広報誌「龍谷」

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逆境を乗り越える

女優

サヘル・ローズ

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龍谷大学学長

入澤 崇

「サヘルさんがTVで語った『おかあさんを愛している』という言葉を聞いて涙が出た。日本語の“おかあさん”という言葉がこんなに美しいと思ったのは初めて。サヘルさんが語るおかあさんには特別な想いを感じました」と卒業生から聞いていた入澤学長は、サヘル・ローズさんとの対談を心待ちにしていた。

サヘル:私はいつ生まれたのか、本名さえもわかりません。誕生日は養子縁組が成立した日。名前も養母がつけてくれました。サヘル・ローズ(沙漠に咲くバラ)。どんな状態でも一輪のバラのように咲いてほしいと願いを込めて。私が苦しくて自殺を考えたとき、おかあさんが「いっしょに死のう」って言ってくれました。その瞬間にやっと本当の親子になれたんだと感じました。ここまで言える人ってすごいなぁって。

入澤:人は相手から存在が認められたときに、はじめて生きててよかったと思えるんですね。サヘルさんがおこなっている孤児院や虐待を受けていた子どもたちへの支援活動は幼少期の体験が礎になっているのでしょうね。

サヘル:そうですね。これまでの経験があったからですが、向き合うまでには時間がかかりました。でも、経験した痛みって無駄にはならないから、隠す必要はまったくなくて、痛みを気づいてもらえれば人って救われるんですよ。痛みというのは共有すれば相手を癒やす効果もあるんです。だから私がみんなに言うのは「がんばらなくていいんだよ、背伸びをするのはしんどいことなんだよ」って。それから若い方は、自分探しをする人ってたくさんいると思うんですが、自分を探さなくていいんですよ。自分探しではなく、経験することで成長、自分自身を肉付けしていくことが大切だから。失敗をする年齢かもしれない、でも失敗は自分の頭のなかで成長という言葉に切り替えると、新しい景色が見えてきます。そのための寄り道は決して無駄じゃない。いろんな発見ができるはずだから。

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オリジナル白味噌の開発で農の未来を考えるきっかけに

オリジナル白味噌の
開発で農の未来を
考えるきっかけに

農学部

大門 弘幸 教授

厳選素材を贅沢につかった極上白味噌

2020年12月13日、年の瀬の買い物客でにぎわう大津市の商業施設フォレオ大津一里山に、ひときわ多くの人だかりができた。お客さんのお目当ては、農学部オリジナル『懐石仕立ての極上白味噌』。この日3時間で100袋を完売。新聞やマスコミからも取材を受け、大きな話題となった。

この白味噌は、農学部による『持続的な食循環プロジェクト』として、農学部生と実習農場を提供していただいている農事組合法人ふぁーむ牧(大津市)が収穫した米と大豆を原料に、京都を代表する老舗味噌店・株式会社石野味噌が製造したものである。このプロジェクトを仕掛けたのが、大門弘幸教授。マメ類の専門家であり、長年根粒菌との共生窒素固定などを活用した作付体系の研究をしている。

「本学保護者会の役員を務められている石野味噌の9代目石野元彦社長とお会いする機会があり、同じ大豆を扱う者同士、何かともにできないかとなりました。実習農場で栽培・収穫した作物を付加価値のある商品に加工し、販売する方法を学ぶ事例として、学生たちの手がけた大豆で味噌を作りたいとお話すると、石野社長から『それならば京都発祥の食文化である白味噌にしてみてはどうか』とご提案をいただき、白味噌プロジェクトがスタートしました。商品をお披露目したのが年末というタイミングもあり大成功でした。関西のお正月といえば白味噌のお雑煮ですからね」

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第一線の研究者が続々登場 グローバルなオンライン授業が実現 清水 耕介 教授

第一線の研究者が続々登場
グローバルなオンライン授業が実現

国際学部

清水 耕介 教授

海の向こうの研究者たちが授業を展開

「“一流”に触れた時、人は成長する」。それは、一流の人やモノの視点を借りることで、これまで見えていなかった世界が見えてくるからだ。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、留学が必須であるはずのグローバルスタディーズ学科の学生たちも、渡航することを断念しなければならなかった。このような環境下ではじまった「オンライン授業」。コロナ禍で必要に迫られたオンライン授業で、通常ではありえない一流の授業を実現させ、学生たちにグローバルな叡智に出会う機会を創り出したのが国際学部グローバルスタディーズ学科の清水耕介教授である。

「この数年、国際学会の招致がとても多く、特に一昨年ガラパゴスでおこなわれた学会では世界の研究者たちと寝食をともにし、パブで語り合ったりしてずいぶん仲良くなりました。そんななか昨年3月に新型コロナウイルスが流行し、ハワイの学会が中止に。代わりに初めてZoomを使って学会をしてみるととても面白くて『これは使えるな』と思ったのです。そこで前期、対面授業ができないと決まってすぐ、親しくなった研究者たちに『オンライン授業にゲストで出れない?』とメッセージを送ると、みんなすぐに了承してくれました。全員が国際関係の関係性理論という分野のトップレベルの研究者たちですが、みんな快く引き受けてくれました。講師料の代わりに私も相手先の授業に出ることを条件に。これほどの世界の研究者が揃う一流の授業を連続して受けられるなんて日本でも龍谷大学だけではないでしょうか」

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広報誌「龍谷」2021 No.91 最新号

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