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法律を学んで得た思考力はどこに行っても役に立ちます。

法学部法律学科 河村尚志准教授

法学部での学びを通して得るものは単なる法律の知識だけではありません。 法律を学ぶことは法律に関わる人間や社会についても学び豊かな思考力を養うことにもなるのです。 「会社法」の授業やゼミのお話を通して法律を学ぶ意義や面白さについて河村尚志准教授にお話を伺いました。

会社法の面白さ

企業に関するさまざまな法律を総称して商事法といいます。「会社法」も商事法の一つで、会社の組織や活動に関する法律です。学生たちにとっては、会社がどういう存在で内部でどんなことが行われているのかが実感できないと思いますので、授業ではなるべく具体的に現実の会社について話すようにしています。

法律の講義となると条文や制度、判例などの話が中心になるのですが、会社法の授業では、条文の内容以外に伝えたいと思っていることがふたつあるんですよ。ひとつは「有機的システムとしての会社法」です。会社には株を持っている株主もいれば、お金を貸している銀行もあるし、取引先もある。経営者もいれば、そこで働いている労働者もいるし、商品を買う消費者もいる。そういう会社にまつわるたくさんの関係者のいろんな利害を調整する、というのが会社法なんですね。そのために法律で規定されたさまざまなシステムがあります。そのひとつひとつを勉強するのも良いですが、ぜひ全体の姿を見て欲しい。いろんな法のしくみが積み木のように重なっていて、最終的に会社というすごく大きな存在が有機的にうまく回っているんです。そのすごさを分かってもらえたらな、と思いますね。

もうひとつの伝えたいことは「会社法のダイナミズム」。これはわたしが会社法に興味を持って研究を始めた理由でもあるんですよ。どうしても法律というのは欠陥が無く、法がすべてを決めている、というふうに思いがちなんですが、実はそうではありません。だから授業では「法律ではこうなってます、こういう仕組みがあります」と話したあと、「でも実態はこうなっているんですよ」と説明するんです。法の理念と実態の乖離が出てきたときに、それにどう対処するのか。法を改正する場合もあるし、法はそのままで、企業の創意工夫に任せる場合もあります。現実社会では常に新たな問題が発生し、それをどんどん解決していって、社会と法の間にいろんな相互作用が起こっているんです。世の中の流れに応じて変化する会社法のダイナミズムを実感して欲しいですね。

法律を学ぶうえで意識して欲しいこと

ひとつの法律にはいろんな人たちの利害関係が錯綜しています。だからこそ学生たちには、広く社会を見てバランス感覚を養って欲しいと思いますね。法律学者ですから、法律の条文をもとにしてそこから導き出すという作業が必要なのですが、その導き出した結論があまりに常識はずれだったり、誰かの利益をあまりに侵害しすぎる、誰かが得をしすぎる、ということがあったら作業や解釈をやり直して、妥当な結論を導き出すようにして欲しい。それと、「人権感覚」も大事です。バランス感覚だけを考えるとどうしても沢山の人が良いと考えている方向に向かうほうが、社会が丸く収まる場合が多い。しかしながら少数の人々の利益や権利をないがしろにして良いわけではありません。バランスのいい調整という意味では、やや矛盾するかも知れませんが、法律の役割には「どんなことがあっても守らなければならない個人の利益」を守ることも含まれるのです。

法律を学ぶ意義とは

法律学の一番の特徴は、「答えがひとつでは無い」ということでしょう。授業では条文を解説し、判例とその解釈を紹介しますが「A説はこういうふうに解釈しています、B説はこういう風に考えています、C説はこう考えています」という形になるんですね。教えているわたしが強い解釈を持っている部分は「わたしはこう思います」と付け加えます。つまり色んな考え方を紹介する講義なんです。「法律とは正義の実現にある」といいますが、その正義自体、人によって考え方が違う。自然科学のように実験で正解を確かめられる問題ではありませんから、いろんな考え方が成り立ちうるんですね。法を学ぶ目的や意義とは、いろんな価値観や考え方に触れるということだと思います。今まで当然だと思っていたことをつきつめて考えると、ある種の価値観や理由づけに行き着きます。その理由づけを違うものに変えて考えてみれば、新しい成り立ちが見つかるかも知れない。そこでその人はひとつ広がりますね。

そして、今度は自分で「ではどの考え方が正しいのだろう」と考えて欲しい。「正しいことは決まっていない」という前提に立ったうえで、「これこれこういう理由でわたしはこれが正しいと思う」と相手を説得して欲しい。何が正しいかわからない問題について「自分はこう思う」ということを相手に理論的に、いろんな状況を見ながら、自分の立場だけじゃなく様々な人の立場も分かった上で説得するのです。この思考力とはどこに行っても役に立ちますよ。法学は、決して弁護士や裁判官といった法曹界へ進む人のためだけにある学問では無いのです。 

河村先生に学んで・・・

議論の準備も楽しいです。
先生の授業は要点をちゃんと押さえてしっかり説明して下さるので、本当にわかりやすくて嬉しいですね。授業で配布して下さる資料も条文や判例がきっちり分けて載せられていて、復習にも役立ってありがたいです。弁護士に憧れて法学部に進学しましたが、最近は法律の勉強が本当に楽しくて。資料集めなどゼミでの議論の準備も面白くなってきました。
法学部法学部法律学科司法コース2年生
田中健太郎さん
プロフィール

法学部法律学科 河村尚志(カワムラ ヒサシ) 准教授

専門は商法、会社法で、企業活動が健全で効率的に行われるための法のあり方を研究。大学時代にゼミを2つ掛けもち受講していたという研究者魂は今も変わらず、休日も大学の研究室にこもり探究の日々を送っている。運動不足解消から始めた自転車が楽しくて、大学へも自転車で通勤しているのだそう。

→法学部サイト
→WHO’S who

歴史を自分に投影すれば
現代を考える力も育ちます。

文学部史学科仏教史学専攻
市川 良文(イチカワ ヨシフミ)先生
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何回も現場に足を運んでいれば
少しずつ何かが見えてきます。

社会学部コミュニティマネジメント学科
舟橋和夫(フナハシ カズオ)教授

法律を学んで得た思考力はどこに行っても役に立ちます。
法学部法律学科
河村尚志(カワムラ ヒサシ) 准教授

映像の作り方だけでなく、映像の使い方も学んで欲しい。
国際文化学部国際文化学科
Salz Jonah(サルズ ジョナ)教授

島々の経済を学ぶことで 地域の多様さ、経済の多様さに気づきます。
経済学部国際経済学科
松島泰勝(まつしまやすかつ)教授

大学の学びで一番大切なのは「原点にさかのぼって考える」ことです。
理工学部数理情報学科
四ツ谷晶二(よつたにしょうじ)教授

マーケティングを勉強すると
モノクロの世界がカラーに見えてきます。

経営学部経営学科
藤岡章子(ふじおかあきこ)准教授

小説を読むことの醍醐味を味わい、
「知のトレーニング」を楽しもう

文学部 日本語日本文学科
越前谷 宏 (えちぜんや ひろし)教授

生命の神秘を探究することの
充実感と責任感を知ってほしい。

理工学部 物質化学科
宮武 智弘 (みやたけ ともひろ)准教授

生まれ育った国を知ることは
世界における自分を知ること

国際文化学部 国際文化学科
Julian Chapple(ジュリアン チャプル)

マーケティングをやりたいなら
変化するものに興味を持たないと

経営学部 経営学科
佐藤 研司(さとう けんじ) 教授 / 経営学部長

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