- 教員氏名
- 藤原 直仁 教授
- 専門分野
- 生理心理学
心理学というとカウンセリングなどを思い浮かべる人が多いかもしれませんが,さまざまな研究が展開されています。私はこれまで主に,生理心理学と呼ばれる領域で研究を進めてきました。生理心理学では,脳波などの生理学的指標に現れる変化をもとに「こころ」の動きを分析するため,客観性の高い研究が可能です。
こうした特徴を活用し,「こころ」の研究を進めていきたいと思っています。
「こころ」の座は,脳にあると考えられています。ただ,臓器としての脳を目でみたとしても,人の「こころ」をみたとはいえないでしょう。生理心理学の領域でも,残念ながら「こころ」そのものを可視化することはできていませんが,「こころ」の動きの一端を見える形で示すことはできます。
そうしたデータの分析を通して,「こころ」とは何かについて考察できることが,生理心理学のおもしろさのひとつだと考えます。
大学院の時,特別支援教育の分野で生理心理学を専門とする先生との出会いがありました。意思表示が難しい子どもであっても,脳波などのデータから,「AとB,2つの音を聞き分けている」といったことを知る手がかりが得られます。障害をもつ子どもたちの認知機能や注意機能がどのような状態にあるかを,より客観的に測定・評価できれば,教育や支援を深化させることができます。
そうした想いで研究活動を進めてきました。