深草キャンパスの中心に位置する中央広場は、周囲をリング状の屋根(回廊)に囲まれた芝生広場と正面に大型LEDモニターRUV(Ryukoku University Vision)を備えたステージによって構成しています。
イベント時は内容や規模に応じて様々な使い方ができ、平常時はステージ上に椅子やテーブルを配し、芝生広場とあわせて学生の憩いの場となります。
ガラスサッシで囲まれた円形の開放的なスペースで、内外両面とも使用可能な掲示板を設置しています。掲示板の外側は大学から学生向けの情報を提供し、内側は学生同士の情報交換の場としています。
また、施設内部は社会福祉法人が「カフェ樹林(じゅりん)」を営業しており、ハンディキャップを持つ方が喫茶、軽食の提供をしています。
中央広場を眺める図書館前のエントランスデッキは、ベンチやテーブルを設置し、読書をしたり、学生同士がコミュニケーションをとれる場所となっています。中央広場側は地面から段差をつけており、ステージとしてイベント等に利用することもできます。
既存の地盤レベルを活かしながら全体を緩やかな傾斜面で再構成することにより、すべての場所でバリアフリーを実現しています。
これまでのアスファルト舗装に替わり、リサイクル材を使用した透水性舗装を主に用いることで、輻射熱の軽減など地球環境への配慮をしています。また、中央広場を中心とする円形模様はキャンパス全体の一体感を生み出しています。
既存の樹木を活かし、1年を通して緑豊かな常緑樹や、木々の変化で四季を感じることのできる落葉樹を、エリアに分けて植樹しています。緑地の周囲にある緩やかなカーブを描くベンチは学生の交流・憩いの場となります。
図書館前に位置するすり鉢状の水盤は、周囲に枝垂桜やベンチを配置し、水に親しむ憩いの空間、また、伏見の豊かな水と京都の四季を感じさせる「静」の空間を創り出しています。
水盤の水は5号館の雨水を利用しており、防火用水として利用できます。さらに太陽光発電により稼動するろ過循環装置を設置し、水を浄化しています。
京阪深草駅、JR稲荷駅からのアクセスが多く深草キャンパスの第2の玄関ともいえる東門は、間口を広げ道路からのアプローチを広くとり、これまでの勾配を緩和することによって、ゆとりある空間となっています。
既存の屋上塔屋部分を利用し、鐘楼をイメージしたオブジェを吊りさげ、夜間にはライトアップを施します。
また、外壁の2階から4階部分は風や光を通すスクリーンを設置し、学外に向けた新たな外観を形成するとともに、イベント時には垂れ幕の下地に利用できるようにしています。
顕真館正面の平山郁夫画伯の陶板画「祇園精舎」をライトアップし、正門から顕真館へと続く通りの舗装にLED(発光ダイオード)の照明を埋め込むことにより、顕真館を象徴的に演出しています。