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挑戦~from.Ryukoku~ vol.80 矢野 凌祐さん

Introduction

多様な人々が集まり交流することで、新たな発見があり、絆が育まれます。今回は京都信用金庫に勤務されている矢野 凌祐様(政策学部政策学科 2016年3月卒業)に、現在の仕事内容について、そして地域課題解決のために奮闘した学生生活についてのお話をお伺いしました。

まず初めにお仕事内容について教えてください。

複数の部署の異動を経て、広く色々なことに関わらせて頂いています。入社してから一年半の間はくらしのアドバイザーとして窓口での接客や事務を担当させて頂きました。それから半年間は融資の仕事を務めました。営業では、お客さまよりお預かりしてきた契約書類に基づいた融資案件の入出金業務や、融資関係の用件で窓口にご来店されたお客様への応対などをしていました。そして今年の4月からは個人金融という個人のお客様の預金や保険・投資信託をはじめとして、資産の形成や運用に関するアドバイスをさせて頂く営業の仕事を担当し、今年の10月からは人事部に配属になりました。

人事部ではどのようなお仕事をされていますか。

現在は、職員の人間力の向上を目的として、希望者が参加できる公募研修制度というものがあり、そちらの運営を担当しています。例えば、ヤングアドベンチャーという企画があり、内容としては会社が費用を援助して、職員が国内外問わず行きたい場所に自由なテーマで、最大1ヶ月までの期間で研修する制度です。様々な価値観を学ぶために、アメリカに訪れて文化に触れながらアメリカを縦断するという企画や、過去にはスペインで本場のフラメンコを勉強するというものもありました。他には『青年重役会』制度では若手の職員が本来ならば役員だけが参加する会議などに出席したり、企業訪問を行うことで、経営的な視点を身につけ、最終的には金庫に対して提言をすることを通し職員の成長や働きやすい職場づくりを目指すという研修の企画・運営なども行なっています。

学生時代の学内での活動について教えてください。

ゼミにおいてはゼミ長を務めながら様々なプロジェクトを行い、一年ごとに開催される討論会で優勝することを目指していました。そのときは内閣府に登録されている1,000を越える京都府のNPO法人の全数調査を行い、年間での収入と支出などお金に関する記録がされている財務諸表をすべてデータ入力して、そこから様々な数字の平均値などの情報の定量分析とヒアリングでの定性分析をしました。そして設立してからの期間の長さと寄付金や行政からの補助金の多寡が比例しているという現状を明らかにしました。さらに、NPO法人の事業内容などを調査して、実は社会的価値が高い法人に、設立してからの期間が短いことを理由に補助金が分配されにくい(活動期間や申請書の書き方が重視される)という問題を発見し、そこに対する改善策を提言しました。
このように、当たり前とされていることに疑問を持ち、何らかの仮説を立てて物事に取り組むという習慣が、意識はしていませんが現在の仕事に生きているかもしれません。

学外においては何か活動はされていましたか。

4年生のときに大学コンソーシアム京都という大学連携団体が主催する大会で、政策学部の異なるゼミのメンバーを集めて「防災から考えるレジリエンス(復元力)な地域エコシステム」をテーマに発表をしました。あとは同じ時期に伏見いきいき市民活動センターという地域課題の解決のために活動する公共施設でアルバイトとして働く傍らで、伏見の地域の行政データを使い、その地域の特徴を視覚的に分かりやすくするためのビジュアルデータを作成していました。最終的には「マチノモト」という冊子にまとめ上げることを目標としていて、デザイナーの方に依頼を出した段階で私が就職し、卒業後に後輩に引き継いでから冊子が完成しました。

4年生というと就職活動などで忙しくなる時期だと思うのですが、どのようにして学外での活動を充実させていましたか。

ゼミに入ってから、勉強の成果が形として残ったり、社会に還元できるという実感が湧いたことから、勉強におもしろさを見出せるようになり、学生としていられる時間を貴重に使いたかったので、就職活動は活発に行うというよりかは、ポイントを押さえて臨みました。

在学生に向けてメッセージをお願いします。

私が学生時代の経験で現在にも役立っていると思うのは、社会人の方々と多く接していたことです。知識以外の、学校では教われないような社会人としての常識や感覚、コミュニケーション力が多くの社会人の方々と交流することで身に付きました。ですから、大学で知識を得ながら、社会の現場で知恵や感性を学ぶために、社会と接するような機会を自分から設けていくことが大事だと思います。また、これからは先が読めない時代になります。当たり前とされていることも一度疑って、「どうして、何のために」「本当にそれでいいのか」と問い直すということが重要になると思います。自分の感性を大切にしながら考え、自分の生き方を模索し、みんなで挑戦していきましょう。

【取材】
齊尾 郁昭(法学部2年生)、北村 謙一朗 (文学部2年生)
【記事】
齊尾 郁昭 (法学部2年生)

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