「小さいとき、自宅に郵便物や荷物を届けに来てくれる郵便局員さんにいつからか憧れを抱いていました」と懐かしそうに語るのは2012年に経済学部を卒業し、現在郵便局に勤めている中西諒介さん。
卒業後、郵便局員になるという夢を見事叶えられた中西さんですが、現在されているお仕事について教えてください。
今は郵便局の窓口でお客様に郵便・貯金・保険の3事業の商品を提供し、その手続きをしています。
お仕事の中で大変だと感じることはありますか?
お客様が一度にどっと来られたとき、いかに多くのお客様の要望に迅速かつ正確に対応できるか、また一人ひとりに丁寧に対応できるか、という点ですね。それに加え、郵便や貯金、保険の手続きはややこしいものも多いので、その手順や基礎知識を覚えるのがなかなか大変です。初めの頃はそのことで本当に苦労しました。窓口での業務を始めて半年以上経った今でも、手続きに関しては難しいと感じることが多いです。

それは大変そうですね…。ところで中西さんは郵便局員になるのが夢だったそうですが、そのために学生時代何かされていたことはありますか?また、学生時代の経験で今の仕事に役に立っていることなどがあれば教えてください。
特別に何かしていたことはないのですが、会社に入ったら何かしら勉強しなければいけないということはわかっていたので、今のうちに勉強する姿勢を身につけようと思い、大学での勉強をひたすら頑張りました。学業成績優秀奨学生になることを目指していたというのもありますが、大学でしかできない勉強をとことんやろうと思いました。もともと私が所属していたゼミは他のゼミと違ってどこかにフィールドワークに行ったりすることがほとんどなく、机に向かい経済の問題を考えるということが多かったので、自然と各々で勉強することが必要とされました。何事に関しても勉強する姿勢、自ら学ぼうとする姿勢は学生時代にしっかり身につけることができたと思います。実際、社会人になっても業務知識など頭で覚えなければならないことがたくさんあったので、もし学生の頃にまったく勉強する癖がなかったら今頃もっと大変な思いをしていただろうな、と今になって思いますね。

ゼミと言えば、3年のときゼミの研修で日銀(日本銀行)と東証(東京証券取引所)に行く機会がありました。いろいろあってそのとき会計担当だった私が実質グループリーダーの役を務めることになったんです。決められた時間や予算内で交通手段を考えたり、みんなのタイムスケジュールを管理したり、なにかと大変でしたが、そこで培った「いかに時間や予算において効率的な計画が立てられるか」という経済学的な考え方は、今でも仕事をする上で役に立っているように思います。また、自分の立てた計画をグループのみんなにわかりやすく説明したり、協力を仰いだり、グループのリーダーとしてみんなをまとめたことは、当時アルバイトやサークル活動をしていなかった私にとってとても貴重な経験でした。もしかしたら相手にわかりやすく教えようとすることで、自然と窓口営業に必要な“コミュニケーション力”が身についたのかもしれませんね。
ゼミなど大学での学びから多くのこと得られたのですね! 私を含め今の大学生はサークルやアルバイトに一生懸命になるあまり、学業が疎かになってしまっている気がするので、中西さんを見習わなければいけないなと思います。

本連載企画では「挑戦」をテーマに掲げているのですが、中西さんがこれから挑戦していきたいことや、仕事への意気込みを教えてください。
郵便局を国民の皆さまの生活にとってなくてはならない存在にしよう、というのが私たち郵便局員の目標です。最近ではコンビニで24時間振込みができたり、宅配サービスが受けられたり、切手やはがきも購入できるようになってきているため、郵便局を利用されるお客様が年々少なくなってきています。コンビニにはない何かを郵便局で提供し、お客様に「コンビニとは何か違うな」「また郵便局を利用したいな」ということを感じていただくために窓口営業を担当する私たちにできること、それはやはりお客様一人ひとりとのコミュニケーションを大切にするということだと思います。どんなお客様の要望にもきちんと対応できるよう、まず手続きなどの業務知識をしっかり覚えることが今後の私の課題です。そのように土台づくりをするとともに、日ごろから新聞やニュースをチェックし、世の中の動きを把握することでお客様が考えておられること、求めておられることに気づけるようになっていきたいとも考えています。
では、最後に在学生へのメッセージをお願いします!
何かしら目標を持って大学生生活を送ってほしいですね。目標があると今後どう頑張ればいいのか具体的にわかることができるので、やる気につながると思います。あとは大学での勉強を頑張ってほしいです。学生のうちに勉強する姿勢を身につけるためというのもありますが、大学の講義は大学生の今しか受けることができないとても貴重なものですし、教養科目でも幅広く学ぶことで新たな発見があると思います。実際、私も大学生の時、時間割りを埋めるためにさほど興味のない講義をとったことがありましたたが、思いのほか面白く興味のもてる内容で、自分の意外な一面に気づくことができました(笑)。 しかし、今となってはサークルなどに入ってもっと積極的に学校の活動に参加しておけばよかったなと後悔することもあります。勉強もサークルもアルバイトもなにか一つに偏ってするのではなく、何事もバランスよく取り組むことが一番です!