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龍谷大学

HOPE!~龍大生なう。~ vol.46 佐々木 悠人さん  吉川 亜希さん

Introduction

お正月にかるたで遊んだ思い出をお持ちの方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回お話を伺ったのは、龍谷大学競技かるた同好会あらかるたの佐々木悠人さん(政策学部2年)と吉川亜希さん(文学部2年)です。知られざる百人一首の世界を覗かせていただきました!

―早速ですが、あらかるたさんの普段の活動について教えてください。

吉川:週に2~3回、試合形式で競技かるたの練習をしています。大会は、大体月に1回行われていて、この辺りだと京都や大阪、奈良や兵庫でも開かれています。大会出場は強制でなく、部員それぞれが予定に合わせて出場する大会を決め、練習を行っています。

佐々木:今一番近い大会は1月10日、11日に滋賀県の近江神宮で行われる高松宮杯です。最近は、この大会に向けて練習に取り組む部員が多いです。(取材は2015年12月中旬に行いました。)
練習以外の時間は、みんなでワイワイやっていますね(笑)。普段の活動以外にも合宿やボランティアなども行っています。

関西のかるた部は活動熱心です。関西の大学のかるた部が集まった「関西大学かるた連盟」というものがあるのですが、龍谷大学も加盟していて、そこで他大学との交流も盛んに行っています!

―楽しそうな雰囲気の中で、大会に向けて頑張っているんですね。試合中、集中力を消耗すると思うのですが、みなさんどうやって戦っているのでしょうか?

佐々木:そうですね…。大会は朝9時から始まり、勝ち進んでいくと夜の7時~8時くらいに終わるので1試合ごとに頭の切り替えが大切になってきます。というのも、試合前に札の配置を覚える時間が15分あるのですが、決まり字(百人一首で、ある特定のところまで読まれたら下の句の札が取れる部分)の変化があったり、札を送ったりと一番最初に暗記したものから変化が生じてくるんです。前の試合の暗記と今の試合の暗記ががごちゃごちゃしてきたら大変です。自分は、毎試合ごとにバナナを食べて、エネルギー補給しながら試合に挑んでます(笑)。

吉川:1回勝ったら次、1回勝ったら次、と大会では切り替えの連続なんです。聞いた話によると、大会1日で2㎏痩せる人もいるとかいないとか…。でも、頭脳戦あり、暗記戦あり、もちろん札を払う強さのパワー戦もありなところが試合の醍醐味なんじゃないかなと思います。

―かるたって奥が深いですね。ところで、お2人がかるたを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

佐々木:『ちはやふる』、ですね。僕は。漫画の影響で大学から始めました。

吉川:私も『ちはやふる』なんですけど、母親の存在も大きいです。母が100首全部覚えていて、小学生の頃から私がかるたに興味を持つようにいろんな工夫をしてかるたの面白さを教えてくれたんです。それ以来ずっと百人一首が好きで、大学では競技かるたをやろうと決めていました。ちなみに、私が文学部の日本史学科に入ったのも、かるたに出会って歴史が好きになったことの影響が強いんですよ。

―そうだったんですね。それではかるたの魅力について教えてください。

佐々木吉川:とにかくいろんな楽しみ方ができるところです。
真剣勝負をしてみたい人は、大会で力を試すことができます。自分との戦いに勝って、相手にも勝てると本当に嬉しいですよ。あと、大会では小学生から大人まで幅広い年代の人とも当たったり、練習でも他大学の人との交流が多いので、かるたを通して人とのつながりが広がるのは素敵なことだと思っています。
また、大学入学時に初心者でも1年練習してB級(A~Eの級がある)まで駆け上がる人もいます。他、とにかく練習を熱心にやったり、かるたを通して出会った人たちとお話したりと、試合以外の部分でも充実した時間を過ごしている人もいます。「あらかるた」でかるたをやっていると、ほんとに漫画の『ちはやふる』の世界を味わっているかのような気持ちにもなりますよ。

―かるたで人がつながるっていいですね。あらかるたで活動していて一番思い出に残っていることは何ですか?

佐々木:1つとなると難しいですね(笑)かるたをやっている時も楽しいですし、他大学とかるたで交流できるのも楽しいですし、試合に勝てた時も楽しいですし…。あらかるたでのエピソードは本当に選べないです!

吉川:私の場合は…。かるたは基本個人競技なのですが、団体競技もあるんです。だから、1人で勝つのも、もちろん楽しいんですけど、みんなで力を合わせて勝ち取った勝利というのも嬉しいんですよね。全国職域学生かるた大会で3位入賞した時はとても嬉しかったです!

―個人戦が多いけれども、思い出はたくさんの人と紡がれているのが素敵ですね。良ければ、お2人の好きな歌を教えていただけますか?

佐々木:すごく悩みますが…。『小倉山峰のもみぢ葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ』(訳:小倉山の峰の紅葉よ、もしお前に情趣を解する心があるなら、もう一度あるはずの行幸を散らないで待っていてほしい)ですね。意味、というよりフィーリングですが。

吉川:フィーリングで好きな歌もあります。私は、『こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ』(訳:待っても来ない恋人を待つ私は、松帆の浦の夕なぎ時に焼く、藻塩が火に焦がれるように身も焦がれているよ)です。平安時代の女の人は男の人を待つことしかできないのですが、男の人が女の人の立場になって句を読んでいるのが素敵だな、って思って。

佐々木:吉川さんはこれを取られると不機嫌になるんですよ。

吉川:全部好きなんですけどね、やっぱり特に好きな札を取られると悔しくなるんです。

―それでは最後に、今後の目標について教えてください。

佐々木:サークルとしては、今後大会での入賞を増やして、個人の級を上げていきたいです。あとは全国の大学生が集まる大学選手権大会で、団体戦で勝ち上がることを目標にしています。

吉川:大学生にとっては大学選手権が一年で一番大事な大会なんです。この大会に照準を合わせて頑張っていきたいです。


【取材】
石川沙希(社会学部2年)
【記事】
石川沙希(社会学部2年)

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