普段はどんなお仕事をされているのですか?
法律のことで悩みを持っていても身近にそのことを相談する人がいない人たちに、弁護士や司法書士、行政書士の方たちといつでも、どこでも身近に相談ができるよう、一般の方たちが容易に司法にアクセスできるように改善をしていく仕事をしています。
今の仕事につくために在学中に勉強されたことはありますか?
そのためにということはないですね。具体的にこの仕事に就こうという志望が固まったのも私の場合は遅くて、3年生の3月とか4年生の4月くらいだったんです。最初のころは漠然と司法と法律に興味があったので、一生懸命勉強していました。それに加えていろいろな活動をしているうちに、もっと一般の方が司法へのアクセスが容易にできるような環境が必要だと思うようになったんです。それをもとに就職活動を進めた結果、現在の仕事にめぐり会いました。ですから他の人のように目標を決めてというよりかは、今まで培ってきた能力を生かせる仕事はないかな、ということを考えて就職活動をしていきました。

それでは就職活動中に希望のお仕事を見つけたということですか?
そうですね。それと在学中に4人程の仲間と立ち上げた「未来の環境を支える龍谷プロジェクト」での経験も大きな影響となりました。2年生の終わりくらいに広島県の鞆の浦という重要文化的景観に橋を架けよう、という計画が持ち上がっていることを知り、仲間で「一度見てみよう」と、現地に行ったんです。
鞆の浦ではただ見るのではなく、現地の人たちからもお話を聞くことができました。そこで街づくりを進める中で、でも裁判もしながらでどうやったら日本の景観を守れるか、ということを考え始めたことが司法アクセスのことを考え始めた原点でした。その活動で行政や原告団、弁護士のお話を聞いたりして、自分が勉強するだけじゃなくみんなの(声を実際に聞きながら)役に立てるようになればいいなと思い始めて、そういう仕事を探していくうちに法律的な部分で関われないかなと思い始めました。
見て感じることが多かったということなんですね
直接お話を聞いて初めて分かることもあります。それに自分で見てみないと分からないこともあります。大学の授業は出席するだけでも教えてくれますけど、授業の範囲でしか教えてくれません。それ以上を学びたかったら自分で先生のもとへ行くしかない。それが許される期間が学生時代なんです。でも、それこそが大学生に求められている学び方ではないでしょうか。就職活動もそれに似ていますよね、説明会に行ってOBの話を聞いて……最終的にはその練習にもなりました。
ということは、興味を持ってやっていたことが就職活動につながったということなんですね。特に就職活動を意識したというわけではなくて
そうですね。意識してやっていたらもっと良かったのかな、とも思うんですけど意識してなくても十分得るものはありますよ。でもずっと家で籠っていたり、ただ授業を受けていたりするだけだったら、こういう風にはなれなかったと思います。

就職活動体験記によると初めは公務員の勉強をされていたみたいなのですが、どうして民間の仕事に就こうと思ったのですか?
公務員って法律の幅でしか仕事ができないんですよね。必ず自分がやる業務はその決まりに従って行動しないといけない……それよりは自分で考えて行動するような仕事をやりたいな、と思うようになったんです。それで公務員の勉強をしつつ、民間企業の就職活動もして、とりあえず全部やればいいか、と思って(笑)
でもきっと社会人になって何のために自分は働いているのか、ってどこかで考えなければいけなくなる時が必ず来ると思うんです。その時に明確な目標があればいいですけど、ただ漠然と仕事をしているだけだったら面白くないと思うんです。後から後悔したくないと思い、結局今の仕事を選びました。
これも就職体験記からなのですが、いろんなこと(就活・未来の環境を支える龍谷プロジェクト・バイト・地域の卓球サークルなど)をされていたんですね
いろんなことをとりあえずやってみて、自分に向いていることとか、自分が面白いと思うことを4年間のうちに一個でも見つけられて、それが仕事にできたらすごく有利になると思うんですよね。でも今から振り返ると私ももっとやれたんじゃないかと思いますね(笑)

本連載企画では「挑戦」というテーマを掲げているのですが、兵藤さんがこれから挑戦していきたいことや仕事への意気込みを教えてください。
日々挑戦じゃないですかね。大学生の頃は将来こうなれたらいいな、と考えるんですけど社会人になるとあまり考えることがないんですよ。まだ仕事に就いて一年ちょっとしか経っていないので。まずは目の前のことをちゃんと片付けることですかね。
最後に在学中の後輩たちにメッセージをお願いします!
4年間って一瞬で終わってしまうので、何か興味があったら実際にやってみた方がいいと思います。実際やることで向き不向きが分かると思いますし、大学生の時間ってもう戻ってこない時間ですから何事も挑戦してみることが大切です。初めから諦めてしまわないで、自分への挑戦を続けてください。