龍谷大学は、浄土真宗の精神(親鸞精神)という不易の建学の精神を基盤とし、「進取」の精神によって時代の要請に応え、 新しい知の創造と人間の育成に取り組み、その社会的使命をはたしてきた長い歴史と伝統を有しています。ここに本学の独自性があり、 その上に縁起思想に基づく仏教的な「共生」を理念として、新しい龍谷大学像を築き上げることをめざしています。
私は、学生一人ひとりが自らの人間形成と自己実現の要求に基づいて成長していくこと、同時に今日の世界が直面している諸問題の解決に能動的にかかわり真に持続可能な世界(共生世界)の実現に参画しうる主体として成長し自立していくことを援助することが大学の使命と して重要であると考えています。
本学を構成しているすべての人々が、互いに心を通わせ、学びあい育ちあいながら、現代世界に呼応し響きあう教学を展開し、すべてのいのちが輝く世界の実現に寄与する大学づくりを共に推進していくことを希求して、「進取と共生、世界に響きあう龍谷大学」を第5次長期計 画のスローガンとして定めました。
少子化の到来によって、これからの大学は厳しい経営環境に置かれることが予想されます。
このような状況を踏まえ、龍谷大学は今まで以上に、大学本来の目的である「教育」を重視した政策を展開していきます。同時に、本学独自の魅力や特徴を明確に打ち出し、積極的に外部へ発信していく必要があると考えています。
このために大学の運営体制を改革し、より一層自律的な大学となることをめざすとともに、一人ひとりの構成員がこの自覚を持って、大学改革に取り組んでいきます。
大宮、深草、瀬田の各キャンパスの成り立ち、機能、既存の教学資源、地域性などに基づいて各キャンパスの強みや特色を明快に打ち出すキャンパス・コンセプトを策定し、キャンパスごとのアイデンティティを明確にしていきます。そして各キャンパスの機能や地域性、外部環境の趨勢に基づいて、キャンパスごとの魅力を最大限に活かせる学部配置を再検討します。
この過程を経て個々の魅力を持つ3キャンパスが有機的に繋がることにより、龍谷大学が総合大学としてこれまで以上の魅力を発信できるように努めます。