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2020.12.11

先端理工学部木村睦教授の研究が人工知能研究振興財団の研究助成に採択されました【REC滋賀】

 先端理工学部電子情報通信課程 木村睦先生の研究テーマ「強誘電体キャパシタ型シナプスによる超小型・超低消費電力脳型システムの研究開発」が、公益財団法人 人工知能研究振興財団の令和2年度研究助成に採択されました。本財団は、トヨタ、NTT、日立など産業界が中心となって1990年に設立されたものであり、人工知能(AI)に関する研究の振興を図り、産業技術の高度化及び我が国経済の健全な発展に寄与することを目的としたAI研究に対して助成が行われるものです。
 現在のAIは、多数のサーバーマシンで構築されて巨大なサイズを占め、その消費電力は20kWほどもあり、このタイプの人工知能がこのまま普及すると、人工知能のための消費電力は、2025年には全発電量の20%で、2050年には60%にもなると試算されており、世界的なエネルギー・環境問題となるリスクがあります。さらに、人工知能を構成するハードウェアは、冗長構造を設けても基本的に全ての素子が異常なく動作していることが前提でロバスト性(堅牢性)という課題もあります。
 このような既存の人工知能の課題を解決すべく、ハードウェアレベルから脳を模倣したコンピューティングアーキテクチャである脳型(ニューロモーフィック)システムの研究開発が、様々な機関で盛んに行われています。
 木村睦先生は、IoTデバイスに搭載し、それをスマート化する超小型・超低消費電力・ロバストな人工知能の実現を目指し、アーキテクチャ・マテリアル・アルゴリズムの3つの観点から脳型システムの研究を進められています。すでに、アーキテクチャとしてはシナプスを抵抗変化素子やメモリスタという単一アナログデバイスで構成し、マテリアルとしては3次元積層化が可能なミストCVD製法が適用できるアモルファス金属酸化物半導体を用い、アルゴリズムとしてはシナプスの結合強度が両端のニューロンの状態が異なるときに弱化されるという局所的学習測(修正ヘブ学習則)を考案することで、文字(アルファベット)の自己学習機能と連想記憶動作を確認されています。
 このような先進的な脳型システムの研究成果を認められ、三菱財団、テレコム先端技術研究支援センター、電気通信普及財団、矢崎科学技術振興記念財団の研究助成も受けられています。
 本研究は、シナプスに強誘電体キャパシタを用いたアーキテクチャとすることで、脳型システムの超小型・超低消費電力化と3次元積層による大規模化を実現し得る点を高く評価され今回の採択につながっています。