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文学部

打本弘祐ゼミ
聖教を抱えて、臨床現場に飛び出せ
長岡西病院ビハーラ病棟の役割 ~森田敬史講演会~

2017.10.31長岡西病院ビハーラ病棟の役割 ~森田敬史講演会~

文学部 打本弘祐ゼミ

今回打本ゼミでは、10月19日(木)森田敬史先生をお招きし、「長岡西病院ビハーラ病棟における仏教者の役割」というテーマで講演会を行いました。

ビハーラ病棟では通常の病院とは違い、仏教を基盤にした看取りの場ビハーラ三つの理念を入れ仏教者1名が常勤スタッフとして勤務しています。ここでは、治療の施しようのない方たちが入院しています。多くの患者さんは1週間から1ヶ月間入院されます。このような患者さんを看取ることがこのビハーラ病棟の役割と言えます。

「宗教者が病院にいることについて」
ビハーラ病棟に仏教者が常勤している、と森田先生は述べられました。しかし仏教者が病院にいるということは、あまり良い印象ではないと言います。それは、宗教者というと死を連想したり、マイナスなイメージが強いからです。また、宗教者ということもあり、信仰している宗教を強要されるのではないか、という不安もでてきます。

そこで、このようなイメージとは違いしっかりとした理念を定め、ビハーラ病棟では多くの患者さんと向き合っています。その理念は、三つあります。

① 限りある生命の、その限りの短さを知らされた人が、静かに自身を見つめ、また見守られる場である。

② 利用者本人の願いを軸に看取りと医療が行われる場である。そのために十分な医療行為が可能な医療機関に直結している必要がある。

③ 願われた生命の尊さに気づかれた人が集う、仏教を基礎とした小さな共同体である。(ただし、利用者本人やそのご家族がいかなる信仰をもたれていても自由である)。

「求められる役割」
仏教者が気を付けていることとして、一人一人が信仰している宗教を尊重し、ズカズカとは入っていかない。病院内で信仰の強要はせずに、相手の信仰に合わせる。ということを大切にしている、と森田先生は言います。
つまり、宗教者という立場を強く出すのではなく、相手に寄り添う・心のケアをする専門家として現場に勤務しているのです。

【ゼミ生の感想】
今回の講演会で、患者さんが病院側に気を遣っている時があると聞き、場の空気を読み続けることは難しいことだと感じました。そのため患者さんの仕草や表情などから、今どういう事を考えているのだろう、と感じていかなければならないということがわかりました。

平木 顕(佐賀私立龍谷高校卒業)