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挑戦~from.Ryukoku~ vol.89 早田まりのさん

Introduction

今回は株式会社JTBで働かれている早田まりのさん(国際文化学部2018年3月卒)にお話を伺いました。インタビューを通じて「成長」という言葉が度々出てくる早田さん。1年間の留学の中での心情の変化、成長を実感した瞬間、その背景には目的意識を高くもち、自己変革をし続ける姿がありました。

早田さんにとって大学生活で一番思い出に残っていることはなんですか。

大学3年生の時に1年間カナダのカルガリーに留学をしたことです。比較的費用面で安かったこともありますが、日本人が少ない地域だったこともカルガリーを選択した理由です。今でもとても楽しく素晴らしい経験だったと言えます。

留学のきっかけは何でしょうか。

高校の時から留学には興味がありました。英語は他の科目と比べた時に一番好きでしたね。でも得意と言えるものではなかった、だからこそ好きなことでどこまで成長できるかと英語の勉強は特に力を入れていました。
大学入学後、一時は何かサークルにも入ろうと興味があったのですが結局惹かれず、その一方で大学生活の4年間で何か成し遂げたいと思いは日に日に強くなっていました。親から離れて生活したこともこれまでなかったので、自分がどこまでやれるのかという意味も込めて、かねてから興味があった留学に挑戦しようと思いました。

いざ留学に行ってみるとどうでしたか。

日本でも新しい環境での友達作りにそこまで抵抗を感じたことがなかったので、留学先でも友達はすぐ作れるものだと当初思っていました。しかし、いざ現地に着くと言語の壁の高さを切に感じました。最初の1、2ヶ月は喋れない、喋ろうとも思わない、そんな心情になっていました。

そこから心情はどのようには変化していきましたか。

その時助けてくれたのが、同時期に留学に行っていた友人たちでした。留学先は違ったのですが、同じ悩み、壁を痛感している友人らと連絡を取ることで、「自分も頑張らないと」そう思えるようになりました。それからはまず、クラスメイトと話すことから始めようと思い、隣の子に話しかけたり、授業での発言回数を徐々に増やしていくようにしました。
何かすごい大きなきっかけがあったわけではなかったけど、過ごしている中で「もったいない」と感じることが増え、そのモヤモヤを消すには自分から変わるしかないと切り替えました。

その後の留学生活はいかがでしたか。

それ以降は留学生活を楽しめるようになりました。中でも印象的なのは、台湾人の友人ら4人と私とでロサンゼルスに旅行に行ったことです。互いの母国語を理解することはできず、当時はカタコトの英語でしか話せなかったけど、とても楽しく過ごせました。
初めの2ヶ月間は何も話せず、コミュニケーションをとることにためらいを感じていたのに、外国の方と旅行に行けるまで成長したんだと思えたことが嬉しかったです。

台湾人の友人らとはどのような背景から一緒に旅行に行くことになったのですか。

初めは台湾人の4人がロサンゼルスに行く話をしていて、それを聞いた時に「いいね」と言うと「じゃあ、一緒に行く?」と言う感じで急遽行くことが決まりました。笑
以前より留学中にたくさん旅行することも目標にしていたので、留学費用とは別に旅行費用も貯めていました。ニューヨークやトロントにも行くことが叶いました。日本から行くのと、カナダから行くのでは費用も大きく異なるので、たくさん旅行ができてよかったです。
留学終盤には、自分の英語がどこまで通じるのか、実際に試すためにも一人でサンフランシスコにも行きました。宿泊先もゲストハウスのような旅人が集まる共同部屋に泊まり、そこで知り合った人と現地を観光しました。飛行機がトラブルの関係で遅れて戸惑う場面などもありましたが、チケットの変更も自ら行え、総じて楽しく過ごせ無事帰ることもできたので、成長を感じた瞬間でした。

現在株式会社JTBで働かれている早田さんは、就職活動はどのように行われましたか。

留学から帰国後に始めました。人と関わるのが好きだったからこそ、お客様と積極的に接点を持っていきたいという思いから、サービス業に重きを置いていました。業界でいくと旅行会社、航空、ホテル辺りです。

その中でも株式会社JTBに入社を決めた理由は。

ありがたいことに希望していた各業界から内定はいただけたのですが、自分も留学を経験したように、旅行が好きだと言う思いが一番強かったです。旅行会社のカウンター業務にも憧れがあったのですが、JTBは日本中に店舗を持っていたことも決め手の一つです。関西だけでも京都だけと言うわけではなく、大阪、兵庫など幅があります。将来結婚し、旦那さんの都合で引っ越すことになったとしても働き続けられると思いました。
旅が好き、お客様とお話しするのが好き、加えて働き方としてもJTBが一番柔軟で自分に合っているなと感じました。

仕事内容について教えてください。

四条の店舗で働いています。私の働く店舗では国内と外国でカウンターが二分されており、私は国内の担当です。一般的な店舗とは少し異なっているかもしれません。ですが国内のみを担当しているからこそ、専門性には富んでおります。

業務上で英語を使う場面はありますか。

京都は観光客が多い店舗なこともあり、海外の方とコミュニケーションをとる機会はあります。海外の方は京都に行くことは決めても、実際に現地に着いてからどこに行くのかを決められる方もいらっしゃるので、チケットの発券や目的地までのルートの案内などを行う時には英語でコミュニケーションをとっています。

最近の人気観光地はどの辺りになりますでしょうか。

今の時期は学生のお申しみが多いのでやはりディズニーと沖縄は人気ですね。後は蟹シーズンということで日本海側、北海道も雪まつりが2月にあるので人気です。関西からでしたら神戸港から小豆島まで行くのもおすすめです。
個人的には北海道に行きたいです。高校の修学旅行で一度行ったのですが、まだまだ巡りきれていません。美瑛に行って美しい自然を体感し、何より美味しいご飯も食べたいですね。

旅行を友人と企画する際、既に行ったことがある場所には行きたくないと言う方もいますが、早田さんにとって旅行とは。

お客様にも同様の意見をおっしゃられる方もいます。ですがどこに行くかよりも、誰と行くかが大事だと本当に思います。一緒に行く人によって興味関心、見たいもの行きたいところも異なるので、行ったことがある場所でも見える景色は違ってきます。私は同じ場所に何度足を運んでも、その都度思い出に残る旅行になると思っています。

仕事でのやりがいは。

お客様に「すごく楽しかった!」と言ってもらえることは大きなやりがいです。例えば、お勧めした旅館が非常に満足いくものだったと言ってもらえた時は、自分が勉強してきたことはお客様のためになっているのだと実感できますし、何より、人に楽しんでほしいと思ってやっている仕事だから、楽しかったの一言は心から嬉しいです。

“勉強”とはいったいどのようなものですか。

座学というよりは、プライベートで自分で色んな場所に足を運び、自分の目で見て情報を集めることです。実際に行ったからこそ話せることも増えると思っています。
あとは旅行後にお客様に「宿泊された旅館はいかがでしたか」などと電話し、魅力的に思えたところを聞くことで、次のお客様にプラスで情報を提供することができます。
私たちのお仕事は旅行を手配したら終わりではなくて、旅行後の感想を聞くことで、客層ごとのニーズを理解することも意識しています。パンフレットにあるような文字だけでは全体を理解することは難しいので、実際に足を運び、感想を聞き、メリット、デメリットの双方を次のお客様に伝える、繰り返すことでお客様に対して満足のいくプランを提供できると思います。
JTBでは現地研修もあるので、そこは実際に目で見て、体験して、多くの情報を仕入れるチャンスにもなっています。

早田さん自身の今後について考えられていることはありますか。

自分が没頭できるものを見つけていきたいです。学生なら留学という目標を見つけてそのためにお金を貯める、しかし社会人になるとそういうものを中々見出し難いように感じています。今の仕事を通じて他の場面でも何か没頭できるものを見つけ、定量的なもので何か自分をアピールできるものを増やしていきたいと考えています。

最後に、本学の学生にメッセージをお願いします。

学生のうちに色んなところに行って、色んなものを見るべきです。
色んな人がいて、色んな先生がいて、色んな国の人がいて、ここは高校と大学の決定的な違いだと思います。この環境を存分に活かしてください。
また、目標をもって失敗しても「もうダメだ」と思わないでください。大学受験失敗、バイトでの失敗、社会人での失敗をしても、気張らず柔軟に過ごしてください。失敗が0の人はいません。皆さん見えないところで失敗しています。
バイト、旅行、サークル、小さなものでも目標をもって皆さんやられているはずです。私は留学という目標をもってそのために色んなことに取り組みました。そこでの気づきはとても多かったと今でも思います。将来何がやりたいか見つからなくても、何か一つ目標をもって取り組んでください。

【取材・記事】
肥田真男(経営学部4年)、北村謙一朗(文学部3年)

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