現在のお仕事の内容を教えて下さい。
現在は、大阪府にある高槻市役所で、福祉関係の部署で勤務しています。当部署では、高齢者や障がい者など、災害が発生した際に自力で避難することが難しく、手助けを必要とする方(要援護者)を地域で助ける仕組みをつくる災害時要援護者支援事業や民生委員児童委員に関する業務、地域福祉に係る施策の企画などを担当しています。
お仕事中に最もやり甲斐を感じることは何ですか。
やはり、市民の方から感謝の言葉をいただいた時です。日頃、市役所に用事がない方がほとんどですので、馴染みがない手続きは難しく感じられる方もいらっしゃいます。なので、行政的な用語をいかに伝わりやすい形で伝えるかを考え、それが上手く伝わった時は、少しお力になれたのかなと感じます。
公務員を目指し始めたきっかけを教えて下さい。

今も自分のやりたいことが見つからなくて就活に悩んでいる学生さんがいらっしゃるかとは思いますが、実は私もその一人でした。そこで、「逆に色んな分野に携われる仕事ってないのかな?」ということを考えた結果、公務員、ひいては市職員を目指すきっかけになりました。
公務員試験対策の勉強、試験の本番で印象深い出来事があれば教えて下さい。
大学の公務員試験の対策講座を取っていたのですが、そこでのグループディスカッションの授業が一番印象に残っています。その授業でご一緒させていただいた方で、意見の発し方や場のまとめ方が非常に上手な方がいて、場の全員があまりの手際の良さに感動していたことです。私は人に話しかけるのは苦手だったのですが、授業終了後すぐに、その方に声を掛け、授業の振り返りを一緒にさせてもらいました。それをきっかけに、その方とは、今でも友人として関係が続いております。
学生の間に最も力を入れたことは何ですか。
色んな人に出会い、話し、様々な考え方や物事の捉え方に触れ、考え方や物事の捉え方の幅や視点を増やすことです。自分の友人と何気ない話をする時でも、自分一人では気付けなかったことを多々見つけることができました。特に社会人の方とお話しをする機会があった時には、学生の自分と社会人との考え方や捉え方の違いがどこにあるのかについて考えるようにしていました。
三科さんが考える、学生と社会人の違いは何ですか。

責任の範囲が変わるというのが学生と社会人の大きな違いではないでしょうか。身近な例で言うと、ニュースで企業の責任者が出てきて謝罪会見を目にしたことがあると思います。しかし、実際には、一部の従業員が悪いことをしただけ、というケースも少なくないはずです。つまり、悪いのは個人または一部の人間なのに、個人だけに止まらず、上司や会社全体にも影響を及ぼす危険性が十分にあります。そこに、学生と社会人の大きな違いがあると思います。
現在も公務員を目指す学生は多いかと思います。実際に市役所に勤められて、そのことについて感じることはありますか。
「公務員=民間より楽」という風潮がありますが、実際にはそんなことはありません。皆さんが思っている以上に民間企業並みに残業されている職員はいらっしゃいます。自分のやりたいことが見つかっていると理想的ではありますが、なかなか難しいかもしれません。しかし、ただ単にネットでの情報を鵜呑みにしているだけでは、自分が思っていたものとは、違う結果になるかもしれません。
今後の目標を教えて下さい。
今後も市民の方に安心と信頼をいただけるように、業務理解を深めていきたいと思います。
龍谷大学の在学生に一言メッセージをお願いします。
「体調に出るくらい物事が辛くなったら、休むこと」がお伝えしたいことです。多少の無理をする必要がこれから先あるかとは思いますが、体調に出てしまうくらい辛い時は、一度無理するのを止めることを考えてください。たしかに、頑張ることは素晴らしいことですが、ご自身が健康に生活できる土台があるからこそ、その上に就活や仕事が成り立つことを忘れないでください。