ごあいさつ

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平成18年2月17日(金)、本学大宮図書館は、2年7ヶ月間、開館を行いながらの改修工事を終え、70年の時を経て、新たな装いのもとに21世紀の図書館として誕生することになりました。

龍谷大学は、寛永16年(西暦1639年)の学寮創建にはじまり、創立から既に360年以上が経過しています。図書館の創生もほぼ同時期と考えられており、学寮から学林へと変遷し1655年前後には、資料の収集・提供という図書館機能が展開されていたことが記録されています。1890年代後半に入ると、世界最大の公開仏教図書館を目指して大学あげてのキャンペーンが展開され、西本願寺歴代宗主の文庫である「寫字臺文庫」約3万冊が寄贈され、このことにより質・量ともにすぐれた蔵書を有するに至りました。 1908年(明治41年)には、西本願寺の信徒の寄進によって初めて独立の図書館が建設されました。現在、この建物は瀬田キャンパスに移築され、「樹心館」と名称を変え、礼拝施設として利用されています。

その後、蔵書の増加により、1936年(昭和11年)に、今回の改修前の大宮図書館が建設され、ここに近代図書館が誕生しました。1948年(昭和23年)に西本願寺宗主から大谷探検隊収集による「中央アジア西域文化資料」の寄贈をうけ、世界に誇る一大コレクションを所蔵することになりました。これらの貴重な資料を後世に伝えるため、多くの古典籍の保存と利用のあり方について検討するとともに、原資料のマイクロフィルム化、デジタルアーカイブ化を推進しています。さらに、調査・研究された資料を広く学界に提供するため、学内の諸機関と協力し『龍谷大学善本叢書』『龍谷大学大宮図書館和漢古典籍分類目録』『貴重書解題』などの形で出版するとともに、年2回の特別展を開催し、公開しています。

このように本学の創立とほぼ同じ歴史を持つ大宮図書館が、気品溢れる外観を残しつつ、充実した機能と空間を備えた図書館として改修されたことを記念し、本学図書館と姉妹友好関係を締結している中国・大連図書館の協力を得て、記念講演会、記念展観の開催や、本学所蔵の数多くある貴重資料中でも、国宝・重要文化財資料や特徴ある資料を中心に厳選した記念誌の発行等を行います。

是非、一度ご高覧くださいますようお願い致します。

2006年4月

龍谷大学学術情報センター長 松井 賢一