龍谷大学

370周年記念事業

龍谷大学創立370周年記念事業 人間・科学・宗教シンポジウム第2回「 共生 ともいき と持続可能性のある世界をめざして」

2010年2月13日(土)、第2回人間・科学・宗教シンポジウムが、「共生と持続可能性のある世界をめざして」というテーマの下、深草キャンパス顕真館において、約120名の来場者を集め開催されました。

会場の様子

開会挨拶を行う若原道昭学長


第一部では、若原学長の挨拶に続き、平野研究部長のコーディネートにより、「人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター」「里山学研究センター」「革新的材料・プロセス研究センター」「地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター」の4センターより、「地球と人間の持続可能性の探究」をテーマに、研究目的と成果概要の発表がなされました。龍谷大学には、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業、および私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択された8つの研究センターがあり、昨年12月8日に開催された第1回シンポジウムでの5センター(古典籍デジタルアーカイブ研究センター、情報通信システム研究センター、矯正・保護研究センター、アフラシア平和開発研究センター、人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター)の発表に続いての研究成果発表となりました。

鍋島 直樹 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター長

宮浦 富保 里山学研究センター長


大柳 満之 革新的材料・プロセス研究センター長

白石 克孝 地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター長


その発表を受け、(株)大和総研経営戦略研究部部長の河口真理子氏よりレスポンスをいただきました。サステイナビリティ(持続可能性)や地球低炭素社会の実現へ向けた提言をされてきた河口氏からは、4センターの研究成果を聞いて、「16世紀頃を境に分断されてきた『宗教』と『自然科学』『社会科学』の再統合」、「地域社会や地方統治の果たす役割の増大」の2つの面から応答をいただきました。

各センター長もそのレスポンスを受け、これからの時代は、欲至上主義の方向を転じて、相手の幸せを自己の幸せと感じる「利他」の心が大切であり、人々にやりがいや生きがいを生み、ばらばらの世界に絆を生み出すことにつながるような研究を続けてゆきたいと訴えました。

レスポンスを行う河口 真理子氏

第二部では、イクレイ世界事務局次長・ヨーロッパ事務局長のジノ・ヴァン・ベギン(Gino Van Begin)氏による特別講演が行われました。ヴァン・ベギン氏は、過去30年にわたりEU関連の国際機関などにおいて活躍、昨年12月にコペンハーゲンで開催された国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)においても、イクレイ代表の公式オブザーバーとして様々な委員会に参加されたほか、本大会と並行して設置された「地方政府気候ラウンジ」においても、世界の地方政府の声を取りまとめる上で、重要な役割を担っておられます。

講演でヴァン・ベギン氏は、世界では2人に1人が都市に住んでおり、都市においてCO2を減らすことが世界規模でCO2を減らすことにつながる、各都市での取り組みが世界規模で持続可能な発展に取り組むことにつながり、世界中の地域での取り組みが世界を動かすと述べられ、地球温暖化を防ぐために、政府は自治体とともに取り組もうと呼びかけました。実にこれからの時代における人間、地域、都市のあり方を指し示す素晴らしい講演でした。

講演するジノ・ヴァン・ベギン氏

引き続き、白石克孝氏(地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター長)、牛尾洋也氏(里山学研究センター副センター長)、高村ゆかり氏(法学部教授)の3名によって、ジノ・ヴァン・ベギン氏の講演を受けてのシンポジウムが開かれ、国家から都市に大きな役割が移行する際に何が重要であるかを訴えました。


シンポジウムの様子

21世紀の現在、経済成長の神話から、持続可能性のある低炭素化社会へと移行するパラダイムシフトが求められています。今回のシンポジウムでは、その社会の実現へ向けて、「グローバルからユニバーサルへ」「国家主導から地域ガバナンスへ」「欲至上主義から利他心へ」をキーワードに、一人ひとりの力、地域の力、都市の力、田舎の力、それが世界を変えるということが訴えられました。


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