広報誌「龍谷」2022 No.94

命も守る「知識は力なり」 京都大学名誉教授・京都大学レジリエンス 実践ユニット特任教授 鎌田 浩毅 × 龍谷大学学長 入澤 崇

People, Unlimited

命も守る「知識は力なり」

京都大学名誉教授・
京都大学レジリエンス 実践ユニット特任教授

鎌田 浩毅

×


龍谷大学学長

入澤 崇

火山学、地球科学の学者として、南海トラフ巨大地震など自然災害に警鐘を鳴らす鎌田浩毅先生。仏教にも造詣が深く、入澤学長とも親交があったことから対談が実現した。

入澤:鎌田先生は、2021年3月に24年間教壇に立たれていた京都大学を定年退官されました。89万回以上も再生されている「京大最終講義」の動画も拝見いたしましたが、私は以前から、派手なファッションに身を包み、大学のみならず、メディアや全国行脚の“辻説法”で災害から命を守る術(すべ)を伝える「科学の伝道師」としての鎌田先生の姿に、一休さん(一休宗純)を照らし合わせていました。

鎌田:確かに学者でありながら広く市民に語りかける姿は一休さんになぞらえているかもしれません。彼の書を読むと知性と情熱を備え、当時の仏教界や社会を変えるべく意見し、広く人々に説法していますから。

入澤:では、巨大地震や火山噴火という超想定外の事態に、私たちはどう生きていくべきでしょうか。

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Education, Unlimited

農学部と先端理工学部が協働 「アグリDX 人材育成」を開始

農学部と先端理工学部が協働
「アグリDX 人材育成」を開始

農学部長

大門 弘幸 教授

先端理工学部長

外村 佳伸 教授

地球規模の課題解決に向けて

龍谷大学では、2022年度から、農学部と先端理工学部の連携・協働による、低炭素社会を実現するデジタルマインド・スキルを持った「アグリDX人材」の育成をスタート。これは文部科学省の大学改革推進等補助金(デジタル活用高度専門人材育成事業)「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」の採択を受けた取り組みである。

「事業の話を聞いた瞬間、実現できるのは私たち農学部と、情報科学進展の最先端である先端理工学部を有す、龍谷大学瀬田キャンパスしかないと思いました。農学部は2015年の創設以来、農作物の生産・加工・流通・消費・再生という『食の循環』を学び、日々の食卓から地域、地球規模での食と農を担う人材を育成しています。そのなかで、デジタル技術は就農者の高齢化、労働力不足、脱炭素化といった昨今の農業の課題解決に不可欠。農学部の実習農場である牧農場や各研究室では、多様なデータ採取・活用がなされています。より効率的かつ実用性に優れたデータの採取と新たな活用の方法や、それらを依然としてアナログ作業が主流の農業現場にどう還元していくのか。農業のDX化について常日頃から先端理工学部長の外村佳伸教授に進言を求めていたことも両学部の協働に結びつきました」と語る大門教授。一方、外村教授も今後の情報科学について課題を抱いていた。

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Connect, Unlimited

なにげない一瞬一瞬の幸せを大切に

なにげない一瞬一瞬の幸せを大切に

キーウ大学 交換留学生

ロクソラーナ・オレクシューク
さん

グローバルサポーター代表(文学部4年生)

山田 優菜 さん

龍谷大学は創立400周年を迎える2039年を見据えた長期計画(基本構想400)において仏教SDGsを掲げ、誰一人取り残さない取り組みを推進している。このことから、ロシアによるウクライナ侵攻で影響を受けている学生を早急かつ積極的に受け入れ、オール龍谷で支援することを開始した。第一段階として、2022年前期に交換留学生として受け入れたのが、本学が学生交換協定を締結しているキーウ大学(キエフ)のロクソラーナ・オレクシュークさん。彼女の今について、留学生などを支援する学生団体「グローバルサポーター(通称グロサポ)」の山田優菜さんと語り合った。

山田:初めて会ったのは、2021年私たちグロサポが開催したオンラインイベントでしたね。それから来日された時の歓迎会でご挨拶させていただいたり、一緒に食事したり、取材撮影で一緒になったり、会うのは4~5回目ぐらいかな。これからもっと交流を深めていきたいなと思っています。

ロクソラーナ:1年前の留学予定が新型コロナウイルスの流行で延期になり、龍谷大学とはオンラインで交流していました。幼い頃の隣人が日本人だったことから日本に興味を持ち、ウクライナで日本語を学び始めました。より日本語に満ちた環境で勉強したいと思っていたところ、在学していたキーウ大学での選択授業の先輩で京都に行った人がいて、日本への留学に興味がわきました。龍谷大学は京都にあるし、Webサイトで様子を見てみると、キャンパスがとてもきれいだった。そして私の一番好きな赤色がブランドカラーでもあったし、ここに行きたいって。

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