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龍谷大学

HOPE! 龍大生なう。 vol.51 今泉 健二さん、西尾 輝さん

Introduction

今回は、深草キャンパスにある「café樹林」を活性化するために活動する学生団体「Team Normalization」の今泉健二さん(文学部4年)と西尾輝さん(政策学部4年)のお2人にお話を伺いました。「café樹林」は、コーヒーやおいしい食事を提供しているだけではありません。学生が主体となって、障がい者の方の就業訓練や学びの場を提供している場所でもあるのです。

―“障がい者を取り巻く現実”について教えてください。

障がい者の方が、スポーツや仕事で活躍する姿をメディアなどで目にする一方で、1日の賃金が800円で苦しんでいる知的障がい者の存在は、あまり知られていないと思います。

政策学部の団体で活動していた関係でcafé樹林と元々繋がりがあった西尾さんは、この現実を知った時、café樹林を利用して何かできないかと考え、仲間を集めました。現代表の今泉さんも今ここで活動をしているのは、西尾さんに声をかけられたのがきっかけだと語ります。障がい者の方も社会で働くための知識や技能を勉強できる機会があれば、きっと何かが変わるはず。そう信じて、2014年12月「障がい者を含む多様な人間が、補い合い、生かしあって暮らす社会」を目指し、障がい者の就労支援を後押しする団体、Team normalizationが生まれました。

―どのようにして“障がい者も健常者も関係なく学ぶ場所”作りをされているのですか。

靴を磨くことを極めればそれは立派な職業になり、本が好きな方であれば、古本屋の店員として働くなど、障がい者が働くことへ繋がります。けれども、就業にまつわる技術や知識を教える場所は決して多いとは言えません。だからこそ、Team Normalizationは大きく4つのタスクに分かれて、多角的なアプローチで障がい者と健常者が共に支え合い、学び合う活動を行っています。

展開しているタスクの1つ目は、飲食タスクです。学生アルバイトや障がいを持っている方も働いているカフェの存在を広く知ってもらうために活動しています。2つ目は、教育タスクです。障がい者の方に大学に来てもらい、午前中は靴磨きやカフェにおける就業訓練を、午後からは今泉さんをはじめとする龍大生が先生となり働くための知識やマナーを学んでもらえるようになっています。また勉強だけでなく、相談事やディスカッションをするなど、気軽に話ができる雰囲気も作っています。3つ目は、農業を通して就業訓練を行う農業タスクです。現在も大学近くの農地を借りて作物を作っているのですが、将来的には農業を仕事にすることを踏まえてさらに大きな農地を探し「農業を仕事にする」ことをもっと意識した活動をやっていきたいです。そして4つ目のタスクは企画タスクです。夢を持つ人の話を聞いたり、交流することによって自分の目標を持つ場を提供する『ユメガタリ』というイベントや、マルシェや古本市を企画し、運営しています。5月26日(木)にも古本市が開催されましたし、『ユメガタリ』も月2回のペースで行われています。

―最後に自由にメッセージをどうぞ。

Team Normalizationに関わったからには、みんなにとって本当にここで活動してよかった、ここにいてよかったと思えるようなことをしていきたいと思っています。それが人を集める側である自分がやるべきことだと考えています。だからこそ、日々の活動のクオリティを上げるための努力は怠らないようにしていきたいです。

ただ、私たちは今4年生なので、今後は後輩たちにクリエイティブなことをやっていってもらいたいです。今やっていることを楽しいと思って本気でやりたいなら、そのまま引き継いでもらうのもいいですし、今この団体でやりたいことがないという後輩も自分が挑戦してみたいプロジェクトを新たに立ち上げるのもいいですね。そうして、みんなが幸せだと思う場を、café樹林で作っていってほしいと思っています。


【取材・記事】
石川 沙希(社会学部3年)

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