発行・編集
学生広報スタッフ
「倶楽部りゅうこく通信」編集部
ご意見・ご感想・お問い合わせ
  • メールマガジン登録
  • 登録内容変更・配信停止

龍谷大学

HOPE!~龍大生なう。~ vol1 今江昭彦さん

Introduction

東日本大震災をキッカケに発足した「大学生のためのドラッカー」出版プロジェクト。そのメンバーの1人である今江昭彦さんが、出版に至るまでの活動内容や、そこから学んだことを話してくださいました。

原動力は「(未経験でも)やればできるということを伝えたい」、雑草魂であった。

今回取材したのは法学部4年の今江昭彦さん。重刷も決まった、「大ドラ」の愛称で呼ばれる話題書「大学生のためのドラッカー」出版プロジェクトの発起人である。

ちなみに著者も本学OBの松本健太郎さん。松本さんは社会人基礎力に欠ける学生に危機感を抱き、ドラッカーの言葉を大学生に親しみやすい内容で説いた。指導を受けた学生は数百人にものぼる。そのひとりが今江さんだった。

松本さんの言葉を全国の学生に伝えたい! そんな思いで、今江さんがプロジェクトを立ち上げたのは2011年5月。東日本大震災で日本が活力を失う最中(さなか)、本を出していいものか葛藤もあった。

「(震災後)学生の活動家が出てきたが、さらにそういった人たちにリーダーシップを発揮して活躍してほしい。松本さん(著者)もこれを良い機会だと感じてくれて、書き溜めたレジュメを手渡してくれた」と、今江さん。

しかし本当に出版などできるのか? 周囲も反対した。学生たちに出版経験がないのはもちろん、著者も作家活動のない、専門家でも経営者でもない普通のビジネスマン。つまり全員が素人、いわばゼロからのスタートであった。

まずは活動を知ってもらわねば! とTwitterとブログの更新を始める。ファンと実績の構築のため、課題は「8月までにTwitterのフォロワーを1000人にする」。京都の学生を中心に1人1人フォローしては反応を見る、とにかく大変で地道な作業だったが、約束の数時間前に達成した。

さらに同時進行で始まったのが、出版社に持ち込む企画書づくり。原稿の持参はもちろん、どんな本が作りたいのか伝える必要がある。夏休み返上で、何十回も書き直した末、やっと納得するものを作り上げる。

また、出版に関する知識をつけるため、人脈形成にも力を入れた。作家活動を行う社会人に会うため、東京の講演会にも通った。関西から夜行バスで講演会のためだけに来た、という熱意が相手の心を動かし、たくさんのアドバイスをもらった。

約100の出版社に電話をかけ、直接面会のアポイントが取れたのが6社。東京への新幹線で質疑応答の対策を繰り返し、出版社を回った。そのなかで、後にも先にも最もピリピリした空気の出版社があった。次々と鋭い質問を繰り返され、原稿をパラパラとめくる担当者の雰囲気は重圧だったが、その場で返ってきた言葉は「もしウチから出版するのなら、100%やります」。

飛び抜けた何かがあったわけではないと語る今江さん。「ごく普通の学生でもやればできる」と龍大生の可能性を伝えたかった。大切なことは「熱意と誠意」。出版プロジェクトの活動を通して、得たものは大きかった。


【取材】
松井友希(法学部3年)、猪本千尋(経済学部1年)、木下紗由里(経済学部1年)、田中美帆(法学部1年)、西野景大(経営学部1年)、野崎裕介(法学部1年)
【記事】
松井友希(法学部3年)

このページのトップへ戻る