高須光聖さん

校友クローズアップ

考えるのが僕の"癖"
原点は面白くて笑える番組

放送作家

高須 光聖さん

(1988年 経済学部卒業)

校友会報88号(2019年3月発行)より

「学生時代の思い出ですか? 3年を終えた春休みに、2ヶ月間インドへ放浪の旅に出たこと。その頃、大阪市中津のカンテグランデという喫茶店でバイトをしていて、ここには大阪のけったいな奴ばかり集まっていました。このバイトの後輩の一人が、ウルフルズのボーカル・トータス松本(敦)君でした。そこの店長が、インドはいいよとすすめてくれたのです。
龍大では体育の受講日数を補うため、神宮球場に野球の応援に出かけましたね。深草から大学のチャーターバスで東京に向かい、築地本願寺の宿舎に泊まって神宮へ。野球の応援はほどほどに、さあ東京見物やとみんなで繰り出した(笑)。ほんとに楽しい思い出です。」

レギュラー10数本

大学卒業後、ひょんなきっかけから、尼崎での遊び仲間だったダウンタウンの松本人志さんに、一緒に仕事をしないかと誘われ、お笑いの台本を書くようになった高須さん。以来、30年間で約300本の番組を作ることになる。

「当時、テレビの仕事なんて、そう何年もできるとは思っていなかった。でも今も10数本のレギュラー番組をいただいて、脚本を書かせてもらっています。」

では、いったい番組はどのように作られているのか。

「まず、企画の種を探します。例えばポストのチラシ、23区内で徹底的にリサーチし中身を調査。渋谷区は風俗、世田谷区は浮気調査、目黒区は廃品回収、高層ビルはなんと携帯パラシュートのチラシがあったりするので、23区内クイズ番組を作ろうと提案。
次に、その種を番組のプロデューサーやディレクターと話し合い、それを僕が台本にする、そういう手順です。」

今、高須さんは「プロフェッショナル仕事の流儀」、「NHKスペシャル」という、NHKの番組も手がける。

「最近はドキュメンタリーも増えてきましたが、年末の-笑ってはいけないシリーズ-などのバカバカしく、いかに面白く笑えるバラエティー番組を作るかというのが、あくまでも僕の基本スタンスです。」

アプリで特許を取得

テレビ以外の分野でも活躍する。地域創生に関する仕事や、削減のためのCOOL CHOICE推進チーム(環境省)に参加し、ヤフーやアマゾン、グーグルの番組も担当している。

「最近、特許を取得したのです。“メッセージアプリ〟というもので、例えば、仮に僕が誰かの記念日に合わせてメールやメッセージを送りますね。するとすぐに見られなくて、大切な記念日まで数字がカウントダウンされていき、それがゼロになったら見られるというもの。時間はもちろんのこと、距離、高さ、温度、明暗、スピードなどなど設定した条件を満たさないと見られないというカウントダウンメッセージアプリ。今、このアプリを商品化するために、大手広告代理店のスタッフや若いエンジニアたちと共に、検討している最中です。」

はじめに企画ありき

"人気放送作家" の高須さんに、なぜ次々と面白くてユニークな企画を産み出すことができるのかと、たずねてみた。

「特別なことは何もしていません。面白い企画を考えるのが、僕の癖なのでしょうね。時間が少しでも余ると、みんなが見過ごしてきたものはないか、もっとブラッシュアップすればよくなるのではないかと、常に考えてしまうのです。
仕事のことを一切忘れて、ゆっくり湯につかろうと箱根に行っても、なんで箱根って「箱」「根」って地名になったんだ?とか、湯に浸かってピタッと温度を当てるまで露天風呂をめぐり続けなければいけない企画って面白いかな?とか、すぐ考えちゃう。“癖〟だとしか言えませんね(笑)。」

高須 光聖(たかす・みつよし)

63年、兵庫県尼崎市生まれ。88年に龍谷大学経済学部(井口富夫ゼミ)卒。
子どもの頃からの親友・ダウンタウンの松本人志に誘われ、24歳で放送作家デビュー。28歳に上京し、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」「ロンドンハーツ」「水曜日のダウンタウン」など、多くのバラエティー番組を中心に、現在も10 数本のレギュラー番組を担当。その他にNHKの特集番組や、ラジオのパーソナリティー、映画の脚本、その活動は多岐にわたる。2019年9月に小説「おわりもん」を出版。




『おわりもん』(幻冬舎)
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