突然ですが、人力車を見かけたことはありますか?京都では、東山や祇園、嵐山などで見かけることがあると思います。大きな車体にお客様を乗せ引っ張る光景を見ると、なんだか大変そうだなと思う反面、風情があって良いですよね。そんな人力車を動かすお仕事をされている方が龍谷大学にいらっしゃるということで、今回は森田来栄(もりたらいえい)さん(法学部2年生 水口東高校卒業)お話を伺いました。森田さんにとって、人力車を動かすお仕事とは…?
人力車を動かす人のことを「俥夫(しゃふ)」と言います。
お客様を乗せ、人力車を動かすことはもちろんですが、お客様とのコミュニケーションも重要な仕事です。単にコミュニケーションといっても、世間話をするのではなく、例えばお客様からの「ここはなんですか?」という問いに対して「ここは~というお店で、創業は…」と応えるというようなイメージです。また、ただお客様に聞かれたことだけに応えるのではなく、「ここは~というお寺で…」というように観光案内もしなければなりません。ですが、こちらから一方的に案内をするのではなく、お客様が欲しいと思うような情報を伝えなければならないので、どんな情報を欲しいと思っているのだろうかと常に考えています。
また、お客様には日本人だけではなく、外国から来られた方もいらっしゃるので、英語や中国語で案内することもあります。
1年生の初めに入ったサークルの先輩に、俥夫をされている方がいらっしゃったことがきっかけです。もともと、大学生のうちに「これをやったぞ!」と思えるものをつくりたいと考えていました。また、京都らしさがあり、外国の方とも交流したいと考えていました。俥夫の仕事は、こうしたことを考えていた僕にとって、ぴったりの仕事でした。
たくさんありますが、1番は、コミュニケーション能力と語学力が身に付いたことです。お客様には、小さなお子様からご年配の方までいらっしゃいます。それぞれの年代にあわせた言葉で接しなければいけません。こうした世代を問わず交流するコミュニケーション能力が身に付いたと思います。さらに、海外から来られたお客様もいらっしゃいます。そうした方にも案内をするため、英語や中国語を授業以外でも勉強しました。特に中国語は、今月行われた「中国語暗誦・スピーチコンテスト」スピーチの部で2位をいただきました!
こうした向上心は、働くうえで大切なことではないかと思っています。アルバイトを長くしていると慣れてしまって、流れ作業みたいになってしまいませんか?そんな中でも、どうしたらよりお客様に喜んでいただけるのかを考え続けることを、この仕事を通して学びました。
俥夫の仕事にゴールは無いので完璧な人はいないと思っています。そして、京都にはもっと良いところがあると思いますし、お客様にもっと良いガイドをしたいと思っています。『すべての方に楽しんでいただけるような俥夫になること』が今の目標です!
私は、『大学生のうちにこれをやったぞ!』と言えるものがつくりたいと思い、俥夫の仕事を始めました。大学生って4年間しかないですよね。あっという間だと思います。さらに、この4年間って自由なところも多いからこそ、“価値ある時間“だと思っています。だから、やりたいことにどんどんチャレンジしてほしいです。大学の講義で学ぶことも大事ですが、他の場所や事で学ぶことも多いと思います。例えば、飲食系のアルバイトばかりやるのではなく、さまざまな業種に挑戦してみたり、留学をしてみたりするとかですかね。「4年間でいろんなことをしました!」「これだけはやりました!」そう思えるものを作ってほしいと思います!
最後に、俥夫募集中(笑)お客様も!