Challenger05

文学部

入澤ゼミ
仏教の謎を解く、現代の課題も解く。
巨大な摩崖仏を求め、笠置寺へ!

2015.12.04巨大な摩崖仏を求め、笠置寺へ!

文学部 入澤ゼミ

京都と奈良の境である南山城地区。ここでかつて仏教文化が華開いていたことは意外に知られていません。この地で活躍した僧侶に実範上人という方がいます。龍谷大学が所蔵している『念仏式』の著者で、『念仏式』は重要文化財に指定されています。その実範がいたとされる中川寺は、この南山城地区にありました。現在、中川寺跡 地にゴミ焼却センターを建設する計画が進められており、浄瑠璃寺をはじめとする周辺寺院の自然環境、文化財に影響を及ぼすことは目に見えています。


入澤ゼミでは、卒業論文に向けた個人研究とは別に、この南山城地区の文化的歴史的価値を見直すべく、共同研究を行なっています。7月は浄瑠璃寺・岩船寺・般若寺を訪れ、美しい草花が咲き誇るこの地域の自然環境、これまで守り受け継がれてきた貴重な文化財に感動し、研究意欲を掻き立てられました。そして10月30日、巨大な摩崖仏が残る笠置寺を訪れました。あえて急な坂がある登山道を選び、険しい山道を登った先にあった石仏は私たちの想像をはるかに超えた大きさと荘厳な姿で、ゼミ生一同しばし言葉を失いました。笠置寺の住職さんに、笠置寺激動の歴史をお話いただき、摩崖仏を前にして1日限りの青空ゼミを開講しました。非常に熱のこもったお話をお聞かせいただき、大変有意義な時間となりました。


なぜこれだけの大きな摩崖仏をつくる必要があったのか、そこにはどのような願いがこめられていたのか。巨大石仏が残る例は中央アジア・シルクロードにどれほどあるのかなど、興味関心はふくらむばかりです。


文学部に所属する私たちにとって、机の上で資料と向き合うことはもちろん大切なことですが、今回のフィールドワークを終えて、自分の目で見て体全体で感じ取ることの大切さを改めて実感しました。


南山城地区の研究を進めるにあたって、中川寺跡地のごみ焼却施設建設に反対している『弥勒の道プロジェクト』さんにご協力をいただいており、今回のフィールドワークを動画にしていただきました。よろしければこちらも合わせてご覧ください。