―考古学研究会という団体について教えてください
考古学研究会は、学術文化局に所属している団体で部員は全員で38人、今年で創部55周年を迎える歴史のあるサークルです。遺跡の発掘や調査など、1年を通して様々な活動を行っています。夏と冬に合宿があり、中でも冬の合宿では1ヶ月間、京都府亀岡市の保津山古墳へ発掘調査に行きます。
―調査内容を教えてください
基本的に新たな古墳を見つける調査や、古墳の回りに出てくる土器片の表採をすることです。土器片は毎年100個を超える数が発掘されます。これらを一旦大学に持ち帰り、土器片の型をとり破片は亀岡市の文化会館に寄贈しています。
また、古墳の発掘調査では、去年龍谷大学の学生が新たな古墳を発見しました。これは大変すごいことで、その際、発見した学生の名前が古墳の名称に一部使われました。今でも新発見される古墳は存在します。自然の風化によってなくなってしまうものもありますが、根気よくそれらを調査することで当時の古墳の様子を見ることができます。
―そもそもなぜ考古学研究会に入ったのですか?
キャンパスを歩いていたときに配られていた勧誘のビラがきっかけでした。元々、歴史が好きで歴史学科に入り、サークルも歴史系のサークルに入ろうと思っていた矢先だったのでとても惹かれるものがありました。実際に入ってとても充実したサークル活動を行っています。
―考古学の魅力とはなんですか?
先人が残したものを、見ることができることです。先人がしたことを、史料だけでなく、実物を見ることによって確認できることは最大の魅了だと思います。史料では偉人の墓であるとされていても、考古学的に調査をして見ると実際はそうでないことがあります。史料の偽りを見抜けたり、その際に史料には記載されていない新たなことがわかったりするのも魅力です。
また、現在は高速道路建設などのために、破壊された古墳の様子は、建設以前に行われた考古学的調査に基づいた史料などでわかり、考古学調査をし、史料を作成することで、後世に古墳の様相を伝えることができることがとても魅力的だと思います。
―今後の団体の目標を教えてください
近年、特に古墳が自然の風化でなくなっていっています。また先ほども申し上げた通り、都市開発などでも歴史ある古墳がとり壊されています。だからこそ、それらの古墳などの遺跡が無くなる前にきちっと調査して、史料などを通じて、その古墳が存在していたことを後世に伝えていきたいと思っています。