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言葉の裏に込められたその人の気持ちを想像しよう 龍谷大学国際文化学部 松村 省一 准教授

世界中の人とコミュニケーションがしたい。そんな夢に近づく龍谷大学の国際文化学部。教員の40%が外国出身という環境で、どう学ぶのか。英語による「会話分析入門」を教えている松村省一准教授に伺った。

英語力がなくてもコミュニケーションはできる

私が担当している「会話分析入門」は、いわゆる英語力を伸ばす授業ではありません。極端な話、語彙力はなくてもいい。知らない単語は辞書を引けば分かりますから。でも、言葉って辞書の文字を並べただけでは会話にならないですよね。同じ単語でも、話す場面や状況によって意味が変わります。だから、相手が何を伝えたいのか、そして、それを理解しようとして会話できるかがポイントなんです。

例えば、前期試験では「洞爺湖サミットで北朝鮮拉致問題についてのブッシュ大統領から福田首相へのコメント」を取り上げました。これを読んで、政治的背景や社会的背景、日本とアメリカとの立場などを考慮して、実際に発話された表現からコメントの裏に込められた大統領の含意を分析しなさい、というものです。これは、辞書を引いても答えがわかる問題ではない。政治的な背景を踏まえたうえで、相手の意図を行間から読みとる力があるかどうかが求められます。それは、実際の会話でも同じ。TOEICやTOEFLの得点が低くても、仕事や生活で英語を使いこなしている人はたくさんいます。

つまり、「英語力がある」と「英語が使える」はイコールではありません。自分が今持っている英語力を「機能させる方法」を知ってほしいと思います。

異文化にとらわれず共通点にも目を向けよう

この学部は、「異文化交流がしたい」という目標を持って入ってくる人が多い。本当に英語を使ってコミュニケーションをしたいと思ったら、文法は間違っていてもいいから恥ずかしがらずに話すことです。もし一人で海外に行ったら、何とかして生きていくためになりふり構わず話しますよね。日本にいても同じようにすればいい。しかも、龍谷大学の国際文化学部は、教員の40%が外国出身。アジアやヨーロッパ、オセアニアといった世界各国から来た先生が日本語で授業をしている。「異文化コミュニケーション」の生きた見本があるわけです。この環境を大いに活用してほしい。

実際にいろいろな国の人と話してみると、「日本と海外はこんなに違う」ということより「こんなに同じなんだ!」と驚くことの方が多いと思います。違いを知ろうとばかりして、同じ人間同士だということを忘れているんですね。人と人とのコミュニケーションは、基本的に「つながろう」と思ってする行為。国や文化が違うからといって、その根本は変わるものではないんです。異文化にこだわる人って、意外とそこが盲点になっている。だから、ぜひ「自文化」も大切にしてほしいですね。


松村 省一 准教授 profile
専門分野は英語教育学、教育心理学。研究分野は人文学、言語学、外国語教育。
→龍谷大学国際文化学部
→国際文化学部の入試情報

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アタリマエを「?」と思える大人になろう 龍谷大学社会学部 原田 達 教授

世の中の常識に「?」を投げかける、「社会学」という学問の魅力は何か。「現場主義」をとなえる龍谷大学の社会学部では、何が学べるのか。「社会学のあゆみ」「入門実習」等を担当する原田達教授に伺った。

常識をうたがうことは大人の社会人に近づくこと

社会学とは、「人間関係」「集団」「文化」のメカニズムを分析していく学問です。それは実は、「常識をひっくり返す」学問でもあります。

高校生くらいの若いころは、発想がストレートで常識的になりがちです。「一生懸命に勉強したら試験にうかる」とか、「一生懸命に愛したらあの人は振り向いてくれる」とか。でも、現実はそうじゃない。世の中には、個人の努力を無にしたり、まったく反対の結果を生み出すメカニズムがある。そこを分析していく研究ですから、「常識を疑う」ことになるわけです。

だから、社会学部に入学して何年かたった学生は「社会学を勉強すると素直じゃなくなった」なんて言う(笑)。でも、それは「常識がなくなった」わけではなくて「常識に厚みができた」ということなんですね。

例えば、面接試験で面接官のネクタイが曲がっていたとき、子どもはケラケラ笑って面接にならない。でも、大人は無関心を装って面接試験を受けることができる。これを、ゴフマンという社会学者は「儀礼的な無関心」と名づけています。私たちは社会生活を円滑に進めるために、無意識のうちに「関心を持つ対象」を取捨選択している。そのメカニズムを知ることは、「大人の社会人」に近づくことでもあるわけです。

世の中に感じた疑問を街に出てインタビュー

世の中に感じた「?」は、実際に街に出て調べてみるのが一番。だから、龍谷大学の社会学部は、「現場主義」が特長です。これは、4年間を通して実習が体験できるということ。実際に入学すると、1回生は「入門実習」でフィールドワークを体験します。わたしのクラスでは、今年は1泊で奈良に行きました。奈良といえば「せんとくん」「まんとくん」というキャラクターが話題ですよね。そこで、街にでて、「あなたは、“せんとくん派”ですか? “まんとくん派”ですか?」というインタビューを行いました。1回生だからうまくいったわけではないけれど、初対面の人からどうやって話を引き出すか? という貴重な経験ができました。

では、先人たちは社会にどんな「?」を投げかけてきたのか。それを学ぶ授業が、「社会学のあゆみ」です。先にあげたゴフマンもその一人。普通に理論を勉強したのでは面白くないから、1回生・2回生の間はなるべく身近な生活で「あるある」と共感できるような例をあげて紹介しています。

ぜひ、これまで信じてきた「常識」を疑う楽しさを知り、豊かな発想ができる大人になってください。


原田 達 教授 profile
専門分野は知識社会学、文化社会学。研究分野は 社会科学、社会学。
2007年度「社会学入門実習」の現地調査報告書、『倉敷の受け継が れる伝統と現在』。1回生の4月から行った実習の成果をまとめ、同年秋に発行。原稿執筆から編集、印刷手配まで学生自身が手がけた労作。
→龍谷大学社会学部
→社会学部の入試情報

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