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歴史を自分に投影すれば現代を考える力も育ちます。

文学部史学科仏教史学専攻 市川良文(いちかわよしふみ)先生
世の中の変化が激しく、先の見通しが難しい今人間そのものへの理解を深める学問の重要性があらためて見直され始めています。歴史の学びも、仏教の学びもそうした人間を探究するとても大事な学問にあたります。
「西域仏教史」を担当される市川良文先生に歴史の学びについてお話を伺いました。

西域仏教史とは

「西域仏教史」の「西域」とは、中国の西の地域を表す言葉です。時代によって範囲が変わるのですが、西域仏教史の舞台となるのは今の中央アジアあたり。中国の新疆ウイグル自治区や、カザフスタンやクルグズ(キルギス)といった旧ソ連の中央アジア5カ国が中心となります。インドで生まれた仏教が、中国から朝鮮半島を経て日本へと伝わるのは皆さんご存知だと思いますが、インドから中国へ伝播する前に、まずその間にある西域にも伝わっているんですね。授業ではそうした仏教東漸の過程のなかで西域において仏教がどのように受容されて、どういう風に変わっていったのかを、学んでいくことになります。

歴史を学ぶうえで基本となるのは文字史料ですから、授業でも文書などの文字史料を読み解く勉強が中心です。漢文や中央アジア胡語と呼ばれる何種類もの言語で記された原典に、わたしが訳をつけ解説したプリントを配って話をしています。また中央アジアは日本人にとってあまり馴染みのないエリアですから、地図や遺跡の写真など、現地への理解を助けるような資料も用意しています。こうした史資料をもとに、遥か遠い昔の知らない土地に住んでいた人々の信仰や暮らしについて、いろいろ学び、考えていくのです。

歴史の学びは史資料から

史料にある知らない言葉を読み解いていくのは、歴史学の面白さのひとつといえるでしょう。例えばガンダーラ語のひとつの単語を読もうとすれば、サンスクリット語の辞書が必要になってくる。そのサンスクリット語の辞書を完全に読むためには、英語の辞書が必要ですし、ドイツ語の解説書があるならドイツ語の辞書も必要になります。こんな風に辞書を読むために辞書を用意するなんてこともしょっちゅう起こってくるんですよ。それだけに、原典史料を読み解けたときの嬉しさは格別。なかなか達成感がありますよ。

そもそも史料が無いと考える材料さえありませんから、歴史という学問にとって「どんな史料が集められるか」というのはとても大事なことです。そういう面で、大学の図書館に貴重な史資料が数多く収蔵されている龍谷大学は、歴史を学ぶのにとても良い環境だといえるでしょう。もともと龍谷大学は本願寺のなかにあった僧侶たちの学問所(学寮)が発祥ですから、古くからの仏教関係の資料がたくさん収集されているんです。また、明治時代に西本願寺が西域に派遣した探検隊が招来した貴重な資料も所蔵されているんですよ。2011年の4月には龍谷ミュージアムが開館し、大学が所蔵する歴史的資料も展示されるので、興味のある方はぜひ覗いてみて欲しいですね。

自分の頭でしっかり考える

集めた史料を正確に読み解き、過去にどんな事実があったかを知ることはもちろん大切ですが、それだけで終わってしまうのでは充分とはいえません。学生たちには、いろんな史料を検証しながら、過去の世界を自分に投影できるようになって欲しいと思っています。例えば8世紀に西域の人々が仏教をどのように受容していたかを深く追求していくと、その人たちの日々の暮らしであるとか仏教に対する思いであるとか、宗教によって支えられていた人々のありようが浮かび上がってきます。それらをぜひ自分のことのように考えて欲しいのです。そうして考えることにより、歴史を学ぶことが、今の日本のいろんな問題について考えることに繋がっていくことになるんですよ。

学生たちにつねづね話していることは、「ちゃんと自分の頭でしっかり考えないといけないよ」ということです。世の中、ウソがまかり通っていることも案外ありますから、「ホントはどうなんだろう?」ということを自分でしっかり見極めていって欲しい。そのためには何を材料に考えればいいか、どういう風に考えればいいのか、ということがとても大切になってきます。この力は将来どんな職業につくにしても、何をするにしても、役立つものです。歴史の学びを通して考えるセンスをしっかり磨いてもらいたいですね。

市川先生に学んで・・・

歴史を学ぶ基本と楽しさを実感。
先生の授業を通して、歴史的な史資料をどのように読み、考えれば良いかが少しずつ分かるようになりました。漢文の史料なども自分で読むことが出来るようになると、どんどん楽しくなっていきますよ。ゼミの研究で行き詰ったときにはよくアドバイスをいただいてますし、親しくお話させていただくことも多く、いつも歴史談義に花を咲かせています。
文学部史学科4年生
川股 寛亨さん
プロフィール

文学部史学科仏教史学専攻 市川 良文(イチカワ ヨシフミ)先生

龍谷大学文学研究科博士課程単位取得退学、文学修士。専門はインド・中央アジア仏教史。26歳のときに調査旅行で新疆ウイグル自治区にある仏教遺跡へ。砂漠での生活を体験し、現地に足を運んで学ぶ大切さと楽しさを実感したのだそう。2011年3月には10日間ほどかけて中国山東省へ調査に行く予定。

→文学部

→史学科仏教史学専攻
→WHO’S who

歴史を自分に投影すれば
現代を考える力も育ちます。

文学部史学科仏教史学専攻
市川 良文(イチカワ ヨシフミ)先生
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