龍谷 2007 No.64

青春クローズアップ 『クロス*アール』誕生!キャンパスを駆ける学生広報スタッフたち

龍谷大学広報では、この4月から『クロス*アール』というB6サイズのフリーペーパーを発行している。その制作にあたっているのは、編集長を除けば、すべてが龍谷大学の学生広報スタッフたち。キャンパスを駆け巡り、ホットな情報を発信する学生編集者4人に、『クロス*アール』の発行目的や、日々の活動などについて語ってもらった。


学生の視点から大学の情報を発信

クロス*アール
『クロス*アール』は、〈学生の視点から、学生に向けて大学の情報を発信する〉という、まったく新しいタイプの情報誌。『クロス*アール』というネーミングの「アール」は龍谷の頭文字のアール。そして「クロス」には、「みんなの気持ちが交わる情報誌」というショルダータイトルどおり、学生、教員、職員など、龍谷大学に所属するすべての人々の気持ちが交流する情報を発信したいという想いを込めている。
 学生広報スタッフは総勢22人(8月末現在)。4月に創刊準備号を立ち上げ、5月に創刊号、7月にvol.2を発行した。メインの配布先は学食。気軽に手に取ってもらえるよう、各テーブルに専用のBOXを用意した。図書館にも設置し、最新号の発行時には「1人でも多くの学生に読んでもらいたい」と、手配りをする。
 この活動に参加した理由は、「マスコミや広告に興味があり、大学のことも知ることができるから」「学年、学部、キャンパスのボーダーを超えて、いろいろな人と知り合いたかった」「学生のうちからジャーナリズムにかかわれるチャンスだと思った」などなど。動機は様々だが、一様に言葉が熱い。

「世代の違う大人と話すことは素晴らしいことだと、気がつきました」。

星井あゆみさん 星井あゆみさん 
経営学部経営学科2年生(長野県立塩尻志学館高校出身)

「『クロス*アール』に興味を持ってもらうにはデザインも重要。見せ方についても勉強したい」
徳本 貴士さん  徳本 貴士さん 
社会学部コミュニティマネジメント学科3年生(滋賀県立玉川高校出身)

「龍大に在籍していながら知らないことがいっぱいある。それをもっと知らせ、愛校心が盛り上がっていったらうれしい」

林 美緒さん  林 美緒さん 
文学部日本語日本文学科4年生(三重県立伊勢高校出身)

「相手が何を欲しがっているかを知らなければ、自己満足に過ぎない。読む人に楽しんでもらえるという基本が大事」
青木明日香さん  青木明日香さん 
社会学部コミュニティマネジメント学科2年生(愛媛・済美高校出身)

「書くことが好きなんだと再認識した。人の心を動かすような文章が書けるようになりたい」


未知の分野への挑戦は悪戦苦闘の連続

 学生広報スタッフの活動はミーティングから始まる。学長室(企画・広報)からの情報やスタッフからの企画を持ち寄り、納得するまで議論を重ねる。企画が決まり、記事を受け持ったら、取材も写真撮影も原稿づくりも1人でする。何もかもが初めての経験。そんななかで完成させた創刊号の感想を聞くと、「印刷会社は、さすがプロやなぁ」と、テレ笑い。自分たちで作った原稿の仕上がりは、予想以上だったそう。反省点もあるが、やればできるという自信も少しついた。
 これまでの感想を聞くと、
「年4回の情報誌だから余裕だと思っていたのに、ずっと関わっている感じ。想像していたより大変でした」(星井さん)
「予備知識がないまま取材に行ったら、専門用語がバンバン出てきて、?マークがいっぱい。事前の下調べの重要性を痛感しました」(徳本さん)
「アンケートを取ろうとしたけれど、『クロス*アール』を知らない人が多くて、友人に頼み込んでいる状態。もっと認知度を上げなければ」(林さん)
「1時間以上かけて取材してきた膨大な情報を、1000文字くらいにまとめることに四苦八苦。書き直しては友人に見てもらったりしています」(青木さん)
 そんな悪戦苦闘を重ねながら、現在は、10月発行予定のVol.3に向けての取り組みを進行中。「まだまだ手探りの状態」と言いつつ、回を重ねるごとに充実させていきたいと意気込む。

ポーズを要請すると自然と手をつなぎ、円ができあがる
ポーズを要請すると自然と手をつなぎ、円ができあがる
活発に意見が飛び交う編集企画会議
活発に意見が飛び交う編集企画会議


世代を超えた交流に感激。末永く大切に育てたい

 苦労している分、得られるものも大きい。教員や職員、学食の店長など年齢の離れた相手と交わした言葉から、人生のヒントを得ることもしばしばだ。
「就職で悩んでいたけれど、もっと大らかに考えてもいいんじゃないかと思えるようになった」と徳本さん。それにうなずきながら、星井さんも、「世代の違う大人と話すことは素晴らしいことだと、気がつきました」。
「この活動によっていろいろな方と知り合え、感覚的なところで大学が広くなったし、視野も広がった」と話すのは青木さん。また林さんは、「編集会議をスムーズに進めるには、自分の意見を積極的に出さなければならない。人とコミュニケーションをとるという良い訓練になっています」と、スタッフ同士の交流の成果を明かしてくれた。
 だからこそ、『クロス*アール』を大切に育てていきたい。それが彼らの目下の夢。
 その熱意は話しぶりだけでなく、『クロス*アール』の誌面からも読み取ることができる。まだ、読んだことのない人は、ぜひ手にとって読んでみてほしい。そして、スタッフとして、協力者として、あるいは読者としてなど、何らかの形で彼らとアクセスしてほしい。
 ケータイ、パソコンでしか話ができない若者が増えているといわれる時代、『クロス*アール』への期待は小さくない。新しいコミュニケーションの形として、多くの学生たちに愛され、ここから新しい龍谷大学の文化が生まれ、育っていってくれればと願っている。

創刊準備号と創刊号Vol.1・2
インターネットからも見られる。
冊子では紹介しきれなかった情報もカバーしている。
http://www.ryukoku.ac.jp/xr/index.html


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