢啓(ふくしま・のぶひろ)

2009年文学部卒業。2011年に文学研究科日本語日本文学専攻修士課程を修了し、毎日放送(MBS)へ入社。アナウンサー室に配属。現在同社テレビ「ちちんぷいぷい」「MBS SONG TOWN」、ラジオでは「ヤングタウン日曜日」「福島のぶひろの、どうぞお構いなく」などを担当。1987年宮崎県宮崎市生まれ。