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Graduate School of Practical Shin Buddhist Studies

実践真宗学研究科

研究科長メッセージ

実践真宗学研究科長
実践真宗学研究科長
鍋島 直樹

「原点に返り、挑戦する」
“Back to Basics, Rise to the Challenge.”

『実践真宗学研究科設置の趣旨』に、「現代社会の諸課題に対して、宗教がいかにしてその使命を果たしうるか」と示されています。本研究科は、この原点に立ち返り、建学の精神である親鸞の教えをよりどころにして、世界の人々の苦悩や悲嘆に向き合い、その問題解決のためにともに考えて挑戦します。心の平安と世界の安穏をめざす熱意と志願をもった方々に、宗教宗派を超えて、結集いただきたいと思います。

本研究科設立の目的

大学院実践真宗学研究科(Graduate School of Practical Shin Buddhist Studies)は、諸科学との学際的かつ総合的・融合的な研究の推進とともに、より実践的な宗教研究を行う研究教育機関として、親鸞の教えを建学の精神とする龍谷大学に、2009年に設置されました。仏教の縁起的生命観に基づき、相互に認め合って心豊かに生きられる安穏な世界を築くために、理論研究と臨床実習とを統合した教育を進めています。すなわち、真宗人間論、現代宗教論、布教伝道論、人権・平和論、臨床心理学、矯正保護論、現代社会論などの諸科学の理論に学ぶとともに、医療・社会福祉施設、寺院などの臨床を訪ねて、宗教を実践的に研究します。

宗教が果たしうる役割とは何か

宗教が社会の安穏のために尽くそうとする実践であれば、その形態に関係なくすべてに意義があることでしょう。世界の人々が宗教に期待する実践には、宗教儀礼、聖典解釈と伝道による心の平安、非暴力と慈悲による世界平和の構築、宗教者間協調(interfaith partnership)、生命の尊さを伝える宗教教育、人権擁護、医療福祉機関や被災地などの公共空間で人々の物語や信仰を尊重して生きる力を育む臨床宗教師養成、医療と社会福祉と仏教のチームによって患者と家族を支えるビハーラ活動、真心のこもった葬儀とグリーフケア、自殺予防と自死遺族ケア、過疎化地域の寺院支援、首都圏都市開教、国際伝道者養成、犯罪抑止と矯正保護、災害復興支援ボランティア、生命倫理、環境保護などがあります。

本研究科のめざす人材育成像

本研究科は、次のような人材育成に取り組んでいます。

  1. 仏教的人間観・世界観を基盤とし、世界的視野に立って広く相互に理解し合い、人間存在の意味を見出し、生きる力を育んでいくことができる宗教的実践者。
  2. 日本全国の各地域における宗教組織・施設等が、地域社会活性化の一拠点として総合的に有効に機能し、地域社会活性化の一翼を担うことができるようにする者。

心のケアの原点に、「何かをすることではなくそこにいることである “Not doing, but being”」という言葉があります。絶望的な状況に置かれている人に、何もできなくてもそばにいて、話を聞くだけで支えになることをこの言葉は教えています。宗教的実践者には、人々の不安を聞き、その人の支えとなるものとのつながりを再確認して、生きる力を育む援助が期待されます。如来の大悲にいだかれて、一人ひとりの解決のつかない課題に向き合い、相手と共に答えを探す人間を育成したいと思います。

実践真宗学研究科の魅力

(1)理論研究と臨床実習を統合した総合的・融合的研究の推進

理論と臨床を融合して学べるように3年間の履修プログラムとなっています。

① 理論研究では、まず実践真宗学・伝道学の基本を知り、教えの厳しさ、温もり、力強さを修得します。また、大乗仏教論、仏教伝道史、宗教教育学、カウンセリング論、精神保健学、生命倫理論、地域活動論、仏教社会福祉論、環境論などを学びます。あわせて宗教法人の実務や法律を学び、社会に開かれた寺院活動を考えます。

② 臨床実習では、現場に立ってはじめてみえてくる知見と感動を尊重します。具体的には、保育園、幼稚園、児童福祉施設、高齢者福祉施設、病院、被災地、日本各地の寺院、USAのHawaii州、California州の寺院を訪問し、宗教の役割を学びます。慚愧と感謝の心で、世界の平安のために尽力する宗教的実践者を育成しています。

(2)宗教実践分野と社会実践分野の両面からのバランスのとれた人材育成

① 宗教実践分野では、幅広い視野と実践力を身につけて、全国各地の寺院に帰ってきて地域の安寧に貢献し、立派な後継者、住職になる者を養成します。

② 社会実践分野では、学校、病院、社会福祉施設、官公庁、宗務機関等で、ぬくもりとおかげさまの心で人々の苦悩と悲嘆に寄り添う宗教的実践者を養成します。

(3)資格取得につながるカリキュラム

宗教実践分野では、浄土真宗本願寺派教師資格、布教使課程Bコース(布教使任用申請資格)、教職課程専修免許状(宗教)、図書館司書、社会実践分野では、大学院臨床宗教師研修プログラム修了証、日本スピリチュアルケア学会「スピリチュアルケア師(認定)、その他、海外の開教使とつながる国際伝道論研究の受講が可能です。

(4)大学院生による社会貢献活動の応援

グチコレ(グチは世界を救う)、Jissenjya Project、Life Songs、影絵ともしえ、デスカフェ(よりよい人生を送るために)など大学院生独自の活動を応援しています。

(5)悲嘆に寄り添う活動

2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震等の災害復興支援ボランティア、京都自死・自殺相談センター、京都府福祉・援護課「きょうのモンク」活動に参加しています。

(6)修了後の進路先

修了生の就職先は、浄土真宗本願寺派や各宗派の宗務機関、京都女子学園教員、大谷学園教員、龍谷大学、上智大学、大阪府庁、福井県庁、岐阜県警、奈良県教育委員会、あそかビハーラ病院、沼口医院、福岡聖愛病院、社会福祉施設の臨床宗教師、全国の寺院です。
また、大学院博士後期課程に進学して研究を志す者もいます。

(7)多様性の尊重と社会的包摂の推進

本研究科では、多様性を尊重し、一人ひとりの自由な研究と臨床実習を応援します。社会的包摂(Social Inclusion)とは「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念です。親鸞が「おほよそ大信海を按ずれば、貴賎緇素を簡ばず、男女老少をいはず、造罪の多少を問はず、老少男女をとわず…ただこれ不可思議不可称不可説の信楽なり。」(『教行証文類』「信巻」)と説かれたように、尊卑賢愚や出家在家によって区別せず、老少男女に関係なく、罪の多少を問わず、いつも救わんとはたらきかけている弥陀の本願力によって、誰もが平等に金剛信心をえて、共に浄土に往生することができると教えています。こうした教えを鑑としながら、弱く小さな存在を分け隔てなく大切にする寛容さ(tolerance)を養います。

(8)宗教的実践理念「寄り添う・伝わる・深く聞く」という姿勢を培う

実践宗教学を教える東北大学大学院と上智大学大学院などと交流しながら、臨床宗教教育を推進していきます。

このように本研究科は、安心して悩みながら自由に研究することができ、仲間とともに楽しくワクワクして実践経験を積むことができます。志を同じくする者と共に、世の安穏につながる実践的な宗教研究を前進させていきたいと思います。あなたの来学を心からお待ちしています。

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