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大学の学びで一番大切なのは「原点にさかのぼって考える」ことです。

理工学部 数理情報学科 四ツ谷 晶二(よつたにしょうじ)教授

現象のモデルとは

自然界や社会、経済の実際の現象は複雑です。ひとつの現象に対して多様な要素がからみあっています。全部を一度に理解しようとするのは欲張りすぎで、結局、何も理解できないということになります。自分の最も知りたいこと(要素)に焦点を絞り、不要と思われる部分は大胆に捨て、本質的だと思う部分を抜き出したものをモデルといいます。

知りたいことを的確に説明し予想までできるモデルが、よいモデルです。それをつくるには、豊富な経験とセンスが必要です。よいモデルをたくさん見てセンスを磨くしかないのです。

数理モデルとは

モデルにも定性的なものと定量的なものがあります。文系のモデルには定性的なものがよくでてきます(仮説とも言います)。定量的なものが数理モデルです。数理モデルの古典は、天体の運動を見事に説明したニュートンによる天体の運動方程式です。

ニュートンは微分法・積分法を発見し、同時に、物体の運動の基本原理を説明する古典力学をつくり、それらを用いて天体の運動方程式を提示したのです。数学的には、微分を含み未知な関数形を求める問題、すなわち、微分方程式です。ニュートンは、それを解き、天体の運行を説明しました。未来の星の運動を高精度に予測することが可能になりました。

数理モデルと科学技術の発展

ニュートンの力学の運動方程式はもちろん、熱の伝播や波の振動など、自然界の多くの現象は、微分方程式で書くことができます。18世紀から20世紀にかけて数学者たちは純粋数学だけでなく、天体や物理現象などに関心を持つことで、新しい幾何学や解析学を創り出してきましたから、数学は自然現象の解明とともに進んできたと言っても良いほどです。

また同じように、人口問題や渋滞など、社会や経済の現象も微分方程式で書くことができます。微分方程式を解いて解の性質を調べることで、現象を深く分析したり未来を予測することに利用できるのです。これ以外にも差分方程式や確率微分方程式法等、現象に応じてさまざまな数理モデルが作られています。

昔ならば、人間の力では到底計算しきれなかった近似計算や計算結果を立体的に図示することも、今はパーソナルコンピュータ(PC)でさえすぐに実行できます。これは「シミュレーション」と呼ばれる手法です。シミュレーションと数理モデルは車の両輪のようなものです。その可能性はさらに広がっています。

龍谷大学の数理情報学科では、数学・物理と同時に、シミュレーションを含む情報系の授業を行っています。数学や情報科学の枠を超えてそれぞれの分野を複合させたマルチサイエンティストを育むために設立されたのですが、数理モデルはまさにすべての学問に関わる分野だと言えます。

 

「数理モデル基礎・演習Ⅰ」の目標

とはいえ、複雑な実際の現象を数理モデルに仕立てるのは相当難解な作業です。大学院生や研究者レベルにならないとなかなか取り組むことは難しい。そこで「数理モデル基礎・演習Ⅰ」の授業では、数理モデルの初歩の初歩、基礎的なところをしっかりと習得することに重点を置いています。

数理モデルの代表は、長い歴史を持つ微分方程式です。実際のところ微分方程式を解くこと自体、一般には容易なことではありません。答を具体的に式で表示できるものは僅かです。しかし、大きな指針とはなります。

「数理モデル基礎・演習Ⅰ」の授業では、古典というべき、数理モデルを理解し、基本的な微分方程式の解法を身につけてもらうことを目標としています。

プロに学ぶ機会を大事にする

微分方程式の本を見てもらえばわかりますが、「なぜそうするのか?」「どうしてそんなことを思いつくのか?」「何をおさえておけば十分なのか?」といったことを本から読み取るのは大変です。

私自身の大学時代は落ちこぼれで、苦労しました。もちろん、今はわかっていますよ(笑)。大学院生のとき、指導教授と兄弟子に徹底的にプロとしての数学の基本を鍛えていただき今日があります。数学は独学では無理です。やはり、プロからアイデアの本質を直接教えてもらうのが一番です。
最先端の研究でもそうです。その分野の第1人者と直接話をして理解するのが一番です。だからこそ、これだけインターネットが便利になった世の中でも、研究者は国際会議を開き、顔を合わせてお互いのアイデアを直接交換しあっているのです。アイデアの根幹が理解できれば、細かいところを理解するのは容易でどんどん研究が先に進んで行きます。

大学の存在意義は、「プロから直接学ぶことができる場である」ことにあります。貴重な機会を最大限利用しましょう。

原点にさかのぼって考える

私の授業では一方的に講義をするのではなく、まず問題を出して、いままで習った知識・手法で解けないか学生たちにトライしてもらいます。抽象的な講義をいくら延々とやっても数学的な力はつきません。問題と格闘してもらったあとで、問題を攻略するための、新しい技(知識)を教えることにしています。やはり手と頭を使って格闘することがとても大事です。
大学で学ぶべき一番大事なものは何かといえば、私は「原点にさかのぼって考える」ことだと考えます。表面的な知識は時間がたてば価値が消えて時代に対応できなくなります。知識をたくさん覚えることではなく、原点にさかのぼって考え心の底から根本的なアイデアを理解したという体験の積み重ねが大事です。
数学でいえば、たくさんの問題の解き方を覚えるのではなく、ゼロから解き方を考える格闘経験をし、その上で、解き方の根本的なアイデアを自分のものとすることです。このようにすることにより、応用がききますし、人と違うアプローチで難解な問題を解き明かすこともできるようになります。
自分で成長できる力を身につけることが大きいのです。社会に出てからも必ず役立つ力になります。

数学の楽しさをぜひ味わって

私は根っから数学が大好きなので、学生たちにも授業を通して数学の楽しさを一緒に体験してもらいたいと思っています。1つの問題を一生懸命あれこれ考えている時間は本当に楽しいし、完全に解決したときの喜びは格別です。

数学は将棋や囲碁と似ているとよく言われますが、根本的に違うのは将棋や囲碁では次の一手はルール上許されている有限の手の中から選択しなければなりませんが、数学では問題を解くための次の一手には無限の自由度があります。

ある島に急峻で頂上は雲に霞んで見えない高い山があるとします。頂上はきっと美しいだろうし、誰もみたことのない頂上からの絶景を見てみたいという気になります。知力・体力抜群の人々が、最新の装備でよく使われている登山口から頂上をめざし登り始めるけれど、結局は登頂失敗を繰り返している、そのような状況を思い浮かべましょう。
そんなとき、例えば、船に乗り一見見当はずれの隣の島をめざし、そこを拠点に悪天候にも強い最新鋭ヘリコプターを飛ばし目指す島の全容をつかんで、愚直で時間はかかるけれど島の裏側から古典的な道具を改良し少しずつ道を切り開きながら山の頂上目指して登り始めたって構わない。

最新鋭ヘリコプターと古典的な道具の組み合わせです。PCを用いた最新の数式処理ソフトと19世紀古典数学の組み合わせです。そんな作戦もアリなんです。「あいつ何やってんだ」って、よく言われています(笑)。だけど常識外の方法で頂上に辿りついて絶景を眺めたときは本当に楽しい。もう最高の気分です。本当にこんなに楽しい学問はありませんね。

四ツ谷先生に学んで・・・

難しい方程式ほどやる気が高まります。
授業で微分方程式を解くときは、先生が教室を回ってつまずいている学生一人ひとりにアドバイスを下さるので、とても分りやすく嬉しかったです。問題が難しいほど解けたときの喜びも大きいので、先生が黒板に難しい問題を書かれたときほどやる気が高まりますね。とても優しい先生で、学生それぞれのレベルに合わせて 気さくに指導して下さいます。
理工学部数理情報学科二年生
桑田久理子さん
プロフィール

理工学部数理情報学科 四ツ谷晶二教授

1989年の理工学部開設時より龍谷大学で教鞭をとる。根っからの数学好きは、大学で数学の教授をしていた父親ゆずり。将棋も習った。幼少の頃からスポーツも大好きで、野球・柔道をやっていた。今はテニスに夢中。数学とスポーツは全く同じで、「正しい基本を体で覚えることが大事である」といつも言っている。最近、テニスのプロコーチの定期レッスンを受け始め、20数年間打てなかった本物のバックハンドスライスを打てるようになってきた。

→龍谷大学理工学部サイト
→数理情報学科紹介サイト
→WHO’S who

歴史を自分に投影すれば
現代を考える力も育ちます。

文学部史学科仏教史学専攻
市川 良文(イチカワ ヨシフミ)先生
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何回も現場に足を運んでいれば
少しずつ何かが見えてきます。

社会学部コミュニティマネジメント学科
舟橋和夫(フナハシ カズオ)教授

法律を学んで得た思考力はどこに行っても役に立ちます。
法学部法律学科
河村尚志(カワムラ ヒサシ) 准教授

映像の作り方だけでなく、映像の使い方も学んで欲しい。
国際文化学部国際文化学科
Salz Jonah(サルズ ジョナ)教授

島々の経済を学ぶことで 地域の多様さ、経済の多様さに気づきます。
経済学部国際経済学科
松島泰勝(まつしまやすかつ)教授

大学の学びで一番大切なのは「原点にさかのぼって考える」ことです。
理工学部数理情報学科
四ツ谷晶二(よつたにしょうじ)教授

マーケティングを勉強すると
モノクロの世界がカラーに見えてきます。

経営学部経営学科
藤岡章子(ふじおかあきこ)准教授

小説を読むことの醍醐味を味わい、
「知のトレーニング」を楽しもう

文学部 日本語日本文学科
越前谷 宏 (えちぜんや ひろし)教授

生命の神秘を探究することの
充実感と責任感を知ってほしい。

理工学部 物質化学科
宮武 智弘 (みやたけ ともひろ)准教授

生まれ育った国を知ることは
世界における自分を知ること

国際文化学部 国際文化学科
Julian Chapple(ジュリアン チャプル)

マーケティングをやりたいなら
変化するものに興味を持たないと

経営学部 経営学科
佐藤 研司(さとう けんじ) 教授 / 経営学部長

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