challenger21

経済学部

神谷祐介ゼミ
世界と戦い続ける、経済学を武器にして。
開発教育活動 高校編

2017.01.10開発教育活動 高校編

経済学部 神谷祐介ゼミ

12月15日、大阪の私立桃山学院高校のプロビデンス授業の1講座として神谷ゼミの学生がグループワークを通した国際協力を考えるワークショップを高校生対象に行いました。この企画は以前に紹介した開発教育活動の一環で桃山学院高校の高校3年生23名が参加してくれました。
今回の私たちの目的は、国際協力=ボランティアや偽善であるというイメージをなくし、実際の国際協力には経済学をはじめとする様々な学術的な理論や背景をもとにして支援が行われていることを知ってもらうことでした。


授業では、私たち神谷ゼミが作成した途上国の女子教育に対する問題をテーマとした動画をもとに途上国の初等教育の普及について紹介しました。その後、各班に分かれて途上国の親、子供、教師、行政などそれぞれの立場に立って様々な視点から学校教育に対する考えや生活の問題、またインフラや教育資材が整っていないことなどに対してどのような支援が必要かについてグループワークを通して考えてもらいました。
また高校生には経済学のランダム化比較や、ゲーム理論の原理をもとに私たちが作成したアンケートに答えてもらいました。それは、実際に存在する学校建設プロジェクトなどに対していくら支援するかなどを授業前や授業後で支給金額に変化があったかどうかなどを調査するというものでその結果は今後の研究活動のデータとして使用させていただこうと考えています。


今回高校生の皆さんには国際協力だけでなく、機会費用などの概念を用いて大学に進学するということや今後の進路などについても経済学部生目線でアドバイスさせていただきました。機会費用は「あるものを手に入れるために諦めなければならないもの」と定義され、大学に進学するという選択の費用を例に挙げると、学費や教科書代、定期代に加えて高卒で働いた場合の費用も経済学では考えるというものです。例えば、高卒で働いた場合に1か月15万円の給料が支払われる場合、15万円×12か月(1年)×4(大学4年間)=720万円の費用がかかっているということになります。
この機会費用の概念から大学で学ぶということは、学費などの費用のほかに高卒で働いた場合の費用を犠牲にして学ぶということになります。しかし、一方で大学に進学することは、より高度で専門的な知識や技能を身に付け大卒だからこそできることを社会に出て活かし働くことで自らの生涯賃金を上げるための投資と考えることもできます。私たち経済学を学ぶ大学生として、参加した高校生が機会費用の概念に触れることで来年少しでも充実した大学生活を送り、実りあるものにしたいという心構えを持てるよう前向きなアドバイスができたのではないかと思います。


実際に授業後のアンケートでは、8割近くの高校生から「発展途上国の問題や国際協力、経済学について関心を持てた、理解できた」などという回答をいただくことができました。「地球市民全体として社会の問題について考え、理解する」という開発教育の目的を達成できたと考えています。
今後も開発教育を通じて子供たちや地域の人々に途上国の現状を知ってもらい、共に考えていくことで国際協力をより身近なものとしてもらえるような活動を行っていきます。


新海 匡倫(私立桃山学院高校卒業)