深草キャンパス4つの新棟と上空通路の名称決定
深草キャンパスの施設整備がいよいよ整ってまいりました。キャンパス内の4つの新棟と上空通路の名称が決まりましたのでお伝えいたします。このうちの3新棟の名称はいずれも親鸞聖人のお言葉から採ったものです。建学の精神に満ちたキャンパスになることを願ってのことです。
クラブ・サークル専用棟と上空通路については、学生代表との意見交換をしながら決定しました。
■2号館北側新棟「灯炬館(とうこかん)」

若い人は自分の思いが叶わず何度も絶望感を味わいます。煩悩に振り回されていることにも気づかず、自分の立ち位置さえわからなくなることもあります。暗闇の状態にある自分をいつも照らしてくれる「大いなる灯(灯炬)」、それが本学の建学の精神である阿弥陀如来の誓願です。自分には智慧の眼がそなわっていないからと嘆き悲しむことはないのです。
親鸞聖人は『正像末和讃』で次のように述べておられます。
「無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな 生死大海の船筏なり 罪障おもしとなげかざれ」
■10・11号館跡地新棟「慧光館(えこうかん)」

人は時に自分の思いを先行させてしまい周囲と軋轢を生みます。いったん「自分は正しい」「自分の判断は間違っていない」と思い込めば、そこからなかなか抜け出すことはできません。自分の都合に合わせて都合のいい情報を集め主張したりもします。基底にあるのは「思いどおりにしたい」という底知れぬ闇。阿弥陀如来の智慧の光はそうした人間の闇を破っていくのです。ちょうど夜明けの光が夜の闇を破るように。
親鸞聖人は『浄土和讃』で次のように述べておられます。
「智慧の光明はかりなし 有量の諸相ことごとく 光暁かぶらぬものはなし 真実明に帰命せよ」
■12号館北側新棟「聞思館(もんしかん)」

「聞思」とは親鸞聖人の主著『教行信証』のはじめに出る言葉です。人生のよりどころとなる教えをよく聞き考えるという意味です。大切な言葉を聞いても、ただ聞き流すだけでは意味はありません。じっくりと自分の頭で考え吟味し、自分の問題として受けとめることが大事です。昨今は情報が溢れすぎ、自分が進むべき道を見出しにくい状況です。生きる方向を見失わないようにするためにも「聞思」を心がけたいものです。ちなみに生きる方向を見失い身動きできない状態になることを親鸞聖人は「遅慮」という言葉で表現しています。
親鸞聖人の『教行信証』「総序」に出る言葉は以下の通りです。
「聞思して遅慮することなかれ」
■紫光館別館跡地新棟「朋友館(ほうゆうかん)」

「朋友」とは友や仲間を指す言葉です。友は時に自分を助けてくれる存在です。しかし、時には自分を悩ませる存在にもなります。
友人関係というのは難しいものです。同じサークル、同じクラス、同じ出身地など、共通点があれば自然と友ができます。いわば、「閉じられた関係」です。
このサークル専用棟である紫光館別館跡地新棟では、サークルの枠を越えて「お互いがお互いを尊重し合える関係」「お互いがお互いを高め合う関係」であってほしいと願い、「朋友館」と命名いたします。ここに集う学生はそうした「朋友意識」を全学に広めていってもらいたいと希望します。
■南北接続上空通路「結連橋(ゆいれんきょう)」

深草キャンパスの北エリアと南エリアをつなぐ上空通路は「つながりの可視化」です。
学部を越えた学生同士のつながり、学生と教職員とのつながり、在学生と卒業生とのつながり、そして大学と地域とのつながり。これからの時代はつながりが極めて重要になってきます。
日本古来からあるつながりを示す言葉「結」と「連」を選び、それらをつなげて造語を創りました。この上空通路は単なる歩道橋ではなく、深草キャンパスの新たなるシンボルとして活用されることを切望します。