発行・編集
学生広報スタッフ
「倶楽部りゅうこく通信」編集部
ご意見・ご感想・お問い合わせ
  • メールマガジン登録
  • 登録内容変更・配信停止

龍谷大学

挑戦~from.Ryukoku~ vol.15 西村亮祐さん

Introduction

今回お話を伺ったのはキヤノンマシナリー株式会社に勤務の西村亮祐さん。工業高校から理工学部数理情報学科へ進学、そして電機設計への道へ就職した西村さんは、自身の経歴を変わっていると評しています。これまでの経験から何を学んできたのか、現在の仕事への思いやこれからの目標などについて、熱く語っていただきました。

入ってからが勝負だと思っていた

普段お仕事はどのようなことをされているのですか?

キヤノンマシナリー株式会社には大きく分けて三つの事業部があり、私が所属してるのはCAシステム事業部本部というところです。そこで、私は電気設計を担当しています。具体的には市場に出回るプリンタのインクやカートリッジ、デジカメのレンズなどの製造または検査する装置を設計しています。

そのような勉強は大学時代からされていたのでしょうか?

いいえ、全くそういう勉強はやっていなかったんです。高校は機械科、大学では数理情報学科、そして今は電気設計をやっているので、あまり関係性はないです。そもそも私の経歴というのが少し変わっているんです。工業高校を卒業してすぐ就職しなかったのも変わってるし、数理情報学科を卒業する人は中学・高校の先生とかSE(システムエンジニア)を目指す人が多くて、数理情報学科から電気設計を目指そう、という人はあんまりいなかったと思います。

それだといろいろ大変じゃなかったですか? 大学生活でも、就職活動でも。

そうですね。私の通っていた工業高校では数学はⅠとⅡの半分しか学ばなかったのですが、大学に入学してから最初の実力テストでは、数学のA・B・Cも数Ⅲもあって、ものすごく点数が悪かったんです。それで友達に教科書や問題集を借りて、数学のA・B・Cと数Ⅲを一年生の前期に必死に勉強して、独学で覚えました。なので、入学後の最初はすごく大変だったのを覚えています。でも大学に行かせてもらいましたし、負けず嫌いだったので、そのまま大学を辞めてしまって「やっぱりだめやったか」と思われるのが嫌で、この状況を努力して乗り切りました。『やる気』があるかどうかが大事なんだと思います。

すごいですね……。そういう経験は今でも活かされているものでしょうか?

そうですね。この経験がないまま、いきなり仕事で新しい「〇〇の装置を担当してください」と言われたら、多分もう今頃は挫折していたと思います。大学の最初の頃は本当にしんどかったので。今はプログラムの知識も多少あるので何とかなりますが、当時は何も知らないとこから始めてましたから。

あまり関係のない分野に進むとなると、就職活動の面接の時も大変ではなかったですか?

面接の時は「自分は数理情報学科なので電気のことはあまり分かりません」と言ったり、筆記試験でもあまりよい点数は取れていなかったと思います。でも「入社してからやれる自信はあります!」と、自信をもって言い切るようにはしていました。その中で、これまでの経験を自信をもって言ったのが伝わり、採用に繋がったのではないかと思っています。

その場で言い切れるってすごいですね。不安はなかったですか?

同期であればみんなスタートは一緒なので、不安はあまりなかったです。入ってからが勝負や、と思っていました。

今の状態で満足しない、それができる人。

どうして今のお仕事を希望されたのですか?

最初はSEの勉強をしていて、試験も受けましたが、全くダメで。で、どうしてかなぁ、と考えた時に、そんなにSEをやりたくないなぁっていうのが自分で分かったんです。じゃあ、何がしたい?といろいろ調べている時に、自分で設計したものが実際に動いて、それが出荷されて、多くの人に使ってもらうって面白いな、と思うようになりました。

設計のお仕事ということなのですが、設計の勉強などは今もされているのですか?

会社では若手向けの勉強会もあるし、研修もあります。技術は次々に新しいものが生まれてきているので、終わりはないです。むしろ今の状態で満足してしまったらそこで止まってしまう。中には最初からできる才能のある人もいるとは思うけど、そういう人はほんの一握りで、大体の人は努力をしていると思います。でも、努力をできる人が仕事のできる人なんだと思います。

できる人との違いですか。会社にもやはりそういう人はおられるのでしょうか?

社会人になったらすごい先輩もたくさんいますよ。あの人みたいになりたいな、という人も私の中にいて、じゃあ、その人みたいになるにはどうしたらいいのか?って考えます。私が思うその近道は『訊く』ことだと思っています。それは直接、仕事内容の答えを訊く、ということではなくて「どういう考え方をしているのですか?」とか「どうして、そのように上手くできるんですか?」といったことを本人に直接訊くようにしています。訊けることは訊いておいたほうがいいです。ただ解るのを待っているだけじゃ、結局解らないままになってしまいますから。

挑戦―今後のビジョン

西村さんが今後挑戦していきたいことは何ですか?

今、ある装置の担当をしています。まだ企画として始まったばかりなのですが、その装置の仕組みを整えて、安くて品質のいいものを届けるようにしないといけません。ハードルは高いと思いますが、担当となった以上「できませんでした」と言うのは嫌なので、新しい技術も取り入れてこの装置を軌道にのせていきたいです。そして、いつかは「西村に設計してもらったら安心や」と言ってもらえるような技術者になりたいと思っています。

最後に龍大生に向けてのメッセージをお願いします!

自分のやることなすことに全力で取り組んで欲しいです。それが勉強であっても、サークル活動であっても、遊びであっても、どんなことでもそれに全力で打ち込めるってことはすごい強みになると思います。だから何か一つでもいいからやりたいな、ということを見つけて打ち込んで欲しい。私の場合、今の仕事をやりたいな、と思ったのは就職活動を始めてからでしたし、やりたいことを見つけるタイミングって言うのは人それぞれだと思います。学生時代にやりたいことを見つけろっていうわけではありませんが、何か一つ「これに関しては誰にも負けない」というものを見つけることができたら、就職活動でも社会人になってからでも、それがきっと役に立つと思います。


【取材】
木下紗由里(経済学部2年)、長野聡司(社会学部2年)
【記事】
長野聡司(社会学部2年)

このページのトップへ戻る