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龍谷大学

挑戦~from.Ryukoku~ vol.53 斉藤 祐太さん

Introduction

「車」と一口に言っても、私たちは普段、乗用車やバス、トラックなど様々な種類の車を見かけますよね。今月はクルマ文化の発展に力を注ぐ会社、トヨタテクノクラフト株式会社にお勤めの斉藤祐太さん(2016年政策学部卒業)にお話を伺いました。

本日はお忙しい中、取材をお引き受けいただきありがとうございます。この4月からトヨタテクノクラフト株式会社にお勤めと伺いましたが、現在の仕事内容についてお教えください。

トヨタテクノクラフトは『TRD』という車のチューニングパーツを扱っていたり、モータースポーツ事業を行っていたり、救急車などの特装車両事業を受け持っているトヨタ自動車グループの一社です。私は現在研修中で、最初の2ヶ月は本社の横浜で研修を行い、今は京都の実家近くのトヨタの販売店(ディーラー)で直接お客様と接する販売のお仕事を経験しています。トヨタテクノクラフトはBtoBに近い会社なので、消費者であるお客様に近い立場である販売店に行って、直接お客様の声を聞いたり、販売店のメカニックの方、営業の方の声を聞いたりすることで自社の製品がどういった存在であるかを“知り”“考える”機会になっています。
お客様と関われるのはこの販売店研修の6月から8月のお盆までで、一度横浜へ戻った後、9月から来年の2月いっぱいまでは愛知県に行って救急車製造の研修を受けます。この製造の研修が終わったら、いよいよ配属先決定となります。

現在は販売のお仕事に携わってらっしゃるんですね。ディーラーとしてお客さんと接するうえで何か気を付けていることはありますか?

気を付けているのは、喋るのは8割お客様、自分が喋るのは2割というように「聞く」ことに重点を置くことです。「聞くこと」を多くすることで、うまく聞いてくれる店員さんはやっぱり信頼されますし、その分お客様にとって満足のいくものが提供できます。だから自分からガツガツしゃべるというよりは、「聞く」のを大切にしていますね。お客様が何を求めているかをうまく引き出して把握し、それに合ったものを提供できて、車が売れた時は自分としても喜びを感じる瞬間でした。常に『お客様第一』を心がけています。

なぜ自動車業界に就職しようと思ったのか教えてください。

結論から言うと、自分は就職活動をやっていく中で、自動車と関わる仕事がしたい!これだ!と気付いたのです。最初、自分は何がしたくて、何になりたいのか分からなかったんです。だからこそ、就職活動に後悔をしたくなくて、3年生になってすぐに就職活動を始めました。3年生の夏からインターンシップに参加し、保険や銀行などの金融業界、商社やIT、メーカーなどの大・中・小企業、様々な業界の会社を30社くらい受けて実際に20社のインターンシップに参加することが出来ました。こうして様々な会社を見て、この業界やこの会社の自分の向き不向きに気付き、最終的に自動車業界を志望しよう、トヨタテクノクラフトを受けようと考えました。だから、インターンは30社程選考を受けましたが、就職の選考は5社しか受けてないですね。

元々車がお好きだったんですか?

幼稚園の時からレーシングカートを始め、それを機にモータースポーツが大好きになりました。それがきっかけで自動車が好きになりました。今は研修期間で実際にやる仕事を経験しているわけではないのですが、不安より楽しみの方が大きいですね。自分が好きなことを仕事にできた以上、どんなに辛いことがあっても負けたくないという気持ちが強くなりますし、最後までやり遂げるという自信は誰よりも強いのではないかなと思っています。

好きなことを仕事にするって難しいですよね。何か就活の時にされた対策というのはありますか。

『自己分析』は特に力を入れました。最初は他己分析から始めました。私が行った他己分析の方法は、LINEを使って私自身がどんな人物であるかを私の周囲の300人程から意見をもらい、聞いた内容全てを、項目別にノートにまとめました。その後は自分と向き合い、「サークルを頑張りました」「代表をしました」というよりも自分がこれまでに経験した中で、どういう風に物事に取り組んできたのか、どういう風に頑張ってきたのか、『起承転結』でまとめることを心掛けていたんです。あと、1つの答えに対して、なぜそう思ったのか?そう思ったのはなぜなのか?という「なぜ?」を繰り返して自分の思いや考えを深堀りしてまとめていました。自己分析を重ねることで、エントリーシートや面接でどのような質問が来ても自分の考えがはっきりしているので、堂々と答えられました。なので予め質問に対する答えを作り覚えることは一切していませんでした。台本の通りに話すと面接官もプロですから、すぐにわかります。多少間違ったとしても自分の考えを熱心に話すことでしっかりと伝えることができるのではないかと思います。

他己分析の方法を初めて知りました!ところで、就職活動の体験を活き活きと語られる斉藤さんですが、就職活動中はどういった気持ちだったのでしょうか?

あまり苦しいと思ったことはないですね。むしろ楽しかったと思っています。たしかに、インターンシップの時期とゼミの忙しい時期が重なってしまって、昼間は企業に行って、夕方から夜に大学に戻ってきてゼミの活動をするという期間があったので、ゼミの皆に迷惑をかけて申し訳ないという気持ちは強かったのですが…。就職活動で自分自身や社会のことを知ったり、企業や他大学の人と出会うのはとてもワクワクしていました。
どれだけ多くの人と出会うかで就活のしんどさは変わってくると思います。学内にとどまらず、他大学の人と出会って得たものは大きいです。インターンシップ以外でも就職活動の情報を交換し合ったり、エントリーシートを見せ合ったり、面接の練習をしたり、先輩を紹介してもらったりと、とても勉強になりました。就職活動の中で出会った人たちとの交流は今でも続いています。
人の縁って大切ですね。不安も多いと思いますが、就職活動は今しかできないことなのでぜひ楽しみながら、実りある経験にしてもらいたいです。

最後に齋藤さんが今後挑戦したいことについて教えてください。

若者の車離れや少子高齢化が進んできている中で、「もっといいクルマづくりをしてクルマファンを増やす」というトヨタ自動車の目標です。トヨタテクノクラフトはモータースポーツに力を入れている会社なので、自分もここでモータースポーツを通して「クルマファンづくり」をしていくことができたらいいなぁと思っています。これが入社した時からの目標です。
ただ、たくさんの部署がある会社なので、特装車両の部署に行くかもしれないですし、希望のモータースポーツの部署に行けるかもわかりません。会社にいる以上希望の部署に行けないこともありますので、その配属された部署によって目標は変わってくると思います。けれど、どのような部署に配属されたとしても、与えられた仕事を一生懸命打ち込んで、最終的にはモータースポーツを通して「クルマファンづくり」ができる仕事ができたらと考えています。最後になりますが後輩の皆さんには後悔のない満足のいく就職活動をしてもらいたいですね。そして自分の夢や目標を達成できるようにお互い頑張っていきましょう。


【取材・記事】
石川 沙希(社会学部3年)

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