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挑戦~from.Ryukoku~ vol.84 藤林人志さん

Introduction

今回は、龍谷大学学友会学術文化局能楽部で技術部長を務めている藤林人志さん(経済学部3年生・京都府立田辺高校卒)にお話しを伺いました。普段接する機会の少ない“能”の世界…能楽部ではどのような活動が行われているのでしょうか。ぜひご覧ください。

能楽部の活動について教えてください。

毎週火・木・土に、8名の部員で活動しています。能は1本でだいたい30~90分の上演時間があるのですが、私たちはそれらの演目の決まったワンシーン(3〜5分程度)を切り抜いた”仕舞’といわれる演目を練習しています。
1日の稽古を具体的にお伝えすると、まず姿勢や謡(台本を声に出してうたうこと)、仕舞の練習を順に行います。そして通し稽古をしたのちに師匠からの指導をいただきます。

記憶に残っている師匠からのお言葉はありますか

はい。2018年11月18日に京都三条にある大江能楽堂で幕を開いた龍谷能にて、演目「経正」の主役を演じさせていただきました。同年7月に稽古を開始してから、舞台に縁のある仁和寺に足を運んだり台本を読み込んだりすることで私なりに役作りに励んでおりました。
しかし、そうして2か月経った9月、稽古場にて師匠に「謡(うた)い方がなっていない」とお叱りを受けたのです。はっとしました。1年生の頃から馴染んでいた演目だったのできっと心のどこかで甘くみていた部分があったのであろうとすぐに自分を見つめなおしました。
それから、演じた経正の心を突き詰めるために、台本外の彼の生き様について調査することで謡(うた)について、表現について理解を深めようと考えすぐに実行に移しました。ゆるんだ心を締め直し、的確に指導してくださった師匠に本当に感謝しています。

今後の目標はありますか

能は約500年前に起きた文化であり、その実態は昔に触れながら今に表現できるものであると考えています。つまり、自分の解釈を500年ほど前のものと合致させて表現することができる非常におもしろい文化であるといえるのではないかと思います。
4年生では技術部長として、私が3年間で学んだ台本の解釈や表現方法について、少しでも多くこの部内に残したいと思っています。

【取材】
秋山 季満久(文学部3年)
倉田 栞里(経営学部2年)
【記事】
倉田 栞里(経営学部2年)

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