最新情報

人権コラム:杉田水脈衆院議員の LGBTQ に対する不当な差別発言に抗議する龍大有志の会の声明に賛同する

  • Twitterに投稿する
  • Facebookでシェアする

2018年8月7日

 私たち研究プロジェクトチームは、「性的指向と性自認の多様性を認め合う大学」を目指して、性のあり方の多様性への理解を深める啓発活動を行ってきました。
 それらの活動やアンケート調査を通して、本学における少なくない数のセクシュアルマイノリティ当事者が日常的にからかいや差別の言葉にさらされ、生きづらさを感じていることが明らかになりました。
 この度、社会的に影響力のある国会議員から、日本ではセクシュアルマイノリティが差別されてきた歴史がなく、当事者の生きづらさの解消のために「生産性」のない同性カップルに税金を投入する必要はないという趣旨のコラムが、ある雑誌に掲載されました。
 たしかに、日本では同性愛は違法ではありません。しかし、本学のアンケート調査の結果が示すように、セクシュアルマイノリティ当事者たちは偏見や差別に傷つき、生きづらさを感じているのが日本の現状なのです。そして、「生産性」という尺度で人間の価値をはかる、そのこと自体が差別(ヘイトスピーチ)であり、生きづらさを社会制度として助長するのです。
 昨日、本学の教職員有志によって、「杉田水脈衆議院議員のLGBTQに対する不当な差別発言に抗議する(アピール)」がなされました。私たち研究チームメンバー一同は、この声明に賛同し、ともに多様性を認め合う社会に向けて発信していくことを宣言し、ここに同会の了承のもと声明の全文を掲載します。

2018(平成30)年8月7日
龍谷大学2018年度人権問題研究プロジェクト
研究代表者 政策学部 吉本圭佑
共同研究者一同


-------------------------------------------------
杉田水脈衆議院議員のLGBTQに対する不当な
差別発言に抗議する(アピール)
-------------------------------------------------
 自民党の杉田水脈衆議院議員がある雑誌で、「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題して、次のような主張をしました。「例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。にもかかわらず、行政がLGBTに関する条例や要綱を発表するたびにもてはやすマスコミがいるから、政治家が人気とり政策になると勘違いしてしまうのです。」
私たちは、LGBTQなど性自認や性的指向に基づく誹謗中傷や、これら性のあり方の多様性にかかわりなく平等に権利を享受することを否定する杉田議員の主張に強く抗議します。
 私たち人間にはそれぞれ身体的性の違いがあり、また多様な性自認、性的指向があります。これらは自然なことです。しかし、長年、日本では男尊女卑の差別思想が当然かのように社会を覆い、女性は次の世代を「生産する」道具扱いをされてきました。また、性同一性に違和を感じ、あるいは同性に対して性的指向を持つ人々は異端視され、その言動はタブー視されてきました。これらの問題は、長年の当事者の訴えにより少しずつ可視化されつつありますが、未だに多くの当事者が、根強い偏見や不当な取り扱いにさらされ、尊厳を傷つけられています。今回の杉田議員の主張は、このような時代の流れに逆行して人間として平等に生きることを求め続けてきた当事者の労苦と努力を全く顧みておらず、LGBTQという特定の属性を理由に、その集団や構成員に対し誹謗中傷、社会的排除を煽動する、差別発言・ヘイトスピーチといわざるをえません。ヘイトスピーチは、特定の人たちに対する不当な扱いを許容する社会的環境を作り出す、極めて危険な言動です。いうまでもなく、日本国憲法14条は、法の下の平等を求めると同時に属性に基づく差別を禁止しているのです。
 また、杉田議員の主張は、子どもを産むことを「正しい」人間の行動と決めつけ、これを選択しない人やカップルの生き方を否定するものでもあり、「生産性」をことさらに強調して人間を評価し、税金の使い途を決めるというその発想は、障がいのある人々や、様々な理由で働くことが困難な人々に対して、国家がその生きる権利のために何もする必要がないという思想ともつながります。日本国憲法13条は「個人の尊重」を掲げています。これは、一人ひとりが自分らしく生きること自体に価値があるとするもので、個人の生は国家や他者の手段でないことを意味します。そしてそのような個人が互いに人間として尊重し合ってこそ、民主主義も成り立つのです。
 杉田議員には、国権の最高機関にある者として、自身の発言が憲法に抵触すること、そして、誰もが人間らしく生きられる社会を実現する義務が、憲法によって課されていることを再度認識するよう求めます。
 龍谷大学は、2016年に「人権に関する基本方針」を策定し、そこでは「龍谷大学および龍谷大学のすべての構成員は、教育、研究など、あらゆる機会において人権保障にかかる諸課題を明らかにし、諸活動や成果の発信を通して、人権を尊重する文化と差別のない社会づくりに貢献します」と謳っています。私たちは、龍谷大学に集う者として、今回のような差別発言に抗議するとともに、多様性を当然の前提に、個人として互いに尊重し合える社会の実現に向けて努めることを誓うものです。

2018年8月6日
龍谷大学教職員有志

呼びかけ人:
大島堅一(政策学部)、今里佳奈子(政策学部)、奥野恒久(政策学部)、
金尚均(法学部)、清水耕介(国際学部)、清水万由子(政策学部)、
只友景士(政策学部)土山希美枝(政策学部)、玉木興慈(文学部)、
妻木進吾(経営学部)、新田光子(社会学部)、濵口晶子(法学部)、
松浦さと子(政策学部)、吉本圭佑(政策学部)、中平了悟(非常勤講師)、
安食真城(宗教部)


杉田水脈衆院議員の LGBTQ に対する不当な差別発言に抗議する龍大有志の会

龍大有志の会アピール文(pdf)(ファイル形式pdf サイズ0kb)

一覧ページへ戻る >>

このページのトップへ戻る