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Graduate School of Practical Shin Buddhist Studies

実践真宗学研究科

「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」養成教育プログラム

龍谷大学大学院実践真宗学研究科

日本臨床宗教師会認定教育プログラム
日本スピリチュアルケア学会「スピリチュアルケア師」認定教育プログラム

被爆寺院とヒロシマ原爆被爆者交流の研修 原爆ドーム前にて追悼

2024年度「臨床宗教師研修」募集要項

1.臨床宗教師とは

「臨床宗教師(interfaith chaplain)」という言葉は、欧米の聖職者チャプレンに相応する日本語として、岡部健医師が2012年に提唱した。「臨床宗教師」は、布教・宗教勧誘、営利を目的とせずに、相手の価値観、人生観、信仰を尊重しながら、苦悩や悲嘆を抱える人々に寄り添い、生きる力を育む宗教者である。臨床宗教師は、医療福祉機関等の専門職とチームを組み、宗教者として全存在をかけて、人々の苦悩や悲嘆に向きあい、かけがえのない物語をあるがまま受けとめ、そこから感じ取られるケア対象者の宗教性を尊重し、「スピリチュアルケア」と「宗教的ケア」を行う。臨床宗教師は、宗教宗派を超えた協力関係(interfaith partnership)を結ぶ。宗教者間の調和によって、宗教にまつわる「信者獲得」や「対立」というイメージも払拭される。

※なお、臨床傾聴士については、別途、「臨床傾聴士研修」応募要項をご覧ください。

2.「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」教育プログラムの目標

「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」は、宗教者として全存在をかけて人々の苦悩や悲嘆に向き合い、そこから感じ取られるケア対象者の宗教性を尊重し、病院、社会福祉施設、地域社会、被災地などの公共空間で実践可能な「スピリチュアルケア」と「宗教的ケア」を、理論と臨床実習、実習指導を通して学ぶことを目的とする。

寄り添う「スピリチュアルケア」とは

スピリチュアルペインとは、老病死の苦しみに直面して、自分が自分でなくなり、自己の支えが揺らぎ、崩壊して生きる道が見出せない苦しみである。「なぜ私がこんな目に遭わなければならないのか」「私の人生は何だったのか」「死ぬのが怖い」と思い悩み、救いを求める気持ちである。重要なことは、自己の物語を喪失するスピリチュアルペインは、世俗を超越し、生死を超えた真実に気づく縁にもなる。苦悩は、自らの夢や願いがあるから生じ、悲しみは愛情を受けているから生まれる。

スピリチュアルケアは、その人の未解決な問題が解決されるように援助し、苦悩のなかで見出す物語に寄り添う。その人の支えとなるものとのつながりを再確認することを通して、対象者の心の安定、回復、成長を見守ること、またはセルフケアである。

ケアの原点に、「何かをすることではなくそばにいることである ”Not doing, but being”」という言葉がある。絶望的な状況に置かれている人に、何もできなくても心を寄せて、話を聞くだけでも支えになることがある。寄り添うとは、特別な技術や個人の能力を役立てて、相手の心を分析し支えるのではない。言うに言えない人々の悩みに向き合い、その場にいることである。相手の感情に焦点を当てて、腹を据えて聞こうとすることである。

伝わる「宗教的ケア」とは

宗教的ケアとは、相手が宗教的ケアを求めていることを宗教者が確認したうえで、相手の信仰している宗教宗派を尊重して傾聴する。宗教的ケアとは、大いなる慈しみにいだかれて相手の苦悩に向き合い、その人が苦悩のなかで見出す心の物語に学び、苦悩を超える宗教的真実を分かち合う。臨床宗教師は、一人ひとりの解決のつかない課題に向き合い、過程を大事にして、相手と共に答えを探すことを覚悟した宗教者である。

3.「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」における六つの具体的目標

日本臨床宗教師会の教育目標に準拠して、実践真宗学研究科の臨床宗教師・臨床傾聴士研修は、六つの具体的目標を掲げる。

(1)「傾聴」と「スピリチュアルケア」の能力向上

自分の宗教宗派の教義や世界観を前提として対象者に接するのではなく、まず相手の声を真摯に聴き、悲嘆を受け止め、自然に顕れてくる宗教性を尊重することの重要性を学び、それぞれを現場での実践やグループワークを通じて体得することを目指す。

(2)「宗教間対話」「宗教協力」の能力向上

被災地などでの追悼法要を各宗教宗派の儀礼と世界観を尊重して合同で行い、宗教者の社会実践と宗教協力について、他宗の宗教者と目的を一にして共に学び合う。自らの信仰をふりかえって大切にしつつ、他者の信仰を尊重するという寛容な姿勢を培う。自らの気づきを宗教者間で共有する。

(3)自らの死生観と人生観を養う

「病者を看取ることは自己を看取ることである」(『増壱阿含経』巻40、大正大蔵経2巻746c)と釈尊は説いた。相手を自分のことのように見守る姿勢が大切である。相手に寄り添うには、自らの依りどころとする宗教的死生観を培う必要がある。

(4)宗教者以外の諸機関との連携方法を学ぶ

臨床宗教師は、医療福祉機関などの公共機関で、医師、看護師、栄養士、介護士、保育士などの専門職とチームを組み、苦悩する人々に寄り添う。宗教者が公共的存在として活動するためには、医療福祉機関の専門職を理解し、相互に理解しあう配慮が必要となる。宗教者としてのアプローチが医療福祉機関の専門職にどのような影響を与えるか、自己の言動を見つめ、慎重かつ柔軟な働きかけを学ぶ。

(5)「宗教的ケア」の姿勢と提供方法を学ぶ

他の宗教宗派の儀礼や世界観を学び、さまざまな宗教者との同一性と差異性についての理解を深める。宗教的理念を背景にした医療福祉機関で行われている宗教儀礼やお別れ会等に参加し、宗教者と共に礼拝することを通して、各宗教宗派の宗教的ケアの提供方法を学ぶ。特に、医療福祉機関における臨床宗教師(ビハーラ僧)がどのように患者とその家族に寄り添い、専門職と協力しているかを学ぶ。また、ケア対象者の求めに応じて適切な宗教者や宗教組織を紹介する方法や亡き後の葬儀や墓地などの相談対応について学ぶ。

仏教の社会倫理は、縁起的生命観に支えられている。「一切の生きとし生けるものは幸せであれ」(『スッタニパータ』一四七偈)「すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」(『ダンマパダ』一三〇偈)「世のなか安穏なれ」(親鸞『御消息集』七)等と説かれるように、仏教を機軸とする宗教的実践は、非暴力と平和な社会の実現を願う。

(6)理論と臨床との統合

理論と臨床とを統合するために、ロールプレイ、グループワーク、スーパービジョン、会話記録検討会を行う。反省を通して、自らの課題を知る時、前に向って前進できるからである。手法はCPE(Clinical Pastoral Education 臨床牧会教育)に倣う。

4.「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」教育プログラム 履修カリキュラム及び実習日程

(1)「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」履修カリキュラム(2年間)

①必修科目:次の5科目16単位を修得すること。

  • 「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」の基盤となる講義(1年目に受講可)
    「実践真宗学研究」半期2単位1年次配当
    「真宗人間論研究」半期2単位1年次配当
  • 「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」に特化した講義 (2年目に受講可)
    「臨床宗教師総合実習」(臨床傾聴士を含む)通年集中8単位2年次配当
    「グリーフケア論研究」半期2単位2年次配当
    「ビハーラ・スピリチュアルケア論研究」半期2単位2年次配当

②選択必修科目(推奨科目):
次の12科目を推奨科目とし、2科目4単位以上を修得すること。

  • 「真宗教義学研究」半期2単位1年次配当
  • 「現代宗教論研究」(宗教者間対話)半期2単位1年次配当
  • 「宗教心理学研究」半期2単位1年次配当
  • 「宗教教育学研究」半期2単位1年次配当
  • 「生命倫理論研究」半期2単位1年次配当
  • 「人権・平和論研究」半期2単位1年次配当(隔年開講)
  • 「カウンセリング論研究」半期2単位2年次配当
  • 「地域・寺院活動論研究」半期2単位2年次配当
  • 「臨床心理学研究」半期2単位1年次配当(隔年開講)
  • 「精神保健学研究」半期2単位1年次配当(隔年開講)
  • 「臨床宗教教育研究」半期2単位2年次配当
  • 「社会実践特殊研究A」半期2単位2年次配当

(2)「臨床宗教師総合実習」(臨床傾聴士を含む)の概要 

  • 臨床実習は全体実習と特別実習を行う。被災地、病院、社会福祉施設、ビハーラ関連施設を訪問し、教員、医療福祉機関等の専門職の指導に従って実習を積む。
  • 特別講義、シンポジウムに参加し、学内外の有識者の経験と知見に学ぶ。
    特別講義 東北大学大学院文学研究科実践宗教学寄附講座連携など
  • 初期研修・実習事前研修・課題学習(資料図書・論文により学習する)
  • 事後研修・臨床スーパービジョン(個人)・全体ふりかえり:学んだ知見、課題を大学院指定「実習記録ふりかえりシート」にまとめる。この記録をもとに自己理解と課題を見つめる。緩和ケア、社会福祉施設等の臨床実習の現場で、専門職とグループワーク・スーパービジョンを行い、他者理解と自己理解を深める。
  • 会話記録検討会:自らの会話記録をグループワークで検証し、課題を知る。
    総合実習担当者の指導に従う。前期1回、後期2回、全体ふりかえり2回
    <会話記録検討> 前期1回(7月)、後期2回(11月、12月)
    <全体ふりかえり> 前期1回(7月)後期1回(12月)

2024年度 臨床宗教師・臨床傾聴士総合実習計画案 約150時間

※災害や感染症からの安全を守るために、日程を変更する場合があります。

  • 初期研修オリエンテーション
    2024年4月16日(火)15時15分~16時45分 自己紹介(志望動機・死生観) 研修目的 

    担当 森田敬史・鍋島  森田敬史「倫理講習」「実習日誌・会話記録」書き方
    2024年5月14日(火)15時15分~16時45分 
    特別講義「緩和ケア施設におけるビハーラ僧の存在」
    講師 花岡尚樹(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
  • 全体実習1
    あそかビハーラ病院・ビハーラ本願寺での臨床実習(担当 森田・鍋島)

    2024年前期一日間 8時間 
    場所 あそかビハーラ病院・特別養護老人ホーム・ビハーラ本願寺 京都府城陽市
    公益財団法人・神戸国際医療交流財団(後藤章暢代表理事「西本願寺医師の会」会員)
    一般財団法人・日伸会ビハーラ医療福祉機構(後藤彰大代表理事)
    大里真之輔(あそかビハーラ病院長 緩和ケア医)
    平野 博(あそかビハーラ病院 緩和ケア医)
    新堀慈心(あそかビハーラ病院 看護課長)
    細見陽子(あそかビハーラ病院管理栄養士)
    花岡尚樹(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
    渡辺有(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
    柱本惇(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
    城大真(あそかビハーラ病院ビハーラ僧)
  • 全体実習2
    東日本大震災被災地での臨床実習 (担当 鍋島・森田)

    2024年6月3日(月)~6月4日(火)二日間 16時間
    場所 東北被災地 仙台市・南三陸町・気仙沼市
    協力 東北臨床宗教師会、南三陸町役場、気仙沼市震災遺構
  • 全体実習3
    特別養護老人ホーム「常清の里」(担当 打本・森田・鍋島)

    2024年秋 場所 社会福祉法人慶徳会常清の里 大阪府茨木市 6時間
  • 全体実習4(任意)
    保育園・デイサービスセンター統合施設での臨床実習(担当 鍋島・森田)

    2024年9月頃
    場所 統合型社会福祉施設 橘保育園・橘デイサービスセンター 宮崎市
  • 全体実習5(任意)
    被爆寺院の復興とグリーフケア研修(担当 鍋島・森田・打本)

    2024年10月7日(月)6時間 「被爆寺院の復興とグリーフケア 平和への願い」
    場所 被爆寺院・国立広島原爆死没者追悼平和祈念館・広島平和記念資料館
  • 全体実習6(任意)NCC宗教研究所EU神学生との宗教間対話(担当 葛野・寺本・森田)
    2024年12月上旬 6時間
  • 全体実習7
    神戸赤十字病院&人と防災未来センター(担当 鍋島・黒川・森田)

    2024年12月13日(金) 6時間 「災害遺族の心のケア・COVID19感染への心のケア」 
    場所 神戸赤十字病院、阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター
  • 特別実習1
    あそかビハーラ病院 臨床個人実習 5日間 40時間

    2024年6月~2024年12月 場所 京都府城陽市 
  • 特別実習2
    特別養護老人ホーム「常清の里」臨床個人実習 3日間 18時間

    2024年7月~2024年12月 場所 大阪府茨木市  
  • 特別実習3(任意)
    京都府地域福祉課・自殺対策総合相談会臨床個人実習8時間

    2024年秋 場所 京都府内 任意8時間
  • 会話記録検討会 全体ふりかえり会 龍谷大学大宮学舎
    2024年7月17日(水)13時半~18時 谷山洋三「スピリチュアルケア」・会話記録検討会
    2024年11月13日(水)13時半~18時 谷山洋三「宗教的ケア」・会話記録検討会
    2024年12月中旬 森田敬史 ふりかえり、会話記録検討会 
  • 新春シンポジウム「臨床宗教師・臨床傾聴士の現場と夢」 龍谷大学大宮学舎
    2025年1月15日(水)15時15分~17時 場所 龍谷大学大宮学舎
    「2025年度臨床宗教師・臨床傾聴士研修 募集要項」、講師 谷山洋三「臨床宗教師の展望」、
    臨床宗教師・臨床傾聴士研修11期生成果報告会

5. 臨床宗教師・臨床傾聴士研修スタッフ・協力者について

研修スタッフ

  • 鍋島直樹(龍谷大学文学部教授、研修主任 ビハーラ・スピリチュアルケア論研究)
  • 森田敬史(龍谷大学文学部教授、研修副主任 社会実践演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ等)
  • 杉岡孝紀(龍谷大学文学部教授、研修副主任 実践真宗学総合演習Ⅰ・Ⅱ)
  • 打本弘祐(龍谷大学農学部准教授、研修副主任 臨床宗教教育研究)
  • 黒川雅代子(龍谷大学短期大学部教授、グリーフケア論研究)

研修協力者

  • 那須英勝(龍谷大学文学部教授、実践真宗学研究科長)
  • 葛野洋明(龍谷大学文学部教授、宗教間対話実習)
  • 玉木興慈(龍谷大学文学部教授)
  • 井上善幸(龍谷大学法学部教授)
  • 高田文英(龍谷大学文学部教授)
  • 岩井未来(龍谷大学文学部教授、看護師・スピリチュアルケア師)
  • 田畑正久(龍谷大学客員教授、医師)
  • 中村陽子(龍谷大学客員教授、看護師・管理栄養士)
  • 寺本知生(龍谷大学文学部非常勤講師、現代宗教論研究、宗教間対話と交流)
  • 中平了悟(龍谷大学大学院非常勤講師、元本研究科実習助手、関西臨床宗教師会)
  • 伊藤顕慈(龍谷大学大学院実践真宗学研究科実習助手)

大学院協力者(アドバイザリーボード)

  • 島薗 進(東京大学名誉教授、上智大学グリーフケア研究所、龍谷大学客員教授)
  • 高橋 原(東北大学大学院文学研究科死生学、実践宗教学専攻分野教授)
  • 谷山洋三(東北大学大学院文学研究科教授、日本臨床宗教師会事務局長)

医療福祉機関協力者

  • 後藤彰大(一般財団法人 日伸会ビハーラ医療福祉機構・代表理事)
  • 大里真之輔(あそかビハーラ病院院長・緩和ケア医)
  • 花岡尚樹(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
  • 渡辺有(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・認定臨床宗教師)
  • 柱本惇(あそかビハーラ病院ビハーラ僧・本願寺派布教使)
  • 城大真(あそかビハーラ病院ビハーラ僧)
  • 細見陽子(あそかビハーラ病院・管理栄養士)
  • 舩本里治(高齢者総合福祉施設・常清の里施設長)
  • 弘中信厚(橘保育園園長・橘デイサービスセンター長)
  • 沼口 諭(医療法人徳養会 沼口医院理事長・医師)

日本臨床宗教師会

  • 金田諦應(カフェ・デ・モンク主宰、日本臨床宗教師会副会長)
  • 髙橋悦堂(認定臨床宗教師、曹洞宗僧侶)
  • 田中至道(沼口医院認定臨床宗教師、浄土真宗本願寺派僧侶)
  • 和田隆彦(中国地方臨床宗教師会・広島被爆寺院超覚寺住職・認定臨床宗教師)
  • 堀 靖史(中国地方臨床宗教師会、元本研究科実習助手)

他多数。以上、敬称略。

6. 臨床宗教師研修 応募要項 【出願資格】と【出願書類】

【募集人数】

10名以内

【出願資格】

次の①~③のいずれかに該当し、④⑤に賛同・遵守する者。

  • ①龍谷大学大学院実践真宗学研究科に在籍する者(2年生以上)
    事前学習レポート提出と申請書提出を求め、内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表する。受講許可された院生は、必ず受講登録するものとする。2018年度より実践真宗学研究科の院生であれば、医療福祉機関等の専門職で、「臨床スピリチュアルケア師」をめざす者も受講できる。ただし、宗教者でない場合は、「認定臨床宗教師」資格は取得できない。
  • ②龍谷大学大学院実践真宗学研究科を修了した者(特別専攻生・修了生)
    事前学習レポートと申請書提出を求め、内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表するとともに、希望する住所に郵送で通知する。受講許可された者※は、3月下旬に出願が開始される「科目等履修生」として手続きをする。
  • ③大学卒業者で大学院生と同等の資質があると実践真宗学研究科が認める者(社会人)
    事前学習レポートと申請書提出と面接への出席を求め、内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表するとともに、希望する住所に郵送で通知する。受講許可された者※は、3月下旬に出願が開始される「科目等履修生」として手続きをする。
  • ④ケア実践に必要な対人関係能力を有し,心身ともに健康である者
  • ⑤実践真宗学研究科の教育理念・目的を理解し賛同する者
  • ⑥臨床宗教師倫理綱領を遵守する者

※ 臨床宗教師・臨床傾聴士研修の審査において受講許可となった場合でも、科目等履修生制度において受講許可がされなかった場合、当該年度の受講は不可。

【出願書類】

  • ①履歴書(本学所定様式)
  • ②臨床宗教師・臨床傾聴士研修申込書(本学所定様式)
  • ③宗教者証明書(信徒の相談に応じる立場にある聖職者<僧侶、神父、牧師等>証明書の写し。また、医療福祉関係者の場合は、医療福祉機関等の専門職<医師・看護師・介護士等>証明書の写し。)
  • ④身元保証書(本学所定様式、この身元保証人とは、原則としてその出願者が所属する宗教教団の寺社教会等の責任者で、同じ地域<同じ都道府県もしくは隣県>に住む者とする。臨床宗教師を保護するためであり、臨床宗教に対して、倫理綱領等の遵守とトラブル発生時に誠実に対応させる責任をもつ。身元保証人は、出願者の所属する宗教教団の寺社教会の責任者で、同じ地域<同じ都道府県もしくは隣県>に住む者が望ましい。)
  • ⑤事前学習レポート(次のA B Cについて記述すること)
    • A. 参加動機:
      これまで/これからの自分自身の「臨床宗教師」としての活動、また医療福祉機関、教育機関等での臨床スピリチュアルケアの経験をふまえて、「研修プログラム」に参加する動機や、研修で特に学びたいことについて1,000字程度のレポートを提出する。
    • B. 生 育 歴:
      出生から現在に至るまで、自分の人生に影響を与えた出来事について、その時の思いを含めて5,000字程度で記述する。さらに、記述して気づいたことや感想を800字程度にまとめ、800字程度のレポートだけを提出する。(5,000字程度のレポートは研修が終わるまで自分で保管する。)
    • C. 死 生 観:
      自分自身の人生観、死生観、信仰について、影響を受けた人物や書物、出来事などを含めて2,000字程度で記述する。さらに、記述して気づいたことや感想を800字程度にまとめ、800字程度のレポートだけを提出する。(2,000字程度のレポートは研修が終わるまで自分で保管する。)
    • *出願書類の返却は行いません。

【提出先】

龍谷大学文学部教務課 臨床宗教師・臨床傾聴士研修担当
〒600-8268
京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地の1

【審査スケジュール】

  • 出願期間
    2024年2月1日(木)~2月10日(土)必着  ※簡易書留の郵送に限る。
  • 書類審査
    2024年2月10日(土)~13日(火)
  • 面  接
    2024年2月13 日(火)17:00から 【出願資格】③の出願者のみ。
  • 合格発表
    2024年3月7日(木)予定

7. 臨床宗教師研修受講に係る経費

  • ①交通費・宿泊費・食事代:実費負担
  • ②医療福祉機関における実習費:実費負担
  • ③講師謝礼・会場借用料:大学負担
  • ④科目等履修料(審査料・許可料・履修料)「科目等履修生出願要項」記載どおり
  • ⑤保険代:実費負担
  • ⑥臨床宗教師研修実習費8万円 ※④⑤⑥は科目等履修生(社会人)のみ

8.「認定臨床宗教師」、および「臨床スピリチュアルケア師」の資格認定について

(1)2017年9月9日、龍谷大学大学院実践真宗学研究科・臨床宗教師研修プログラムが日本スピリチュアルケア学会認定「人材養成教育課程」として認められた。2021年および2023年10月にも継続して認められた。これにより、本研究科の臨床宗教師・臨床傾聴士研修修了生が日本スピリチュアルケア学会へ入会し、必要書類を整え、本研究科臨床宗教師・臨床傾聴士研修代表者宛に提出する。その後、同学会の資格審査試験に合格した者に「臨床スピリチュアルケア師」の資格が授与される。病院や社会福祉施設、教職員を目指すものにとって大きな力となる。

(2)2018年3月5日、龍谷大学大学院実践真宗学研究科・臨床宗教師研修プログラムが日本臨床宗教師会「臨床宗教師養成教育プログラム」として認められた。これにより、本研究科の研修修了生は、各地臨床宗教師会ならびに日本臨床宗教師会に所属した上で日本臨床宗教師会の認めるフォローアップ研修等を受講し、日本臨床宗教師会が定める所定の資格申請書類を本研究科臨床宗教師・臨床傾聴士研修代表者宛に提出する。その後、日本臨床宗教師会による資格審査によって認められた者に、日本臨床宗教師会より「認定臨床宗教師」の資格が授与される。

【推奨学会等】

龍谷大学真宗学会、日本臨床宗教師会、日本スピリチュアルケア学会、等に入会し、研修会等で研鑽を続けることを推奨する。将来、日本臨床宗教師会の「認定臨床宗教師」資格や日本スピリチュアルケア学会の「臨床スピリチュアルケア師)」資格を取得することを希望するものは、それらに入会することが必要となる。すなわち、各大学教育機関等の臨床宗教師・臨床傾聴士研修を修了しただけでは、「認定臨床宗教師」と名のることはできないため、各地方臨床宗教師会へ所属した上で、日本臨床宗教師会への資格申請が必要となる。詳しくは日本臨床宗教師会や日本スピリチュアルケア学会ホームページを参照すること。

【フォローアップ研修関連について】

「臨床宗教師会フォローアップ研修」主催 日本臨床宗教師会・各地臨床宗教師会等 「グリーフケア公開講座 悲嘆に学ぶ」春学期8回・秋学期8回 主催 上智大学グリーフケア研究所 龍谷大学人間・科学・宗教オープンリサーチセンター
「浄土真宗本願寺派ビハーラ活動者養成研修会」(実践真宗学研究科推薦により受講可)

【参考文献】

  • 日本臨床宗教師会「臨床宗教師倫理綱領」「臨床宗教師倫理規約(ガイドライン)及び解説」
  • 日本スピリチュアルケア学会「スピリチュアルケア師倫理綱領」
  • 谷山洋三『医療者と宗教者のためのスピリチュアルケア 臨床宗教師の視点から』、中外医学社、2016
  • 鍋島直樹「怨みと悲しみを超える道―パリのテロで妻を亡くしたレリスの手紙とヒロシマ原爆被爆者の願いに学ぶ」上智大学紀要『グリーフケア』4、2016、「ビハーラ活動と臨床宗教師研修の歴史と意義―親鸞の死生観を礎にして」『日本仏教学会年報』、2017、「スピリチュアルケア―原点にかえって」『スピリチュアルケア研究』Vol.1、2017
  • 森田敬史「ビハーラ病棟での実践からみえてくる仏教者の役割」、『日本仏教社会福祉学会年報』41号、2010、「ビハーラ僧の実際」、関西学院大学『人間福祉学研究』3巻1号、2010、「遺族による仏堂の活用実態とその宗教的意義」『仏教看護・ビハーラ』9号、2014
  • 森田敬史、打本弘祐、山本佳世子『宗教者は病院で何ができるのか-非信者へのケアの諸相』勁草書房、2022
  • 打本弘祐「特別養護老人ホームにおける悲嘆―<ビハーラ僧>の視点から」髙木慶子他編『悲嘆の中にある人に寄せて』上智大学出版、2014、「教団主導型ビハーラにみるビハーラ僧の宗教的ケア―聞き取り調査を通して」『真宗学』143・144号、2021

石巻市追悼巡礼 東北大学と龍谷大学合同研修 2014年

南三陸町の佐藤仁町長に表敬訪問 2017年

ハーバード神学大学院とのシンポジウム 2018年

気仙沼市すがとよ酒店ご遺族講話 2018年

気仙沼市被災した地蔵菩薩の復興 杉岡孝紀教授の法話 2018年

神戸赤十字病院心療内科 村上医師らとの研修 2018年

森田敬史教授と打本弘祐准教授 日和山・閖上の記憶での傾聴 2019年

南三陸町役場での復興支援のつどい LIFE SONGS 2019年

広島平和記念公園・追悼儀礼 2019年

超覚寺 和田住職との交流 2019年

宗教者間対話 葛野洋明教授・森田敬史教授の指導 2019年

高齢者総合福祉施設「常清の里」 2021年

折り鶴を捧げる 広島原爆記念公園 2021年

あそかビハーラ病院緩和ケア 渡辺有ビハーラ僧による研修 2021年

神戸赤十字病院オンライン研修「災害遺族のグリーフケア」 2021年

東北被災寺院の専能寺での研修 2022年

名取市閖上地区震災メモリアル公園 芽生えの塔 追悼法要 2022年

2024年度「臨床傾聴士研修」募集要項

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